[韓国ゲーム事情#433]スクープ 新作サッカーシムを世界初公開
Kimの韓国最新PCゲーム事情#433
ストリートサッカーをテーマにしたオンラインゲーム(2005/11/4)
Text by Kim Dong Wook特派員
韓国のオンラインゲームジャンルが多様化する中で,最近急成長しているのが,スポーツジャンルだ。今回4Gamerの取材で,このジャンルの新作となる,ストリートサッカーをテーマにしたオンラインゲームが開発中であることが明らかになった。 以前から業界内に,このゲームの開発に関する噂があったが,その存在を確認したのは,今回が初めて。まだ韓国のゲームメディアでさえ情報を入手していない本作について,その実態を紹介しよう。
オンラインバスケットボールゲーム「FreeStyle」(邦題 クールにバスケFREESTYLE)が大ブレイクしている韓国で,多くのゲーマー達が次に期待したのが,現実の世界でも人気のあるストリートサッカーだ。まさにそれを実現した「eXtreme Soccer」は,韓国の新生デベロッパであるSonicAntが2004年11月から開発しているタイトル。 デベロッパとしては新参者だが,スタッフ達はそれぞれ以前の職場で,現在サービス中の人気オンラインゲームを開発してきた,華々しい経歴の持ち主ばかり。ベテランクリエイターが集まって作られた同社は,オンラインスポーツゲーム専門デベロッパを標榜しており,ほかのジャンルには目もくれずにスポーツゲームだけを研究/開発していくという。
ゲームの詳細を説明する前に,本作のテーマであるストリートサッカー(韓国では"FreeStyle Soccer"とも呼ぶ)について簡単に説明しておこう。 フットサルについては,最近では日本でも知っている人が多いだろう。11人でチームを組む普通のサッカーと違い,もっと少ない人数(公式ルールではゴールキーパーを含め1チーム5人)で,ドリブルやシュートなど個人技を中心に楽しむサッカーが,フットサルだ。世界的な有名サッカー選手の中には,個人技を養うのに適したフットサル出身の選手が多いという。 公園などで,あまりルールを気にせず楽しむフットサル,いわゆるストリートサッカーをテーマにしたのが,本作だ。当然,既存のサッカーオンラインゲームが失敗した原因といえる,"選手が多すぎて,競技中にボールに触れる機会が少ない"という短所が克服されている。本作でプレイヤー達は,1〜4人のチームで戦うため,誰もが十分に自らのテクニックを駆使して活躍できるのだ。 韓国の若者達が好きな,"日常からの解放"を謳うEXTREME SPORTSの魅力をゲーム内に取り込むため,公式のフットサルとは違って,厳しいルールはほとんどない。例えばキャラクターの服装はかなり自由度が高く,アクセサリなどで着飾ることもできる,といった具合だ。 もちろん,基本的なルールはフットサルに準じており,決まった時間内に多く得点したチームが勝利というのは,いうまでもないだろう。ただし,競技中にイエローカードやレッドカードをもらってしまう心配は,する必要がない。試合に勝利するためには,それぞれのポジションの役割を果たすうえで,相手チームの選手を多少足で蹴ったり殴ったりしても,構わないのである。
本作でプレイヤーは,フォワード,ミッドフィルダー,ディープフィルダー,ゴールキーパーという4種類のポジションの中から,自分のプレイスタイルやチームの戦術に合わせたものを選択して試合に臨む。本作オリジナルのディープフィルダーとは,ディフェンダーのように守りを中心としながら,カウンター攻撃や中距離シュートも得意とする,オールラウンド的な役割を果たすポジションだ。なお各ポジションは,キャラクターのレベルが上がることで,まるでRPGの"転職"のように,より細分化された上位のポジションへ移るとのこと。 本作をより"ゲーム的"に,言い換えれば"派手"で"面白く"しているのが,スキルの存在である。サッカーの基本であるパスやトラッピングといった技術の「一般スキル」,ストリートサッカーならではの壁を利用した突破技術"Wall Ride"や,相手選手をはじき出しつつシュートチャンスを狙う"マルセイユルーレット",相手選手による高い壁をくぐってシュートする"シザースキック"などの「フリースタイルスキル」,そして,この二つのスキルを組み合わせて使う「コンボスキル」の3系統が用意されている。 対戦時には,ジュニア,マイナー,メジャー,チャンピオンシップと分けられたレベル別に,自分(自チーム)の実力にあったチャンネルでプレイできる。また,レベルに関係なく誰とでも一緒にプレイできるフリーチャンネルも用意される予定だ。
Chang Sang Ok氏
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同社の社長であるChang Sang Ok氏は,「eXtreme Soccerは,韓国や一部のゲーム先進国だけでなく,世界中の人が楽しめるe-Sports競技になるよう,開発途中である今から,ゲーム内の中継システムやマッチングシステムを準備しています。e-Sportsの代表的存在である『StarCraft』や『Counter-Strike』にしたって,全世界から見たら,一部の国で人気があるにすぎません。しかしサッカーは,全人類が共通して関心を持っているスポーツですからね。私達の究極的な目標は,毎年本作のワールドカップを開催することなんです」と語っていた。 また同氏に,日本についても水を向けてみると,「日本市場は,世界の中でもとくにサッカーゲーム人口の多いので,ローカライズやサービスなどを,非常に慎重に進めたいと思っています」と話してくれたことも付記しておこう。
なお,別の同社スタッフに聞いたところでは,"サッカーの王様"ペレから「Art Soccerの皇帝」と,2004年のFIFA最優秀選手賞に輝いたロナウジーニョから「私の英雄」と称えられるWoo Hee Yong氏が,本作の制作サポートのために極秘裏に帰国(Woo氏は韓国出身だが,現在はロンドン在住)し,モーションキャプチャ作業と,プロモーション映像の撮影を行ったとのこと。Woo氏は,WASA(World Art Soccer Association)の初代会長として,世界13か国でサッカーの技術交流/研究を行う活動を牽引している人物だ。
どちらの写真でも中央の人物がWoo Hee Yong氏
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eXtreme Soccer Onlineは,ドイツでサッカーのワールドカップが行われる2006年に一般の前に姿を現す予定で,2月の社内αテスト,4月のクローズドβテスト,6月のオープンβテストを経て,同年の夏頃に正式サービスが開始される見込みだ。
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エクストリームサッカー |
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