[韓国ゲーム事情#559]韓国のオンラインサッカーゲーム事情
Kimの韓国最新PCゲーム事情#559
韓国のオンラインサッカーゲーム事情(2006/6/23)
Text by Kim Dong Wook特派員
韓国もほかの国々と同様に,サッカーのワールドカップでとても盛り上がっている。韓国のオンラインゲーム業界でもサッカーゲームがこぞって開発されており,これまでに確認されたものだけで12タイトル,未発表のものを合わせれば,おそらく20タイトルを超えると見られる。 興味深いのは,サッカーの公式ルールにもとづくものよりも,フットサルをベースにした,ストリートサッカーゲームが主流となっている点。これまでに登場した“正統派”のサッカーゲームがビジネス的に成功していないことや,ストリートバスケットボールをテーマとする「FreeStyle」(邦題 クールにバスケFREESTYLE)が,韓国でヒットを飛ばしたことが影響しているのだろう。
今回は,韓国のオンラインサッカーゲームをスタイルごとに分け,それぞれの現状をレポートしよう。
■正統派のオンラインサッカーゲームも健闘
Electronic ArtsとNeowizが「EA SPORTS FIFA ONLINE」を開発していることは,以前お伝えしたとおり。本作は,ほかのオンラインサッカーゲームよりも比較的早く,ワールドカップの開幕直前にサービスインを果たした。それからわずか10日で,同時接続者数が5万人を突破したという本作は,“ワールドカップフィーバー”による最大の恩恵を受けたタイトルといえるだろう。ちなみに,韓国代表がグループリーグでの試合に臨んだ日は,PC Bangに集まって,友人同士で本作をプレイする人が急増したそうだ。 筆者としては,ワールドカップの開幕に間に合わせるために,慌ててサービスインしたとの印象を持っていたのだが,実際にプレイしてみた限り,不満を感じる問題には直面していない。FIFAシリーズをプレイしたことのある人なら,すぐに操作に慣れるだろう。 本作は,世界中の2万人の選手データや,各国の24のサッカーリーグをフィーチャーしており,最大で2人対2人の対戦が行える。選手を育成する要素や,ギルドの概念も取り入れられているので,今後コミュニティに関する機能が充実してくれば,かなりの人気を集めるのではないだろうか。ただ一つ残念なのは,今のところ日本のサッカー選手のデータが実装されていないことだ。
NEOVIANが開発を進めている「Real Soccer」もまた,正統派のオンラインサッカーゲームだ。4人までのプレイヤーがチームを組み,別々のポジションを担当して操作する方式で,「3-5-2」や「4-4-2」など,実際のサッカーと同様のシステムを駆使して試合を進められる。現在,第一次クローズドβテストが行われており,7月中に第二次が予定されている。
(画像・上段)「EA SPORTS FIFA ONLINE」
(画像・下段)「Real Soccer」
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なお,「Swing Soccer」というゲームの開発も進行しており,7月中に公開予定となっていることが知られている。まだ詳細な情報は公開されていないが,11人対11人のオンラインサッカーゲーム「Zero Cup」に似ているらしい。
■韓国ではストリートサッカーが主流
正統派のサッカーゲームとは違い,フットサルをベースとするストリートサッカーゲームは,まさに“戦国時代”の様相を呈している。サービス開始済みと開発中のゲームを合わせると,計6タイトルにもなるのだ。 そのうち,今のところ最も優位にあるのが,ガンホー・オンライン・エンターテイメントが日本でのサービスを行う「エクストリームサッカー」(原題 eXtreme Soccer)。ちょうど本日(6月23日),日本でのオープンβテストが7月27日に開始されることが発表された(関連記事)。 本作はすでに,日本や中国,そしてヨーロッパなど計40か国へ輸出され,韓国での2回のクローズドβテストでも好評を博した。 また,9月に上海で開かれる「International E-Sports Festival 2006」(IEF 2006)でのデモンストレーション種目に選ばれたこともあり,今後e-Sportsイベントでの競技種目となる可能性もかなり高い。日本,韓国,中国の三か国による対戦イベントの準備も進められている模様だ。 ほかのオンラインサッカーゲームの場合,韓国の大手ポータルサイトと提携してサービスを行うのが一般的だが,本作開発元のSonicAntは,韓国国内では自社でサービスを行っている。その同社が,世界各国のパートナー企業と組んで,“eXtreme Soccerワールドカップ”のような世界的な大会を開くというのだから,驚いた人も多いだろう。
(画像)「eXtreme Soccer」
※韓国語版のスクリーンショットです
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次に紹介するのは,E-ZEN Entertainmentが開発した「RED CARD」(関連記事)。もともと,コンセプトやグラフィックスのデザインについてはかなり評価されていたのだが,ワールドカップの開催を意識し,5月末に慌ててオープンβサービスを開始した印象があり,実際,完成度もあまり高くない。その結果,サービス開始後,かなり早い時期に多くのプレイヤーがEA SPORTS FIFA ONLINEに移ってしまったようだ。
CR-Spaceが開発を行い,NEXONがサービスを担当する「Kick Off」は,トゥーンシェーダによるコミック風の8頭身キャラクターが登場する,オンラインストリートサッカーゲーム。派手な個人技を繰り出せる点や,キャラクターのカスタマイズ性の高さを特徴としており,体型を調整したり,さまざまなコスチュームを組み合わせたりして,個性を演出できる。
(画像・上段)「RED CARD」
(画像・下段)「Kick Off」
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ゲームポータルサイト「Hangame」を運営しているNHNは,2005年から国内外のデベロッパと接触していたようで,最終的には「Art Soccer Street」を開発中のWorld On Gameと契約を結び,本作のサービス開始に向け準備を進めているという。
EnterMateという新興デベロッパが開発を進めている「Kicks Online」というタイトルもある。間もなく第三次クローズドβテストが実施予定となっている本作では,チームの特色を決定付ける10種類以上のパラメータが用意されており,それらのさじ加減が試合運びを左右するわけだ。
(画像・上段)「Art Soccer Street」のロゴと公式サイト
(画像・下段)「Kicks Online」
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NCsoftも,オンラインサッカーゲーム市場への参入を表明しており,スペインのデベロッパ Digital Legends Entertainmentが開発している「Soccer Fury」の韓国国内でのサービス開始に向け,準備を進めている。
なお,FreeStyleの開発元であるJC Entertainmentも,オンラインストリートサッカーゲームを開発しているとの噂が流れている。同作のキャラクターが登場するのではないかとも言われており,なかなか気になるところだ。
オンラインストリートサッカーゲームのシェア争いは,とにかくし烈だ。そのため各デベロッパは,ゲームの完成度をできる限り高めつつ,少しでも早くサービスを開始することに全力を注いでいるはず。ワールドカップ終了後の7月中には,(韓国では)大部分のタイトルをプレイできるようになると思われるので,サッカーゲームの好きな人には楽しい夏休みになることだろう。しかしサービスを提供する側にとっては,とても“ホットな”季節になりそうだ。
■ニッチな層をターゲットとするオンラインサッカーゲーム
し烈なシェア争いが展開されているオンラインサッカーゲーム市場の中で,ある意味“ニッチな”プレイヤー層をターゲットにしていると思われるタイトルも,次々に登場している。 「CORUM Online」のデベロッパであるNetTime Softは,コミカルなキャラクターが登場するオンラインサッカーゲーム「FULL TIME」を発表した。可愛らしくて親しみの持てるキャラクターを前面に押し出し,気軽にプレイできることを強調する戦略だ。
2002年に公開された「Kang Jin Soccer」は,SDキャラクターが登場するカジュアルオンラインサッカーゲーム。本作の元開発スタッフ達が設立したHameline Softでは,Kang Jin Soccerのアクション性をより高くした「Play Maker」の開発が進行中だ。本作は,10人対10人での対戦をサポートしており,またSDキャラクターのコミカルな外見とは裏腹に,頬を叩くといった攻撃(?)も行えるという。
またEnterAllは,インラインスケートを使ってサッカーを行う「Shooting Supong」を開発している。5人対5人で対戦できる本作は,操作が簡単で誰にでもプレイできることと,ゲームがスピーディに進行することを特徴としている。
■プレイヤー達がモチベーションを持続できるかが重要
ほぼ同時期に,同じジャンルのオンラインゲームがこれだけたくさんリリースされたことは,ほとんどないといっていい。もちろん,2006年がワールドカップイヤーであるということがその大きな理由だが,広く人々に受け入れられているものが,オンラインゲームのテーマとして選ばれるようになってきたという言い方もできるだろう。
FreeStyleが登場したときとは違い,現在オンラインサッカーゲームは乱立状態になっており,いずれか一つのタイトルが同作のように大きな成功を収めることは容易ではない状況だ。むしろ,“スタートダッシュ”に失敗し,十分な数のプレイヤーを確保できず,早い段階でサービスを中止してしまうタイトルが続出するのではないか,との観測も流れている。ある専門家の話では,適切な時期にサービスを開始し,クラブ単位でのギルドコミュニティを形成できるかどうかが,オンラインサッカーゲームの成功の鍵を握るとのこと。 チームを組んで行うスポーツをゲームにしているわけだし,複数のプレイヤー達がチームを組めるシステムを備えていなれば,長期にわたり,高いモチベーションを持ってプレイし続けるのは難しいという考え方だ。
またオンラインスポーツゲーム,とくにサッカーゲームが人々に長く支持されるには,e-Sportsイベントとの連携や,定期的にゲーム大会を開くことなどの必要性があるとの意見も聞かれた。
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Real Soccer |
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Copyright(C)2005 NEOVIAN All rights reserved |
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エクストリームサッカー |
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(C)2006 GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved.
Copyright(C)since 2005, SonicAnt All right reserved. |
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RED CARD |
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Copyright(C)2004 E!-ZEN CompanyCorp. All Rights Reserved. |
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ArtSoccer |
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(C)2006.NHN Japan Corporation.All Rights Reserved. |
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Soccer Fury |
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(C)2006 NCsoft Corporation.
All rights reserved. Soccer Fury and all associated logos and designs are trademarks or registered trademarks of NCsoft Corporation. Digital Legends is a trademark of Digital Legends Entertainment.All other trademarks and trade names are the properties of their respective owners. |
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FullTime |
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(C)2006 NETTS Corporation. All Rignts Reserved. |
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