大リーガーが,難病基金のため英語版「EverQuest II」に悪役で参戦
ボストン・レッドソックスの名ピッチャー,Curt Schilling(カート・シリング)投手が,期間限定ながらSony Online EntertainmentのMMORPG「EverQuest II」に参戦することが発表された。スパイクのついたバットを両手に持ったパンクな悪役Curt Schillingとして登場し,貴重なアイテムもドロップするという。 これは,Sony Online Entertainmentが,シリング投手が10年以上も関わってきたALS(筋萎縮性側索硬化症)アソシエーションに協賛したもので,Curt Schillingが一度倒されるごとにSOEから5ドルが自動的に寄付され,またプレイヤーがゲーム中に“ALS”と打ち込むことでも寄付ができる。アメリカ時間の6月5日から7日までの3日間にかけて行われる,伝統のニューヨーク・ヤンキース戦に合わせて企画されており,同ソフトの北米サーバーにアクセスしているプレイヤーなら,誰でもシリング選手に“立ち向かう”ことが可能だ。今回のチャリティーでは,最大で1万ドル(約110万円)の寄付額を目指すとのこと。
今年40歳となるベテランのシリング投手はEQの大ファンとして知られており,アメリカのゲーム雑誌にレビュー記事を投稿したこともあるほど。2005年のワールドシリーズでは第2戦に登板し,足の負傷を自分で縫いとめてプレイを続ける豪傑ぶりを見せ,チームの優勝に貢献した。同ゲームでも激しいプレイをしているのかと思いきや,「顔も本名も知らない人達を“友人”と思えるほど充実した時間を共有できるのが楽しい」と語る。
すでに述べたように,この寄付金はALSに対する研究費としてALS アソシエーションに贈られることになるが,同疾病はまた,往年の大リーガーの名前に由来する「ルー・ゲーリック症候群」とも呼ばれる。ゲーリック氏は,1930年代にヤンキースで活躍していた打撃王であり,ALSで体が思うように動かなくなくなるまで2130試合連続出場したことでも有名だ。シリング投手は,プレスリリースの中で「ALSは本人の体を少しずつ蝕んでいく冷酷な難病で,その影響は家族全体にも及びます。MMORPGが人気となっている現在,これを訴える手段としてゲームが最良だと考えました」とコメントしている。
シリング投手はゲーリック氏を尊敬していたようで,10歳になる長男にもゲーリックと名付けている。このゲーリック君もEverQuest IIのプレイヤーであり,5日にゲーム上の父親アバターと最初に戦う栄誉が与えられているという。なお,この“Curt Shilling”は,5月7日以降もゲームキャラクターとしては存続する予定だ。(奥谷海人)
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EverQuest II |
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