韓国/中国で話題の新作MMO「DEKARON」,日本で12月にテスト開始
2005年初頭に日本上陸が明らかにされ,その後公式サイトでスクリーンショットやムービーを中心に情報が公開されてきた,韓国ゲームハイ社開発のMMORPG「DEKARON」(デカロン)。日本国内で同作を共同運営する日本モリアとスープレックスは本日(11月24日),本作の第一次クローズドβテストを2005年12月22日から2006年1月9日まで実施すると発表した。クローズドβテストへの参加方法および今後のスケジュールは,後日発表される予定だ。
DEKARONは,「ハードなアクション性」をコンセプトに設計された3D MMORPG。そのコンセプトどおり,直感的にキャラクターを操れる操作体系(後述)となっており,また「ノックバック」(弾き飛ばし/よろけ)や「ブロック」(防御)といった概念をモンスターとの戦闘に盛り込むなど,コンシューマゲームライクな高いアクション性をウリとしている。 本作のベースとなるストーリーは,ゲームから小説やコミックへと,一般的な流れとは逆にメディアミックスされているなど,その内容は折り紙付きといった感じである。
本作は,2004年9月から2005年3月までの間に韓国でクローズドβテストやプレオープンイベントなどが実施されているため,情報を追いかけていたという人もいるかもしれない。しかし前述のとおり,日本では早くから公式サイトがオープンしていたものの,これまで大きな動きはなかった。2005年の韓国オープンβテスト開始を経て,11月11日の中国オープンβテスト開始とほぼ時を同じくして,今回ようやく,国内サービスのアナウンスがなされた形だ。
■小説と相互リンクする「DEKARON」のバックグラウンド
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舞台は,原初にカオス(混沌)とコスモス(調和)が,それぞれ"闇"と"光","時間"と"空間"などの創造を繰り返すことによってできた,"不滅の大陸"トリエステ。物語は,同大陸で200年前に起こった,神人と人間,そして異界の魔物とそれを率いるカロンの戦いが引き金となって起こるグランドフォール(大滅亡)に端を発する。以下に,そのストーリーを引用しておこう。
#####以下,リリースより(ストーリー概要)#####
<DEKARONの世界観>
●トリエステの誕生 原初にカオス(混沌)とコスモス(調和)があった。カオスが“闇”を作ると、コスモスは“光”を作り対抗した。コスモスが“空間”を作り世界に均衡を築くとカオスは“時間”を呼び出し世界に変化をもたらした。カオスはコスモスは対立を繰り返し創造を行っていく。そして最後の日・・・初めて力を合わせて不滅の大陸トリエステを作り、驚異と神秘に満ちた創造の時間は静まった。
●二つの月が夜を照らす世界 トリエステには二つの月が昇り沈む。二つの月は同じ速度でまわっていて、互いの軌道によって遠くなったり近くなったりを繰り返す。不幸の意味を持つ“ミセリア(Miseria)”が、豊穣の意味を持つ“リケツ(Ricchez)”の前にあるのでミセリアがリケツを覆い隠す日は最大の凶日となっている。その周期は12ヶ月で、国教であるインカル12神の周期と同一である。
●異界との接触・予見されてない大滅亡 200余年前、神人と人間の戦争が熾烈を極めていた頃、賢者と呼ばれていたカリジオ(Kalizio)は人間の戦争を勝利に導くため、異界の生命体を召喚する儀式を行った。儀式によって、神人たちを倒すことは成功したが、異界の門を狙っていたカロン(Karon)や異界の魔物たちがトリエステを侵入するきっかけとなった。カリジオの思惑とは違い、カロンは異界の魔物を率いて世界を破壊していき、制御を試みたカリジオ本人までもカロンの手によって殺された。しかし、幸いにも死ぬ間際で自分が開いた異界との通路を閉め、カロンを封印することに成功した。だが、その時には既に人間はほぼ全滅し、全ての国家と文明が殆ど消え去っていた。それが即ちグランドフォール(Grand Fall)、大滅亡である。
●生き残るための最後の計画 異界の魔物に対抗する人たちが徐々に倒れていく頃、別のところで生存の為のもう一つの計画が進んでいた。もっとも険しい谷である“神聖なる谷”に都市を立て迷路や魔方陣を都市のいたるところに設置し、生き残った人々が少しでも長く生存できるようにしようという計画だった。カロンによる凄まじい恐怖のなかで人間たちの生き残りたいという渇望は数年間という短い期間内に多くの人々が住める都市を完成させた。それから数年後、大陸に餌がなくなっていくと異界の魔物も段々少なくなって行った。都市の中で住んでいた人々も再び外に出ることができるようになった。“神聖なる谷”の箱舟、アルカナ(Arcana)の由来である。箱舟から出た種族たちがトリエステ大陸に新しく定着していくとアルカナは後日のために封印され、隠された。
●未来の脅威に対しての備え−デカロン 異界の魔物は消え去ったが、危険は消えないでいた。それは即ち、カロンの復活であった。カリジオ・バッシュの封印は根本的な対策ではなかった。カロンは再び力を蓄え、異界の門に迫っていた。幸い人間たちはそれに対抗するべく新しい魔法・武器・能力などを開発して備えていた。それをカロンに対しての抵抗という意味で「デカロン(Dekaron)」と名付けた。
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タイトルの「DEKARON」とは,すなわちアンチカロン。ストーリー説明にも登場する,異界の魔物の長であるカロンに対する“反抗”の意だ。上記のストーリー概要から分かるとおり,世界観は剣と魔法が支配するファンタジーである。 ちなみに,同作のマルチメディア展開の一つとして韓国で2005年9月に発売された小説は,本作の韓国公式サイトで連載されていた文章をまとめたもののようだ。
上段左から順に,アズールナイト,セジタハンター,インカルマジシャン,ビシャスサマナー,セグナレ。すべて日本向けに描き直されたものだ。ちなみに下段右は,韓国版のインカルマジシャン
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■伝統的なベースシステムにアクション性を付加
本作はアクション性をウリとしており,プレイヤーは戦闘を繰り返すことでキャラクター成長させていく。また戦闘でドロップアイテムを獲得したり,後述の各種アイテムシステムを駆使したりして装備を強化し,ギルドをはじめとしたプレイヤーコミュニティを形成しつつ,PvP(対人戦)や攻城戦に挑む。 ゲームハイが独自に開発した3Dエンジンを採用しており,時間の経過によって刻々と変化するフィールドの情景や,雨や霧といった自然現象,アクション性重視の作品には欠かせない各種エフェクトが見事に描画されている。ファンタジー世界の自然をピュアに伝えるため,あえてプレイフィールドでBGMを流さず,自然音のみを舞台効果として利用しているのは興味深い。
なおプレイヤーのスキルや嗜好に合わせて,A-TYPEとB-TYPEという2種類の操作方法が用意されているのも,「アクション性の高さ」を謳う本作らしい部分だ。前者はマウス中心の初心者向け,後者はマウスとキーボードを併用する,より技術が要求される操作となる。 移動および視点変更,スキル使用,アイテム使用といった基本的な要素は「Diablo」から脈々と受け継がれたものといってほぼ差し支えないと思うが,ここにW/S/A/DキーによるFPSライクな操作体系をミックスしている点に,本作のアクション性へのこだわりが感じられる。スキルツリーなどの実績のあるゲームシステムを採用しつつ,アクション性の高さによって戦闘の爽快感が向上,そしてプレイヤースキル向上の喜びも得られるというのが,本作のセールスポイントだろう。
実際,戦闘には前述のブロック(完全防御)やガード(一部ダメージを被る防御),ノックバック(弾き飛ばし/よろけ)といったリアルタイム性の高い操作とリアクションが要求される。連続的に複数のスキルをつなげられる「スキルコンビネーション」といったワザもあり,これらが俗にいう「クリックゲー」との差別化に成功しているかどうかも興味をそそる点だ。
左列:アズールナイト 中央列:セジタハンター 右列:インカルマジシャン,
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■オーソドックスなキャラクターとスキル。長く楽しめそうなアイテムシステム
プレイヤーが選べるキャラクタークラス(職業)は,アズールナイト(Azure Knight),セジタハンター(Segita Hunter),インカルマジシャン(Incar Magician),ビシャスサマナー(Vicious Summoner),セグナレ(Segnale)の5種類。前の四つは,それぞれ近接戦闘/遠距離戦闘/魔法戦闘/召喚を専門とすることが直感的に分かる。残るセグナレは「血を吸う能力」を持つとのことだが,それでいて,回復魔法や敵を弱体化するなどの,補助魔法を得意とするクラスである。 キャラクターの成長方法は,レベルアップ時に得られるステータスポイント(能力値)を,力/敏捷/体力/精神に振り分けるというお馴染みのシステム。スキルはツリーで管理され,プレイヤーの好みで成長ベクトルを決めてポイントを割り振るというオーソドックスなものだ。
さて,この手のMMORPGの楽しみは,アイテム収集によるキャラクター強化に集約されることが多いが,本作のアイテムシステムもなかなか魅力的。 キャラクターの装備品は,NPCと売買可能な「スタンダード」,ドロップのみで入手可能な「アナザー」,アナザーよりもさらに希少価値の高いデカロン世界の上級装備品「レジェンド」がある。またその中にも,「オプション」と呼ばれる特殊能力のついた「マジック」「ノーブル」「デバインノーブル」,さらに中には,アイテムを挿入できる穴(ソケット)の開いたものまでが存在し,バリエーションは有効無限大だ。付加オプションおよびソケット数は,ランダムに決定される仕組みである。
上記のようなアイテムシステムは,ご存じのとおり革新的とは言い難いが,アイテムのバラエティとドロップタイミング,装備を使用したときのフィーリングには,やはり期待したい。非常に一般的なベースシステムを採用しているだけに,プレイヤースキルと装備品の良し悪しで,プレイヤー間にどういった差が生まれるのか,またどうバランス取りがなされているのか,気になるところだ。
■韓国/中国での実績を引っさげての登場。日本での健闘なるか
ざっとシステム周りを中心に本作を見てきたが,いかがだろうか。 前述のとおり本作は,韓国/中国でそれぞれオープンβテスト相当のサービスが始まっている。これまでに「クローズドβテスト枠2万人に対して,1万4千人が同時接続!」「中国サーバーオープン後,1時間で同時接続者数10万突破!」といったエピソードが伝わってきており,各国で大きな反響を呼んでいるのが分かる。 しかし,そういった瞬間最大風速的な数字だけでなく,韓国文化観光部の「今月の優秀ゲーム」(2005年6月)や,中国のゲームショウ「China Joy」での「最優秀海外ゲーム賞」(2005年)といった数々の受賞歴をもつ作品であるというのも,本作が注目されるゆえんだろう。
今後,追って日本モリアとスープレックスからβテストの詳細なスケジュールが発表されると思うが,受賞の根拠を体感できるという意味で,また韓国/中国で受賞した作品のクオリティを体感できるという意味で,非常に楽しみだ。 2005年前半から動きの少なかった公式サイトも,今回の発表を境にコンテンツが充実してきているので,そちらもチェックしつつ,続報に期待してほしい。(Gueed)
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