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AAとAvivo周りに新要素。「ATI Catalyst 7.7」リリース
AMDは，同社製GPU「ATI Radeon」およびグラフィックス機能内蔵チップセット向けのグラフィックスドライバスイート最新版「ATI Catalyst 7.7」（Catalyst 7.7）をリリースした。対応OSはWindows XP/Vistaで，グラフィックスドライバのバージョンは8.39.1となる。4Gamerの最新ドライバページではすでにリンクを更新してあるので，すぐに入手したい人はそちらからどうぞ。
Edge Detectについて言及するスライド。詳細なドキュメントは原稿執筆時点で見当たらなかった
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Catalyst 7.7では，アンチエイリアシング（以下 AA）とAvivo HD周りに新要素が追加されている。まずAAから説明すると「ATI Radeon HD 2900 XT」とATI Radeon HD 2600シリーズにおいて，12/24x CFAAを適用できるようになっているが，これはATI Radeon HD 2000の新要素として紹介されていたCFAAが，ついに100％実装されたという理解で正しい。
CFAAの技法として「Narrow-Tent」と「Wide-Tent」があるというのは，連載「西川善司の3Dゲームエクスタシー」の「ATI Radeon HD 2000シリーズのGPUアーキテクチャ徹底解説」に詳しいのでぜひ参照してほしいが，そのときスライドに示されていた「Edge Detect」（輪郭抽出）が実装されたわけだ。「ATI Catalyst Control Center」（以下 CCC）から有効化すると，「4x AA＋Edge Detect」で12x CFAA，8x AA＋Edge Detectで24x CFAAが利用できるようになる。
なお，細かい話をすると，12x CFAAはこれまで4x AA＋Wide-Tentでも実現されていた。今後は二つの方法で12x CFAAを利用できることになるようだ。
追加要素の一つ「クイック設定への『ビデオ再生』項目追加」
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一方，Avivo周りの新要素だが，英語版リリースノートを見る限り，いままでWindows Vista環境だと存在しなかったメニューが用意されたり，設定項目が今まであった場所から別の場所へ移動したりといった案配だ。全体として，使い勝手に関する細かな修正が入ったような印象で，（さすがに画質周りのテストは行っていないが）少なくとも画質の向上に関する言及は行われていない。
このほか，恒例のバグフィックスは下に示したとおりとなる。いつものように，既知の不具合はその下にまとめた。
●Catalyst 7.7で解決した主な問題（Windows XP）- 「Call of Duty 2」でゲーム解像度を640×480ドットに設定すると，メニューなど一部の画面表示がおかしくなる問題
- 特定のハードウェア環境において，「Neverwinter Nights: Shadows of Undrentide」をプレイすると，一部でテクスチャやキャラクターが表示されなくなる問題
- 特定のハードウェア構成で「Prey」をプレイし，ヘルスパックの上の遠くからホバリングする（※おそらくソウル状態でヘルスパックの上をホバリングすることを指していると思われる）と，画面表示がおかしくなる問題
- 「Google Earth」を実行すると，チェックしていないにもかかわらずフォグのエフェクトが表示されてしまう問題
- ATI Radeon HD 2900 XTの2枚差し環境でCrossFireを有効化できない問題
- 日本語版（または中国語版）CCCからリリースノートを開こうとすると，ブランクページが表示されてしまう問題
●Catalyst 7.7で解決した主な問題（Windows Vista）- AAを有効化して「Call of Juarez」をプレイすると，時折画面表示がおかしくなる問題
- CrossFire構成時に，「Catalyst AI」が無効な状態で，8x AAを適用すると，「DOOM 3」においてゲームのロード時やオープニングデモ，ゲーム中に画面表示がおかしくなる問題
- 「ロスト プラネット エクストリーム コンディション」をプレイすると，ゲーム開始後すぐに画面表示がおかしくなる問題
- SuperAAを有効化して「Pacific Fighters」をプレイすると，画面表示がおかしくなる問題
- 12X CFAA（4x AA＋Wide-Tent）もしくは16x CFAA（8x AA＋Wide-Tent）を有効化して「Prey」を起動しようとすると画面に何も表示されなくなる問題
- スタンバイから復帰すると，「Quake III」「Quake 4」ゲーム画面のブライトネス設定がおかしくなって非常に明るくなる問題
- CrossFire構成でQuake 4をプレイすると，ゲーム開始後すぐに画面がおかしくなる問題
- 日本語版CCCに用意される各種ボタンのサイズがおかしくなっている問題
- CCCの「All Setting−3D aspect」にあるSuperAAの設定が，システムを再起動するごとに0へリセットされてしまう問題
- ATI OverDriveからGPUのコアクロックを変更しようとしても正しく適用されない問題
- CCCのスキンを選択する画面が多言語版で翻訳されていなかった問題
- CCCから解像度2048×1536ドット，リフレッシュレート60Hzの設定を選択できない問題
●Catalyst 7.7で未解決の主な問題（Windows XP）- 「City of Heroes」を終了してから，CCCを詳細モードで起動しようとすると，「fatal error」（※原文ママ）が表示されることがある
- ATI Radeon Xpress 1200/1250/1300グラフィックス統合チップセットベースの環境で「Star Wars Knights of the Old Republic II: The Sith Lords」をプレイすると画面表示がおかしくなる
- Catalyst Control CenterのATI OverDrive設定が，個人アカウント（※原文は「individual account」。管理者権限以外のアカウントのことではないかと思われるが詳細は不明）になっていると保持されない。これはWindows Vista環境でも生じる可能性がある
- 2枚のATI Radeon搭載グラフィックスカードをデュアルグラフィックスカード構成で利用しているとき，CCCにCrossFire用の設定項目が表示されることがある
- 以前のバージョンのCCCがインストールされている状態で新しいバージョンをセットアップすると，警告が出たり，CCCが起動しなくなったりする
●Catalyst 7.7で未解決の主な問題（Windows Vista）- 「3DMark06」を6〜8時間以上連続実行すると，エラーメッセージが表示される問題
- デュアルリンク接続されたディスプレイにATI Radeon搭載グラフィックスカードが接続されている状態でCity of Heroesを実行するとシステムが応答しなくなる
- 「Tom Clancy's Ghost Recon: Advanced Warfighter」のプレイ中に［Alt］＋［Tab］キーを押すと，システムが応答しなくなる
- 4x AAもしくは8x AAに設定してロスト プラネット エクストリーム コンディションを実行すると，ゲームが応答しなくなる
- S3ステートからの復帰に多大な時間を要する
- ATI HD Audioドライバをインストールすると，規定のデバイスがATI Radeon HD 2000シリーズのハードウェアで更新されてしまうことがある
今回もゲームに関連したところをピックアップしてお届けしているが，リリースノートには，いつものようにAvivo/Avivo HDやCCCに関するさまざまなバグフィックスが書かれている。また，ATI Radeon HD 2000シリーズのシングルカードもしくはCrossFire構成時に，「Far Cry」（の複数のマップ）において13.2％の性能向上があるとのことで，パフォーマンスについても若干の改善が行われているようだ。
リリースノートを見る限り，ATI Radeon HD 2600への最適化がどのように行われたのかは今一つ分からなかったが，とにもかくにも，Edge Detectの実装により，これでようやくATI Radeon HD 2000シリーズの機能が一通り出揃った気配。同シリーズのユーザーは，ひとまずアップデートしておいたほうがよさそうである。もちろん，順当に問題の修正が進んだという意味で，ATI Radeon X1000以前のGPUを使っている人にとっても相応の価値はあるはず。ドライバのインストール作業は自己責任となるが，気になった人は入手してみるといいだろう。（佐々山薫郁）
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