ASUSTeK,国内ノートPC市場に参入 GeForce Go搭載製品を発売
ASUSTeKの日本語Webサイト。4Gamerでは,2006年10月25日正午時点でノートPCの情報が掲載されているのを確認できた
|
ASUSTeK Computer(以下ASUSTeK)は,同社の日本語WebサイトにノートPCの情報を掲載し,国内ノートPC市場参入を事実上発表した。 世界的にはノートPCメーカーとしても十分な知名度を持ちながら,日本では国内メーカーへのOEM/ODM提供が主で,自社製品としてのノートPC販売は(極めて限られた販路を除くと)行っていなかったASUSTeKだが,ついに日本市場攻略に向けて本格的に動き出すようだ。
現時点で発売日や価格などは明らかになっていないが,4Gamerの取材に対してノートPC市場参入を認めたASUSTeKの広報担当者によれば,同社のグラフィックスカードでもサポートされる映像エンジン「Splendid」などの独自機能を武器に,ハイスペックノートPCとしての訴求が図られる見込み。販路は,グラフィックスカードやマザーボードとは異なり,家電量販店がメインになるとのことだった。
VX1 Golden Edition
|
さて,国内参入第1弾となるのは,ハイエンド向けとなる「VX1 Golden Edition」。同製品はASUSTeKと自動車メーカーであるAutomobili Lamborghini S.p.A(以下ランボルギーニ)の共同開発製品とされており,ランボルギーニの塗装技術を用いた天板と猛牛のロゴマークが刻まれているのが特徴だ。国内限定200台で,シリアルナンバー入りのプレートが本体底面に貼られるというあたりからも,高級志向が伝わってくる。
詳細なスペックは本稿末尾に示したが,CPUにCore 2 Duo T7400/2.16GHz(L2キャッシュ4MB)に,メインメモリはPC2-5300 DDR2 SDRAM 1GB×2,HDD容量は160GBで,液晶ディスプレイは15インチワイドの1400×1050ドット。GPU(グラフィックスチップ)には「NVIDIAがASUSTeKのために製造した」(ASUSTeK)というカスタムモデル「GeForce Go 7400 VX」を採用する。正直な話,GeForce Go 7400シリーズはローエンド向けで,3Dゲームを積極的にプレイするには向いていないが,「何でもこなせるハイエンドノート」としてなら,まずまずの3D性能といえるかもしれない。 ユニークなのは,「Zero Bright Dot」(ZBD)というサポートが付属する点だ。これは「液晶ディスプレイに常時点灯ドットが発見された場合は交換する」というもの。購入後30日という限定がつくが,いわゆるドット欠けへの配慮としては評価できそうである。
VX1 Golden Editionの製品イメージ。ブラックモデルも用意されるようだ
|
|
|
S6Fシリーズ
|
なお,同社はVX1 Golden Editionと同時に,「S6Fブラウン」「S6Fキャメル」という,革張り仕様のモバイル向けノートPCも投入する予定となっている。こちらはグラフィックス機能がMobile Intel 945GM Express内蔵コアによって提供されるという,ゲーマーにはまず無関係の製品なので深くは触れないが,先述のSplendidはサポートされるので,ちょっと変わったモバイルノートとして注目を集める可能性はありそうだ。ただし,製品概要やスペック表を見る限り,S6FシリーズにZBDのサポートはないので,その点はご注意を。
S6Fブラウン(左)とS6Fキャメル(右)。両モデルは色だけでなく,スペックも異なっている
|
|
|
ASUSTeKの広報担当者によれば,11月2日に報道関係者向けの国内参入発表会を行う予定になっているとのことなので,詳細はこのタイミングで明らかになるだろう。国内メーカーの寡占状態にある日本市場に対して,世界規模では十分な実績を持つASUSTeKがどういった手を打ってくるのか,興味深く見守りたい。 ……明らかなゲーマー向けモデルなどが投入されたりすると,より歓迎できるのだが。(佐々山薫郁)
●VX1 Golden Editionのスペック(※公式サイトより)
●S6Fシリーズのスペック(※公式サイトより)
|
|
|