「Microsoftが,AGEIA TechnologiesのPhysXテクノロジーを,DirectXでサポートするかもしれない」――という噂が,海外の一部で広がっている。
“火元”になっているのは,Ziff Davis系のテクノロジーニュースサイト「Extreme Tech」。現地時間2006年6月20日の記事において,その可能性が示唆されている。同サイトの挙げる状況証拠は以下のとおりだ。- Microsoftは,「Direct Physics」という,物理シミュレーション用コアエンジンの開発者を2005年8月から募集中。Direct Physicsのチームは,Direct3Dチームと緊密に連携を取りながら開発を進めるとされている。
- Microsoftが,Windowsベースのロボット開発環境「Microsoft Robotics Studio」を2006年6月20日に発表。この開発環境では,PhysXエンジンのライセンスを受けており,PhysX PPU搭載カードでハードウェアアクセラレートが可能になっている。
Extreme Techでは,Microsoftの求人ページでは具体的な物理シミュレーションエンジン名に言及がなかったにもかかわらず,今回のMicrosoft Robotics Studioで突然,PhysXエンジンのライセンス取得が発表された点を指摘。これを根拠に「MicrosoftはDirectXに(PhysXエンジンベースの)物理シミュレーションを持ってくるのではないか」と言っているわけである。
Microsoftが物理シミュレーション関連の開発者を集めているのと,Microsoftが特定の開発環境でPhysXエンジンのライセンスを受けているのは事実だ。もしExtreme Techの推測が正しいとすれば,次世代DirectXで,PhysXエンジン(≒PhysXテクノロジー)が,一気に主役の座へ躍り出てくることになりそうだが,どうなることやら。 なお,現時点で,この噂についてMicrosoftはとくにコメントを出していない。(佐々山薫郁)
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