ニュース
[E3 2005#113]FPSではなくRPGに属する「Tabula Rasa」のゲームシステムとは
2005/05/23 16:13
 2005年のE3に出展されていたオンラインゲームで,ある意味最も注目を浴びることとなった「Tabula Rasa」。ジャンルはMMORPGから変わらないものの,アクションRPGスタイルに近くなった本作のゲームシステムはどのようなものだろうか。2004年のE3と同様に,スタッフとボイスチャットをしながらデモプレイを行うという形で出展されていたので,早速プレイしてみる。そこで分かったゲームシステムを紹介しよう。

 その紹介の前に,少し本稿の主旨とはずれてしまうが,本作のストーリーを紹介しておく。BenefactorsとBaneの2種族が先を争って地球に進撃を開始する。彼らはもともと同じ故郷で生まれたが,決して終わることのない戦争に突入し,それは宇宙を破壊するものへと拡大してしまった。かつて全滅に近い状態まで追い込まれた人類は,生き残りを結集し,これらの2種族に対抗すべく立ち上がった。
 ……というのが大まかなバックストーリーだ。プレイヤーが操る人類に対するのは,"エイリアン","メカノイド"など異性人タイプばかりとなっているが,デモプレイだけではバックストーリーにある2種族のそれぞれどちらなのかというのは分からなかった。公式サイトの「こちら」には「Know your Enemy」というコンテンツがあり,Predator,Stalker,Thrax Soldierの3種が紹介されているので,チェックしてみるとよいだろう。

 本作には"ミッション"と"バトルフィールド"という2種類のモードがあり,前者はスクリプトで記述された目標達成タイプのモード。後者は人間 vs. エイリアンの大規模戦闘(数十人のプレイヤーと数百人のNPCが入り乱れるとのこと)を行う,本作のメインフィーチャーの一つとなるモードだ。
 ミッションは,基地内にいるNPCに話しかけることで受けることができ,難度にも変化するものの,ほとんどが30分程度でクリアできるようだ。デモプレイ時では,「Predatorを4匹倒せ」(これは目的を簡潔に表現したもの)というミッションを行ったが,初めてのプレイにも関わらず30分強でクリアできた。
 そこで気がついたのは,2004年バージョンでは,一つのミッションをクリアするまでにパズル的なトラップを解除したり,細い通路を進んでいったりして,既存のRPGのミッションをやっている感じだった。しかし,2005年バージョンではそのあたりの"ゲーム進行を止めやすい要素"が減り,比較的純粋に戦闘を楽しめるようになっているようだ。
 バトルフィールドでは,数十人が迫り来るエイリアンと戦うことになるが,テレポートなどで自分が望む地域へと簡単に移動できる。仲間と合流するときだけでなく,倒されたとき(Hospitalから再スタートとなる)も短時間で復帰できるのが嬉しい。



 さて,操作はFPSの一般的なスタイルのものに近く,キーボードの"W" "A" "S" "D"キーで移動し,マウスでレティクルを定める。マウスの左ボタンは武器の使用とリロード,右ボタンはスキルの使用で,左ボタンを押しっぱなしにするとマシンガンなどの一部の武器では連続射撃が可能だ。ちなみに,右ボタンを押しっぱなしにすれば,MMORPGのようにマウスの移動でカメラアングルを変えられる。
 武器とスキルの変更は"Q"キーと"E"キーで行うが,弾薬という概念はないので,敵を倒すことだけに集中できる。

 出展されていたバージョンではステータスウィンドウやスキルウィンドウはまだ未実装で,"RPG"としてのインタフェースの全体を見ることはできなかったが,おそらくはショップでの購入や専用NPCからの習得,ミッションクリアの報酬などで武器やスキルを得るのではないだろうか。

 本作のフィーチャーには,RPGファン,FPSファン,MMORPGファンの全てが楽しめる要素が入っていることが謳われている。普通に考えると不可能と思えるが,そこはギャリオット氏のことだし,現状でははっきりとは見えない"何か"が前面に出てくる,もしくは追加されるのではないだろうか。
 とにもかくにも,独特の世界感+独特のプレイスタイルを持つ本作。βテストは約1年後ということだが,リリースへ向けて情報を追っていきたい。(Seal)


Richard Garriott's Tabula Rasa
■開発元:Destination Games
■発売元:NCsoft
■発売日:2007年内
■価格:未定
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2005.05/20050523161331detail.html