[TAIPEI 2007#08]ゲーム画面が飛び出す3Dディスプレイ「iZ3D」
Road Ahead Technologyのブースでは,米Neurok Opticsの開発した3Dディスプレイ「iZ3D」の展示が行われていた。 これは,簡単にいうと左右の目に別々の映像を送るようにした液晶ディスプレイだ。1280×1024ドットのカラー液晶パネルに偏光フィルタパネルを張り合わせ,2枚のパネル間の距離による視差から左右それぞれの目用の映像を計算して表示するという方式をとっている。そして偏光フィルタをつけたメガネをかければ,右目と左目に別々の画像を見せることができるというわけだ。 昔あった液晶シャッター方式と違い,フリッカーが発生しないので,長時間ゲームをしていても目が疲れることはない。似たような方式はすでにいくつかあり,映像機器の展示会などでは以前から出展されていたのだが,立体ディスプレイ自体がCAD用などでしか市民権を得ていないためか,法外な価格のものしかない。きちんと(?)ゲーム用途で使う製品を出しているというのが,この製品の素晴らしいところだ。
実際にメガネをつけて画面を見ると,最初は二重映しというか,重なりきらない画像が2種類見えるのだが,しばらくするときっちり一つになり,かなりクオリティの高い立体映像を見ることができる。画面の奥行きや飛び出してくるような効果,前後の位置関係なども明確に表現されている。半面,木や草などの処理をごまかして平面ポリゴンにテクスチャを貼っただけのゲーム(結構多い)では,なんとも興醒めな表示になるのだが,3D表示は慣れるとなかなか手放しがたい魅力のあるものだ。
グラフィックスカードは,NVIDIAのGeForceシリーズに対応しており,GeForce 6/7のシリーズでは,ドライバで3D表示に対応できるようだ。ドライバレベルなら,理屈では3Dゲームならなんでも立体表示できるはずなのだが,現時点ではNeurok OpticsのWikiで65タイトルが動作保証されている。古いゲームや,頂点シェーダなどを多用して形状を変更しているソフトはうまくいかないようだ。 気になるお値段は,17インチモニタで2万3000NT$と,日本円にすると8万3000円程度の価格となる。ゲーム以外でも普通に使えるディスプレイだと思えば,大して高くないといえるのかもしれない。ちなみに,Neurok Opticsのサイトでは17インチは売り切れで,22インチの新製品の予約を受け付けている。22インチ,1680×1050ドット表示で応答速度5msの液晶を使用して999ドル(約12万円)だ。ぜひ日本でも販売してほしいところである。(aueki)
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