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韓国の人気バスケゲーム「FREESTYLE」ハンゲームでサービス決定
2005/08/03 22:29
 韓国ではこのところ,スポーツゲームが人気を博している。その代表格は,日本でも「スカッとゴルフ パンヤ」として人気の「Pangya」だが,今最も注目を浴びているのは,オンラインバスケットボールゲーム「FREESTYLE」だろう。以前[韓国ゲーム事情#340]でお伝えしたように,βテスト開始(2004年12月)からわずか半年で累計会員数700万人最大同時接続者数8万人を数えており,今もその人気は持続している。
 当然日本でも本作に興味を持つ会社は多く,数社がオファーを出していたようだ(その結果,契約金もかなりの額まで跳ね上がったと伝え聞いている)。最終的に権利を獲得したのは,こちらも大人気の「ハンゲーム」の運営で日本ゲーム業界に確固とした地位を築き上げた,NHN Japanである。
 NHN Japanは本日(8月3日),FREESTYLEの開発元JC Entertainmentと提携し,同作の日本における独占供給権を獲得したと発表した。FREESTYLEの日本での名称は未定とのこと。



 JC Entertainmentといえば,本日掲載した「シェンムーオンライン」のニュース(「こちら」)にも名前が出てくる,韓国のゲーム開発会社。その記事でも触れられているように,FREESTYLEの人気を受けて,今は同作に対し,同社の全力を注いでいる印象がある。
 例えばこの5月には,韓国ソウルのホテルで記者会見を開き,同作の韓国でのパブリッシャKTH社が運営するサイト「Paran」,そしてJC Entertainmentが運営するサイト「JOYCITY」による,統合リーグの発足を発表している。これは,日本のプロ野球におけるセ・リーグとパ・リーグのような関係を持つリーグとのこと。両社は統合サーバーを準備しており,これを使うことで,それぞれのサイトのプレイヤーによる"交流戦"も可能だという。さらにその統合リーグの業務を選任する組織委員会も構成するなど,かなり力を入れていることが分かる。



 さて本作の内容については,[韓国ゲーム事情#265][韓国ゲーム事情#340],さらにプロモーションムービー(「こちら」)でもお伝えしたが,ここでも簡単におさらいしておこう。
 本作はバスケといっても,ストリートで楽しむ"3 on 3"(スリーオンスリー)を題材にしており,ヒップホップの音楽に乗せてクールに楽しめる,まさに今どきの若者をターゲットにしたオンラインゲームだ。またもともとスポーツを扱っているということから競技性も高く,韓国eスポーツ協会も種目として公認しているほど。
 韓国のゲーム専門チャンネルであるOngameNet社によるリサーチでは,e-Sportsに最もふさわしいゲームとして,圧倒的な支持を集めたという。ちなみに同チャンネルでは,賞金総額1億ウォン(約1千万円)規模の大型リーグも進行している。先述した統合リーグの話も含め,e-Sportsの競技として期待されていることが分かるだろう。



 日本でのスケジュールは,2005年秋にハンゲームでクローズドβテストが行われ,その後オープンβテストを経て,年内には正式サービスが開始される予定だ。
 なお正式サービスといっても,βテスト時と同じく,ゲームプレイ自体は無料になるとのこと。おそらく(韓国と同様に)アイテム課金制が採用されるのだろう。



 JC Entertainment社の社長Kim,Yang Sin氏は,「FREESTYLEは迫力溢れるバスケットボールをテーマにしており,e-Sportsに最もふさわしいゲームだ。日本をはじめとする海外でも,統合サーバーを通じて世界的なリーグを展開し,全世界的なe-Sportsの種目として成長させたい」とコメントしている。
 またNHN Japanの発表には,「ハンゲームを通じてスポーツ(e-Sports)文化の発展を図ることを目的に,このたびのFREESTYLEの獲得に至りました」とある。
 ところが韓国では先ごろ"商業モード"に移行したようで,勝敗の行方を左右しかねないようなアイテムの(現金での)販売が開始されている。つまり,両社が望むような"健全なe-Sports"からは方向性がずれつつあるわけで,実際これによって多少のファン離れもあったようだ。
 ハンゲームという巨大コンテンツを抱えるNHN Japanが,今後どう舵取りをしていくか,またe-Sports後進国である日本で,果たして本作がどれだけファン層を獲得できるか,実に興味深い。(Iwahama)

※画像は韓国版のものであり,日本版とは異なります


クールにバスケ FREESTYLE
■開発元:JC Entertainment
■発売元:NHN Japan
■発売日:2005/11/24
■価格:基本プレイ料金無料(アイテム課金)
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2005.08/20050803222913detail.html