[韓国ゲーム事情#275]「A3」の開発元,中国のShanda社に買収される
Kimの韓国最新PCゲーム事情#275
「A3」の開発元,中国のShanda社に買収される(2004/12/8)
Text by Kim Dong Wook特派員
日本でもサービス中の「A3」や,"ミールの伝説シリーズ"などで知られる韓国の中堅デベロッパACTOZ SOFT社が,中国のShanda Networking社に買収されて,業界に衝撃を与えている。
数か月前から噂だけは流れていた今回の買収劇だが,ACTOZ SOFTの筆頭株主を含めた7人の主要株主が,持ち分の28.96%を現金9170万ドル(約94億5000万円)でShanda社に売却したとのことである。 これによって,Shanda社はACTOZ SOFTの支配持ち分を確保し,同社の経営権を握ることになった。しかしACTOZ SOFTによると,単に筆頭株主が変わるだけで,経営陣など会社内の基本的な体制は従来通りとなるようだ。
Shanda社は,ACTOZ SOFTとその関連企業であるWemede Entertainment社が共同開発した「ミールの伝説2」を,中国内で2001年からサービスしている。Shanda社は同作で,最大同時接続者数70万人を記録するなどトップクラスの人気を誇っており,2004年6月までに計4240万ドル(約44億円)を稼ぎ,米国ナスダックに上場するまでに至っている。 ゲームのパブリッシングで莫大なお金を稼いだ同社は,そのお金をつぎ込んでゲームの自社開発も行っている。しかし結局先行する韓国ゲーム業界の技術力を追い越すことはできず,技術やノウハウを得るためにもACTOZ SOFT社を買収したのではないだろうか。
今回の件は,韓国ゲーム業界ではちょっとした騒ぎになっている。オンラインゲームに関する技術と開発ノウハウが中国の企業へ流れると,今後韓国ゲーム業界の競争力が低下し,長期的には中国市場への進出がどんどん難しくなっていくのではないかという恐れがあるからだ。 あるオンラインゲームの専門家は,「すでにオンラインゲームの技術水準が韓国の60〜70%にまで達している中国ゲーム業界は,今後もその莫大な資本を投じて,今回のような攻撃的なM&A(合併および買収)を行っていく可能性が非常に高い。数年内に,中国産オンラインゲームが韓国産を追い越すかもしれない」と警告している。
「A3」 →日本公式サイトは「こちら」 →紹介ページは「こちら」
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