GeForce 6〜8対応の「ForceWare 162.22」と“「World in Conflict」βテスト用”の「ForceWare 163.11」,2種類のVista用公式βドライバが同時リリース
NVIDIAは,32/64bit版Windows Vista用公式βドライバの最新版2種類「ForceWare 162.22 Beta」および「ForceWare 163.11 Beta」を同時公開した。いずれも同社の情報&コミュニティサイト「nZone」から入手可能となっており,2007年7月12日0:30PM時点では,日本語を含む多言語版はNVIDIAの英国サイトから入手可能だ。すぐ手に入れたい人は以下に示したリンクからどうぞ。
→32bit版Windows Vista用 ForceWare 162.22 Beta(55.6MB) →64bit版Windows Vista用 ForceWare 162.22 Beta(68.3MB)
→32bit版Windows Vista用 ForceWare 163.11 Beta(56.0MB) →64bit版Windows Vista用 ForceWare 163.11 Beta(68.0MB)
なぜ2種類が用意されているのかだが,理由は明快だ。ForceWare 162.22 Betaは,GeForce 6〜8シリーズに対応した,多くのゲーマーに向けたβ版。一方のForceWare 163.11 Betaは,nZoneに「For World in Conflict BETA release」とあるとおり,同じタイミングでオープンβテストの始まったRTS「World in Conflict」に対応したGeForce 8シリーズ向けバージョンなのである。 筆者の推測に過ぎないことを断ったうえで続けると,ForceWare 163.11 Betaでは,全般的な互換性の向上以上に,World in Conflictへの最適化が優先されていると思われる。同タイトルのβテストに参加しないなら,ForceWare 162.22 Betaを選ぶほうが安全ではなかろうか。
さて,ForceWare 162.22/163.11 Betaでは従来の最新β版「ForceWare 158.24 Beta」から,主に以下に挙げるようなアップデートが行われているという。
●ForceWare 162.22 Betaの新要素(32/64bit版Windows Vista)- GeForce 7/8シリーズ搭載環境におけるグラフィックスメモリ総容量の増加(※TurboCache関連と思われるが詳細は不明)
- DirectX 10環境におけるNVIDIA SLI(以下SLI)の互換性向上
- 高解像度テレビに接続したときのアンダースキャン対策として,「NVIDIAコントロールパネル」に「Resize the HDTV desktop」メニューを追加
●ForceWare 162.22 Betaで解決した主な問題(32bit版Windows Vista)- 「Hide modes that this monitor cannot display」チェックボックスを利用できず,ユーザー側でカスタム設定を行えない問題
- フラットパネルスケーリング機能が正常に動作しない問題
- 「World of Warcraft」のフレームレートが低くなってしまう問題
- 「Battlefield 2142」をプレイしているときに,[Alt]+[Tab]でデスクトップと切り替えると,テクスチャの表示がおかしくなる問題
- DirectX 10パッチを適用した「Company of Heroes」のパフォーマンスが上がらない問題
- GeForce 8800 GTX搭載環境で,解像度を2560×1600ドット,アンチエイリアシング設定を16xQ AAに設定して「3DMark06」のテストを実行すると,断続的に停止することがある問題
- GeForce 8800 GTX搭載環境で,一部のフラットパネルと接続したときに,ディスプレイ解像度を1024×768ドットより上に設定できない問題
- GeForce 8800 GTX搭載環境で,Dell製液晶ディスプレイ「3007WFP」と接続すると,1680×1050ドットのディスプレイ解像度を選択できない問題
- GeForce 8800 GTX搭載環境で,アンチエイリアシングを有効にして「Supreme Commander」をプレイすると,画面をズームアウトするときに背景の表示がおかしくなる問題
- GeForce 8800 GTX搭載環境で「Lost Planet: Extreme Condition」をプレイすると,開始後数分でゲームがクラッシュする問題
- GeForce 8800 GTX搭載環境で,ゲーム設定からHDRレンダリング,NVIDIAコントロールパネルからアンチエイリアシング設定を有効化すると,「The Elder Scrolls IV: Oblivion」で木々の向こうにキャラクターアニメーションが見えてしまう問題
- GeForce 8800 GTXもしくはGeForce 7900 GTX搭載環境でCompany of Heroesのパフォーマンステストを実行すると,初回実行時や解像度変更直後に画面表示がおかしくなる問題
- GeForce 8800 GTXもしくはGeForce 7900 GTX搭載環境で「Quake 4」をプレイするとテクスチャの表示品質が低下する問題
- GeForce 7/8シリーズ搭載環境でアンチエイリアシング設定を有効化して「The Lord of the Rings: The Battle for Middle-Earth II」をプレイすると,像(※原文は「the statue」)に白いピクセルが見えてしまう問題
- GeForce 8600 GT搭載環境でリフレッシュレートを変更するとディスプレイに何も表示されなくなる問題
- GeForce 8600シリーズ搭載環境で,S1/S3ステートから復帰できない問題
- GeForce 8600シリーズ搭載環境で,ドライバをアンインストールしても,それまでにNVIDIAコントロールパネルで行った設定がリセットされない問題
- GeForce 8500/8400/8300シリーズ搭載環境で,「3DMark05」をループ実行させるとしばらくして停止する問題
- GeForce 8500/8400/8300シリーズ搭載環境でLost Planet: Extreme Conditionを実行すると,ミッション選択画面でゲームがクラッシュし,デスクトップに戻ってしまう問題
- GeForce 7950 GX2の2枚差し環境で,WindowsのコントロールパネルからNVIDIAコントロールパネルを開こうとするとクラッシュする問題
- GeForce 7950 GX2搭載環境で「Far Cry」を実行し,HDRレンダリングを有効化すると,テクスチャの表示がおかしくなる問題
- GeForce 7900シリーズ搭載環境で「Lara Croft Tomb Raider: Legend」をプレイしているときに,[Alt]+[Tab]でデスクトップと切り替えると,画面表示がおかしくなる問題
- GeForce 7900 GTX搭載環境で「F.E.A.R. Extraction Point」をプレイすると,影のテクスチャがおかしくなったり,画面が正常に表示されなくなったりする問題
- GeForce 6600搭載環境でデフォルト設定のまま「Tiger Woods PGA Tour 07」をプレイするとゲームがクラッシュする問題
- ForceWare 100.65以上がインストールされていると,GeForce 8シリーズのSLI構成を行おうとしたときにドライバがクラッシュする問題
- GeForce 8シリーズのSLI構成時に,DirectX 10版のCompany of Heroesをプレイすると,パフォーマンス向上がまったくない問題
- GeForce 8シリーズのSLI構成時に「S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl」をプレイすると,画面表示がおかしくなる問題
- GeForce 8シリーズのSLI構成をSLIブリッジなしで行った環境で「Battlefield 2」をプレイすると,画面表示がおかしくなる問題
- GeForce 8800 GTXのSLI構成時に「Prey」をプレイすると,ゲームがクラッシュする問題
- GeForce 8800 GTXのSLI構成時に,V-SyncとCSAAをいずれもオンにして「Prey」をプレイすると,ゲームの導入部分で画面表示がおかしくなる問題
- GeForce 8800 GTXのSLI構成時に「Battlefield 2」をプレイすると,パフォーマンスが低下する問題
- GeForce 8800 GTXのSLI構成時に画面解像度を2560×1600ドットに指定して「Microsoft Rise of Nations: Rise of Legends」をプレイすると,画面表示がおかしくなる問題
- GeForce 8800 GTXのSLI構成時に「Microsoft Flight Simulator X」をプレイすると,画面表示がおかしくなる問題
- GeForce 8800 GTSのSLI構成時に画面解像度1920×1200ドットで「Cascades」デモを実行すると,画面表示の一部がおかしくなる問題
- GeForce 7シリーズのSLI構成時に画面解像度1920×1200ドット,4x AA,16x AF設定で「3DMark05」を実行すると,Feature Testでクラッシュする問題
- GeForce 7900 GTXのSLI構成時に「F.E.A.R.」(バージョン1.8)をプレイすると,パフォーマンスが低下する問題
- GeForce 7900 GTXのSLI構成時に,NVIDIAコントロールパネルからアンチエイリアシング設定を有効化した状態で「Microsoft Dungeon Siege 2」をプレイし,画面解像度を変更すると,画面表示がおかしくなる問題
- GeForce 7100 GSのSLI構成を行うと,画面に何も表示されなくなる問題
●ForceWare 162.22 Betaで解決した主な問題(64bit版Windows Vista)- GeForce 8600 GT搭載環境でリフレッシュレートを変更するとディスプレイに何も表示されなくなる問題
- メインメモリ容量が4GBのシステムでGeForce 7900 GTXのSLI構成を行うと,画面に何も表示されなくなる問題
●ForceWare 163.11 Betaで解決した主な問題(32bit版Windows Vista)- GeForce 8800 GTX搭載環境で,グラフィックスドライバのアンインストールを行ったときに,いくつかのファイルがHDD上に残ってしまう問題
- GeForce 8800 GTX搭載環境で,「Star Wars: Republic Commando」をプレイすると,一部の画面表示がおかしくなる問題
- GeForce 8800 GTXもしくはGeForce 8600シリーズ搭載環境でSupreme Commanderを“最高設定”でプレイすると,ゲームがクラッシュする問題
- GeForce 8600シリーズ搭載環境で,1920×1440ドット,8x AAに設定してBattlefield 2をプレイすると,ゲームがクラッシュする問題
- GeForce 8800シリーズのSLI構成時にDirectX 10版のCompany of Heroesでパフォーマンステストを実行すると,画面表示がおかしくなる問題
今回もすべて紹介できたわけではないが,このほか高解像度テレビとの接続周りやビデオ再生周りなどの修正がいくつか入っているので,それらが気になる人は英文リリースノートをチェックしてみてほしい(162.22は「こちら」,163.11は「こちら」。いずれもクリックするとPDFファイルのダウンロードが始まります)。
未解決の問題は依然として多く,リリースノートをざっと眺めただけでも,Lost Planet: Extreme ConditionやQuake 4,Company of Heroesなどで一部の画面表示がおかしく問題が残っている。これらについては引き続きNVIDIAにがんばってもらうほかないが,とにもかくにも,多数の問題が解決しているのは確かなので,導入してみる価値は相応にあるといえそうだ。 ドライバのインストール作業は自己責任になるうえ,β版なので公式最新版以上に慎重を期す必要はあるが,GeForceファミリーのGPUを使っていて,現在何かしらの問題を抱えているのであれば,試してみてはどうだろうか。(佐々山薫郁)
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