昨年の衆議院選挙は,まさに“郵政民営化の是非を問う”選挙といえたが,結果は2007年からの民営化スタートが決定,2017年の最終的な民営化完成に向けて動き出すことになった。その流れに,まあ,ちょっと関係あるんじゃないかと思われるのがこのニュース。 NHN Japanは本日(6月7日),同社の運営するサイトで利用するプリペイド式の電子マネー「funcash」(ファンキャッシュ)を,全国約2万4000台の郵便局ATMで販売すると発表した。販売開始は6月14日。 これまで「ハンコインクーポン」の名前で販売されてきた同社の電子マネーだが,今回,郵便局ATMを含む販売チャンネルの拡大に伴い,名称をfuncashと改め,使用対象もゲームポータルサイト「ハンゲーム」だけでなく,オンラインコミュニティサービス「CURURU」(クルル),エンターテインメントブログサイト「アソブログ」で予定されている有料サービスに広げられた。 ネットゲームなどの決済方法といえば,クレジットカードが一般的だが,クレジットカードを持っていない人や,ネットでカード番号を入力したくないという人はプリペイドカードを買うことになる。そこに日本最大のユニバーサルサービスを誇る郵便局がクローズアップされるのは当然だろう。電気,ガス,水道代,そしてもちろん郵便の利用に地域差があってはならないということで,全国どこにでもあるのが最大の強み(ATMに関してはその限りではないが)だからだ。今後,郵政民営化をにらんだサービス多様化の動きが加速する可能性もあり,読者の中にも「そうなってくれれば助かるなあ」と思う人も多いかもしれない。(松本隆一)
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