[COMPUTEX 2007#09]ASUSTeK,サウンドカード市場に参入。Windows Vistaでゲームサウンドのサラウンド出力を可能に
Xonar D2X
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ASUSTeK Computer(以下ASUSTeK)は,COMPUTEX TAIPEI 2007の会場で「Xonar」(ソナー)という名称のサウンドカード製品を公開。合わせて,サウンドカード市場への参入を表明した。 ラインナップは,PCI接続の「Xonar D2」とPCI Express x1接続の「Xonar D2X」の,計2モデル。接続インタフェース以外の仕様は共通とされる。
気になるのはサウンドチップだが,これは「AV200」という,ASUSTeKオリジナルのものであるとのこと。ただし,Xonar担当のプロダクトマネージャーであるSean Lai氏によると,「現時点でASUSTeKにサウンドチップの製造ノウハウはないため,C-Media Electronicsに製造を委託している」という。
左はPCI接続の「Xonar D2」。よく見ると(内部インタフェースが異なるのだから当たり前だが)カードデザインは微妙に異なっている。右は製品ボックス
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AV200チップ
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C-Media製サウンドチップをベースにしているといえば,最近では「Razer Barracuda AC-1 Gaming Audio Card」が思い浮かぶ。同製品は,「Oxygen HD CMI 8788」と思われるチップを搭載することで,ゲームなどのサウンドを「Dolby Digital Live」や「DTS Interactive」に準拠したストリームへとリアルタイムエンコードして外部オーディオ機器に出力したり,「Dolby Headphone」や「Dolby Pro Logic IIx」といったサラウンド機能を利用できたりするのがウリだ。
AV200もCMI 8788とまったく同じ機能をサポートしているため,同じような気がしてくるが,この点についてLai氏は「あくまでベースにしているだけで,中身は異なる。決定的な違いは,CMI 8788の場合,リアルタイムエンコード処理をCPUが行うのに対し,AV200ではサウンドチップが行うため,CPU負荷が大幅に下がる点だ」とのことである。 チップサイズは一見同じように見えるだけに,本当だとすればこれは非常に興味深い。そのほか主な仕様およびアピールポイントは,以下のとおりだ。
- Burr-Brown製のD/Aコンバータ「PCM1796」を搭載し,カードレベルでのS/N比は118dBを実現。A/DコンバータはCirrus Logic製「CS5381」
- アナログ出力は最大7.1ch,アナログ入力は2chで,いずれもミニピン端子。デジタル入出力は同軸RCAを利用する。すべて24bit/192kHz対応
- ミニピン端子は金メッキ加工済み。LEDが埋め込まれており,発光する色で見分けがつくようになっている
- PCケース内でノイズの影響を受けにくくするというシールドを装備。スピーカーのようなデザインになっているシールドには,LEDが埋め込まれている
- D/A変換したアナログ信号を,基板回路を介してそのままA/Dコンバータへ入力する「ALT Technology」(ALT:Analog Loop Transformation)を採用。これにより「DRMのかかった楽曲であっても,高品質のままDRMのかかっていない状態にすることができる」のが機能的なウリ
- Windows Vista対応。Windows Vistaが2chでソフトウェアエミュレートしたDirectSound 3Dサウンドは,Dolby Pro Logic IIxやDolby Headphoneなどでマルチチャネル(=サラウンド化)処理される
右:デモ機を裏側から。金メッキ済みミニピン端子の奥に埋め込まれた各色のLEDが光る
中:シールドの中央部。LEDが埋め込まれている
左:カードを別の角度から。いまとなってはどれだけの意味があるか微妙だが,光学ドライブなどと接続するための端子類はひととおり用意されている
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「Windows Vistaのサウンド周りには頭を抱える」と述べつつも,ドライバの完成度に自信がありそうな口調だったLai氏
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Windows Vistaでゲームの3Dサラウンドサウンドを実現する手段としては,Creative Technology(以下Creative)の「ALchemy」が存在するが,2007年6月をもってなおベータ版。その意味では,より簡単かつ,CPU負荷の低い形でゲームのマルチチャネルサウンドを利用できるようになるかもしれないXonarには注目していきたいし,また期待したいところだ。
気になる出荷時期について,少なくともワールドワイドでは2007年7月発売予定。対象となるユーザーは「より高い音質を望む人」で,そのなかにはゲーマーも含まれるという。 ところで,サウンドカードメーカーのAuzentechは,かねてよりCreative Technology製サウンドチップ「X-Fi Xtreme Fidelity」搭載カード「Auzen X-Fi Prelude 7.1」を2007年6月に投入すると予告している。そこにXonarが加わると,この夏は3Dサウンドがらみの問題解決に向けてWindows Vistaの3Dサウンド周りが熱くなるかもしれない。(佐々山薫郁)
ASUSTeKは同じXonarシリーズのUSBサウンドデバイス「Xonar U1」も準備中。ダイヤルコントローラのようなこれは,やはりASUSTeKオリジナルを謳うD/Aコンバータ内蔵USB Audio Class対応DSP「UA100」と,ヘッドフォンアンプをセットにした製品。アナログミニピン端子は光デジタル出力兼用となり,Dolby Digital Liveサポートである
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