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[TGS 2006#64]「ファミスタ」「アラド戦記」「SPECIAL FORCE」「FREESTYLE」,ハンゲームのキーパーソンへのミニインタビュー4連発
2006/09/26 23:30
 言わずとしれたオンラインゲームポータルの雄「ハンゲーム」。最近はライトなゲームだけでなく,注目度の高い作品のリリースも増えてきており,これまで以上に存在感の大きなポータルになりつつある。そんなハンゲームの中で,いまとくに注目すべき4タイトル「プロ野球 ファミスタ オンライン」「アラド戦記」「SPECIAL FORCE」「クールにバスケFREESTYLE」をそれぞれ取り仕切るキーパーソン4名に話を聞いてきた。
 一人当たり15分という,インタビューとしては実に短い時間しか取れなかったものの,それぞれ個性的な4人から面白い話を聞くことができたので,“ハンゲーマー”ならぜひご確認を。


■「プロ野球 ファミスタ オンライン」
■〜まったく新しいビジネスモデルを検討中?


4Gamer:
ゲームアライアンス事業部 事業部長 プロデューサー 瓜生貴士氏
 よろしくお願いします。ではまず,確認の意味も込めて,これまで,そして今後のスケジュールをお聞かせください。

瓜生貴士氏:
 プレオープン期間がついこの間,9月11日に終わりました。開発自体はもうほとんど終わっている状態で,いま最後のツメをやっているところです。開発状況は95%といったところですね。
 その後は,10月中旬にオープンβテスト,11月には課金サービスを開始したいと思っています。

4Gamer:
 もう目の前ですね。プレオープンの時点でも,十分普通に「ファミスタ」として遊べていたので,それほど時間はかからないとは思いますが。

瓜生貴士氏:
 実はですね,プレオープンで見えていた部分はまだ全体の3割程度でしかないんですよ。あくまでも野球の対戦部分の検証期間だったんですね。我々にとってはクローズドβテストをオープンな状態でやっていた,みたいな状況です。
 で,いろいろバグなども発見しまして,比較的大きめのバグ=ゲームの進行を止めてしまうようなものについては,えー,まずオープン後すぐに見つかりまして,急いで,4時間でフィックスしました。我々の中では“4時間のクローズドβ”なんて呼んでいます(笑)。その後一週間で4回アップデートをして,そこから3週間プレオープンは続きましたので,十分なデータがとれました。

4Gamer:
 プレオープンは,かなり盛り上がっていましたね。やはり,昔やり込んだ30代前後の人が多かったんでしょうか?

瓜生貴士氏:
 もちろん,それくらいの年齢の方も多かったですが,ハンゲームでやっているということもあり,若い人も結構いましたね。
 面白かったのが,30代前後の人と,昔を知らないだろうティーンエイジャーとでは,ずいぶん考え方が違うらしいということです。若い方はですね,「わざとボールを投げるなんてズルい」と思うようなんです。「打ち合うのが野球ゲームじゃないの?」って。

4Gamer:
 うわ,そうなんですか。駆け引き,というかだましあいの面白さがファミスタのキモですよね。

瓜生貴士氏:
 子供の頃にファミスタで遊んでいた我々の感覚としてはそうですよね。だから昔遊んでた方の多くは,当時のまま駆け引きを楽しみにプレイしているようです。
 プレイヤーの割合でいうと,いまティーンエイジャーが3割程度で,あとは27歳から30代の方が多くなります。これはハンゲームのもともとの分布を考えると,かなり特殊なんですよね。多くのタイトルでは12〜14歳がボリュームゾーンですから。
 もう一つ特殊だと思うのは,戻りユーザーさんが多いことです。20代後半くらいのハンゲーム休眠ユーザーさんが,ファミスタをやりたくて戻ってきてくれている。
 ちなみに,統計をとると,プレイ時間でも20代30代が多いんですね。これも面白い傾向です。

4Gamer:
 やはり,懐かしさから興味を持って参加してくる人が多いんですね。
 さて,本題に戻しますね。プレオープンで見えていたのは全体の3割程度だという話でしたが,今後サービス開始に向けて,ゲーム内容はどのように拡充していくのですか?

瓜生貴士氏:
 プレオープン時に足りていなかったものって,結構ありますよね。例えば球場が一種類しかなかったので,これを追加します。そしてバットとかグローブとかもカスタマイズ可能にしていきます。ロッカールームも準備しています。
 そして,あとは欲しいのは育成の要素ですね。MMORPGの流行などを見ると分かりますが,オンラインゲームをやり続ける動機としては,育成という要素は凄く分かりやすいですよね。そういった要素は取り入れていきたいです。

4Gamer:
 育成というと,具体的にはファミスタで何を育てていけるんでしょうか?

瓜生貴士氏:
 それは……まだ秘密です。

4Gamer:
 そこをなんとか,ぜひヒントだけでも。

瓜生貴士氏:
 うーん,まぁでも,それ言っちゃうと分かってしまうので(笑),もうしばらくお待ちください。

4Gamer:
 残念。では,課金のビジネスモデルはどのようなものになりますか?

瓜生貴士氏:
 しばしば,「永久無料」といいながら,結局はお金を使わないと楽しめないゲームもあるじゃないですか。私は以前から,そうなってしまうのはイヤだと感じていたんですね。そこで今回ファミスタでは,そうではない,新しいビジネスモデルを一から設計しました。

4Gamer:
 おお,それは気になりますね。

瓜生貴士氏:
 今回のビジネスモデルのコンセプトは,たった一つです。「だれも必要じゃないけれども,誰もが欲しがるもの」。……例えばスポーツカーって,そんな感じですよね。実際にはワゴン車とかのほうが絶対に便利ですもん。だけどみんな欲しがる。
 ……といったことを軸としたビジネスモデルを考えています。

4Gamer:
 うーん,気になりますね。いったいどんな課金方法なんでしょう?

瓜生貴士氏:
 課金は11月に開始しますので,それが公開できるのはその少し前になるでしょう。ぜひ楽しみにしていてください。

4Gamer:
 分かりました。ありがとうございました。




■「アラド戦記」〜どこか懐かしい2Dゲーム画面の魅力

4Gamer:
グローバルパブリッシング事業部 アラド戦記チーム マネージャー JUNG Yeon Hee 氏
 よろしくお願いします。現在オープンサービス中の「アラド戦記」は,アクションとRPG,両方の要素を併せ持っていますよね。プロモーションするときには,どちらを前に出しているのでしょうか?

JUNG氏:
 ご存じのように,アラド戦記はスタイリッシュなアクションRPGです。興味を持っている人には,アクションとRPG,つまり面白さを2回に分けて伝えていきたいと思っています。まずはアクションゲームの快感をキッカケとして始めていただき,その後,継続的にプレイしてもらうための要素として,RPGの面白さをじっくりと実感していただく,という流れです。

4Gamer:
 確かに画面をパッと見た感じでは,アクションゲームであることは分かりますが,RPGの印象は薄いですよね。

JUNG氏:
 ええ,見た目は,日本の昔のアーケードゲームに似ていますよね。子供の頃にゲームセンターで遊んだ記憶のある人にとっては,どことなく懐かしい画面ではないでしょうか。

4Gamer:
 そうですね。ただ,ハンゲームの主なユーザー層である,10代前半の子供達にとっては,「昔遊んだ記憶」がそもそもないはずですよね。

JUNG氏:

 基本はアクションゲームですから,操作も難しくなく,中学生以下の人にも,入りやすいタイトルといえるでしょう。これまでオンラインゲームに触れたことのない人にも,さほど抵抗なく始めてもらえると思っています。
 アラド戦記の操作は基本的にキーボードで行います。実際にプレイしていただければ,マウスだけで操作するゲームにはないような打撃感/爽快感があることを実感していただけると思いますよ。
 韓国でアラド戦記が受け入れられたのは,市場に溢れるMMORPGがほぼすべてマウスのみでオペレーションできるように作られているのに対し,キーボード中心の操作系がとても新鮮だったから,というのもあるのではないでしょうか。その新しさ――昔からのゲーマーにとっては懐かしさ――を味わってほしいですね。

4Gamer:
 ふむふむ。そしてそうやってアクションの面白さをカギにしてプレイヤーを増やし,RPG的な面白さでその心を継続的に捉える,と。RPGとしては,具体的にはどんな要素があるんですか?

JUNG氏:
 アラド戦記のRPGらしい部分の一つは,次々と与えられるクエストをどんどん遂行していくことで,ストーリーが進行し,徐々に奥深い世界設定が見えてくる,という部分です。でもこれは一般的なMMORPGにもあるものですよね。本作の場合はそれに加えて,“クエスト/ステージをより上手にクリアしよう”という目標を持てるところが独特です。プレイが終わると画面に達成率などの結果が表示されますので,それを見て,次回のプレイでの目標を設定できるわけです。

4Gamer:
 続けていれば,キャラクターだけでなく,自分自身の操作スキルの成長を実感できる。そこから大きな達成感を得られる,という仕組みですね。



JUNG氏:
 そのとおりです。さらに日本でのサービスでは,ユーザーからの要望に応えて,韓国版にはない機能を盛り込んでいくつもりです。例えばすでに実装されているキーコンフィグ機能も,韓国版にはない日本独自のものです。

4Gamer:
 確かに自分なりにカスタマイズしたいと思う人の数は,日本のほうが多そうですからね。それに,キー設定を変更できれば,ゲームパッドでもプレイできますし。
 さて,課金はどのように行っていくのでしょうか?

JUNG氏:
 一つはアイテム課金です。購入できるのは,まずキャラクターの衣装ですね。そして,これは新しいと思うのですが,コンティニューコインが購入可能になります。アーケードゲームっぽいでしょう?(笑)
 あと回復アイテムのような消耗品もですね。そしてそれ以外に,プラスαでユニークなビジネスモデルを盛り込みたいと計画中なのですが……詳細はすいません,いまはお答えできません。

4Gamer:
 コンティニューコインを買えるというだけでも,十分ユニークですけどね(笑)。
 ところで,今後のスケジュールはどうなっていますか?

JUNG氏:
 これまでのアップデートでは,通信を安定化させることに力を注いできました。これからはコンテンツの充実に力を入れていきます。近いところでは10月をめどに新しいダンジョンの追加を予定しています。現状で最も難しいダンジョンはレベル30程度のキャラクター用なのですが,それよりもさらに難度の高いものを追加しますよ。
 そして正式サービス開始は11月の予定です。さらに,その後の12月には新キャラクターを追加しようと考えています。遠距離攻撃が得意な,可愛らしいキャラクターです。

4Gamer:
 これから,毎月のように何かがあるんですね。楽しみです。しかし……ファミスタもそうでしたが,計画中のビジネスモデルというのが気になりますね。

JUNG氏:
 追ってご紹介できると思います。いましばらく,お待ちください。



■「SPECIAL FORCE」〜FPSブームの火付け役となるか?

4Gamer:
グローバルパブリッシング事業部 スペシャルフォースチーム マネージャー GM 紺野浩幸氏

 本日はよろしくお願いします。FPSが追加されるというのは,いままでのハンゲームのイメージからは考えられなかったことですよね。でも今回この「SPECIAL FORCE」が発表されて,いま多くの人の目が,FPSに向いているようですよ。

紺野浩幸氏:
 ええ,ありがとうございます。テクモさんの「WarRock」も,かなり大々的に宣伝されていますしね。今後,日本でもFPSが盛り上がっていくよう,がんばります。

4Gamer:
 期待しています。では,一人15分と時間が短いので,早速ですがSPECIAL FORCEについて質問していきますね。本作は,韓国ではもう結構長い期間サービスが行われていて,すでに内容も練り込まれている作品ですよね。

紺野浩幸氏:
 そうですね。韓国では2004年7月から運営されていて,いまもう3年目に入っています。

4Gamer:
 そして依然人気が高いという。

紺野浩幸氏:
 おかげさまで,そのようですね。PC-Bangでプレイされている時間やマシンの台数は,いまだにトップクラスというタイトルです。

4Gamer:
 その人気の理由ってなんでしょう?

紺野浩幸氏:
 一般的にFPSってコアなゲームですよね。銃の特性を知っていないといけないとか,そういう意味で。SPECIAL FORCEにはあまりそういった,言うなれば“面倒くささ”がありません。コアな人にとっては少し物足りないかもしれませんが,多くの普通の人にとっては,むしろそこが良いのではないかと私は思います。
 例えば武器なら,大量にある中からまず選ばなくてはいけない,というのではなくて,ともかく遊んでみて撃ってみて,ダメならちょっと変えてみる。その分かりやすさ,気軽さが受け入れられた理由ではないでしょうか。

4Gamer:
 なるほど,確かに世の中には,銃について詳しくない人のほうが圧倒的に多いですものね(笑)。

紺野浩幸氏:
 サブ武器とか,付属アイテムとか,一から全部覚えるの大変じゃないですか。本作の場合,初めて武器を手にしたら,あとはバンと撃てるだけと,かなりシンプルなんですね。あとこれはFPS全般に言えることですが,キーボードとマウスを併用する操作は,最初こそ難しく感じますが,たいていの人が,すぐ慣れちゃうんですよね。

4Gamer:
 ええ,かなり直感的ですね。では,そんなとっつきやすい本作ですが,用意されているゲームモードにはどんなものがありますか?

紺野浩幸氏:
 東京ゲームショウでもプレイできるデスマッチと,それとは別にチームデスマッチがあります。あと,人気があるのは爆弾を設置するモードですね。最大で16人での対戦が可能で,爆弾を仕掛けるチームとそれを阻止するチームの8人ずつに分かれて楽しめます。
 それともう一つ,あるオブジェクトをチーム同士で奪い合って,自陣に持って帰るというモードもあります。CTF(キャプチャー・ザ・フラッグ)に似ていますが,求めるものは1個で,それをとにかく持ち帰れば勝利となるんですよ。この,計4モードを収録しています。

4Gamer:
 特別珍しいモードはないものの,やはり大きいのは,ハンゲームでサービスするため,ある程度の参加者数が見込めるということですよね。どのモードも,大勢でわいわい楽しめそうです。
 ところで,FPSがうまく広まらない理由として,「初心者は面白さが分かる前に,上級者に倒されてしまってめげてしまうからだ」などとよく言われますが,そのあたりはどうお考えですか?

紺野浩幸氏:
 私はその点についてはちょっと違う意見なんですよ。私がFPSを始めた頃,やはり負け続けたんですが,負けていても自分が主人公になれればいいじゃないか,と思いまして,自分なりの楽しみ方,例えば耳を澄ますことから得られる臨場感とか,そういうところに面白さを見いだしてプレイをしていました。
 FPSが広まらない理由は,もっと単純に,みなさんがこのジャンルの存在を知らないことだと思うんです。あと「軍事」「戦争」というキーワードに対して躊躇してしまう人が多いことも理由の一つだと思います。なので今回キャッチコピーも,ミリタリーなイメージではなく,「隠れる」「狙う」といったアクションや臨場感を前に出したものにしています。

4Gamer:
 なるほど,確かにそうですね。

紺野浩幸氏:
 「狙い撃つ」なんていう行為に対しては,みなさん戦争のイメージは抜きにして,結構興味を持っているものだと思います。例えばダーツなんかでも,本当は高得点の場所を狙わないといけないのに,どうにも真ん中を狙いたくなっちゃうんですよね(笑)。そんな感じで,人間はきっと狙って撃つようなことに,楽しさを感じるように出来ているのだと思います。
 だから本作で,FPSというものがもっと認知されれば,このジャンルが日本でも受け入れられるようになるのではないでしょうか。

4Gamer:
 実をいえば,最初にハンゲームでFPSと聞いたときには,かなり思い切った戦略だと思ったのですが,「より多くの人にFPSを教える」という意味では,確かに効率的かもしれません。
 では,その手応えはいかがでしょうか?

紺野浩幸氏:
 今回東京ゲームショウに出展したわけですが,私やほかのスタッフが見ていたところ,明らかにFPSを未経験……というか存在すら知らないと思われる人も,SPECIAL FORCEに興味を示していたようなんですよ。これは嬉しいですね。多くのFPSだと,やはり,元からFPSに興味がある人しか触りませんから。そういう意味で,今回かなりの手応えを得られました。

4Gamer:
 そういえば,つい先日クローズドβテスターの募集が行われましたが,そちらの反響はいかがですか?

紺野浩幸氏:
 29日まで募集期間を設けて,10月5日から10月19日までクローズドテストを予定しています。私は東京ゲームショウに来ていることもあり,今現在どれくらいの数字になっているのかなどは分からないのですが,おかげさまでかなり良好だと聞いています。

4Gamer:
 やはり感じていたとおり,反響が大きいんですね。続いてゲーム内容について聞かせてください。武器にはどのようなものが用意されていますか?

紺野浩幸氏:
 最初にゲームに入ったときにキャラクター名を設定して,部隊を選びます。クローズドβテスト中は4種類の部隊が用意されます。その次にメインの武器を8個の中から一つ選びます。用意されているのはマシンガン,アサルトライフル,スナイパーライフルです。

4Gamer:
 課金方法はアイテム課金になると聞いています。ということは,使える武器の種類を増やしたい場合は,それを購入する必要があるということですか?

紺野浩幸氏:
 確かに,リアルマネーで購入することで使用可能な武器を増やすことはできます。ですが,飛び抜けて強い武器が買えたりといったことはありません。
 確かに高い武器はそれ以外に比べて,少し移動へのペナルティが少ないなどといった利点がありますが,だからといって特別に強いわけではないです。

4Gamer:
 では,キャラクター自体に成長の要素はあるんですか?

紺野浩幸氏:
 プレイを続けていると階級が徐々に上がっていきます。ただ,階級が上がることによってキャラクターの見た目(階級章)は変化しますが,能力は変わりません。

4Gamer:
 あまり能力が変わってしまうと,それこそ初心者が入れないですものね。
 話が少し戻りますが,武器以外にはどのようなものが購入できますか?

紺野浩幸氏:
 ヘルメット,膝当て,肘当て,ブーツなどがあります。これらを装備すると見た目も変わりますし,基本的には何か効果がついています。防御力だったり,移動速度の上昇だったりですね。
 ただ,武器と同じく,ゲームのバランスを壊すような強力なものはありません。

4Gamer:
 なるほど,「大金をつぎ込んだ人だけが有利になる」わけではない,ということですね。では,次の質問です。ゲームの外の部分にはどのような機能が用意されていますか? 例えばランキングとかのことですね。

紺野浩幸氏:
 クローズドβ時にはまだ入りませんが,オープンサービスからは成績のランキング,ヘッドショットのランキング,そして何人敵を倒したかが見られるようになります。将来的には,もっと細かく分けて,いろいろなランキングを用意したいと考えています。蓄積型ではなく,週一とかでリセットがかかるようなランキングもいいですね。

4Gamer:
 具体的には,どんなランキングですか?

紺野浩幸氏:
 この部隊の敵を多く倒した人は誰か,とか,この銃で敵をたくさん倒した人は誰か,といったものを検討しています。

4Gamer:
 なるほど,そこまで細かくすれば,より多くの人にランクインするチャンスが与えられますしね。

紺野浩幸氏:
 そうですね。誰でもヒーローになれるといいますか。

4Gamer:
 あと,コミュニティ関連の機能はいかがでしょう?

紺野浩幸氏:
 韓国版にはその機能がありますが,日本語版では独自のものにしたいと思っているので,しばらくは外した状態にしておく予定です。ただ,今年中には実装したいと思っていますよ。

4Gamer:
 すでに日本語版ならではの要素の開発も始まっているんですね。ちなみに,どのあたりが日本独自なんでしょうか?

紺野浩幸氏:
 せっかく我々には「ハンゲーム」というコミュニティ機能がありますので,そこと連動させたいと考えているんですよ。

4Gamer:
 なるほど,確かにハンゲームと連動していれば,それ自体がウリにもなるでしょうね。では期待しています。

紺野浩幸氏:
 ご期待に応えられるよう,がんばります。



■「クールにバスケFREESTYLE」
■〜一年を待たずに登録会員数100万人を突破


4Gamer:
グローバルパブリッシング事業部 フリースタイルチーム マネージャー 京太郎氏
 すみません,4人目ということで,ずいぶんお待たせしてしまいました。早速質問していきますね。
 これまでの3タイトルはこれから正式サービスに向けて動いていくタイトルでしたが,FREESTYLEはすでに正式サービスが始まっていますね。

京太郎氏:
 はい。2005年の10月18日に正式サービスがオープンしたんですが,今年の8月に登録者が100万人を突破しました。これはなかなか良いペースではないかと自負しています。

4Gamer:
 おお,それは確かに早いですね。では,その理由はなんだと思いますか?

京太郎氏:
 もともとこのゲームは,韓国では「対戦」「勝負」に重点をおいて開発/運営されてきた作品なんです。でも,そういう激しさは日本のゲーマーのニーズに合致しないですよね。なので日本では,「みんなで楽しく」というイメージのゲームにしたいと思いながら運営を続けてきました。それが良かったのではないでしょうか。
 ただ,やはりコアなプレイヤーは,このゲームの本質である「対戦」「勝負」の部分に面白さを見いだしているようですね。

4Gamer:
 カジュアルなゲームですし,楽しそうなイメージは確かに重要そうです。女性にもプレイしてもらいたいですしね。

京太郎氏:
 ちなみに,いま男女比はだいたい男性8に女性が2くらいの比率です。年齢的には10代後半,20代前半のプレイヤーが多いですね。

4Gamer:
 このゲームはクールなイメージですし,見た目もあまり汗くさくないので,もっと女性がいてもおかしくないと思っていました。

京太郎氏:
 確かにクールなカッコよさを目指して作られているゲームなのですが,韓国でウケるカッコ良さと,日本でウケるカッコよさは少し違うんですよね。FREESTYLEの場合,“ダウンタウン”“ヒップホップ”“不良”といったノリのカッコ良さがありますが,日本では,明るく楽しそうな雰囲気のほうが受け入れられやすい,といいますか。ですので,キャラクターグラフィックスも含めて,今後手を加えていければいいなと考えています。

4Gamer:
 グラフィックス部分はこれからなんですね。これまでに日本向けにカスタマイズしてきた部分はありますか?

京太郎氏:
 一人用の練習モードは日本向けに追加したものです。やっぱり一人で練習してちょっと慣れてから対戦したいですよね。

4Gamer:
 同感です(笑)。

京太郎氏:
 中国や韓国では,それよりもとにかく対戦,そしてとにかく一番を決めるゲームに人気が集まりますね。日本ではあまりそういうことに興味が向かわないですよね。

4Gamer:
 よく言われていますよね。日本では勝負よりも,一体感を感じられるような仕組みやイベントに興味が集まる,と。

京太郎氏:
 そうそう,イベントといえば,10月12日に一周年イベントを企画していますよ(※9月27日17時20分頃,初出時に10月11日と書いていたものを,正しい日程に修正しました)。

4Gamer:
 それはどんなイベントですか?

京太郎氏:
 現時点では詳しくは申し上げられないんですが,いままでのイベントとは違ったものになります。これまで,ゲーム内容と直接関係したイベントはシステムの関係で難しかったのですが,いま企画しているものは,ゲームの結果を反映して何かするタイプのイベントです。ゲーム内でがんばれば,それが結果につながるので,楽しく参加してもらえると思いますよ。

4Gamer:
 ゲームでたくさん勝てば,より良いボーナスがある,みたいな感じですかね。ちなみにそれは,ゲーム自体が最近アップデートして可能になったんですか?

京太郎氏:
 そうです。韓国ではクラブ機能なんかも追加されていますね。クラブというのはギルドというかクランというか,ハンゲームでいえばサークルの機能です。あと,5 on 5も実装されています。これはローカライズして日本語版にも組み入れます。

4Gamer:
 クラブ機能は日本語化しないのですか?

京太郎氏:
 実は韓国版のほうで,このクラブ機能があまりうまく利用されていないんです。なのでこのクラブ機能を日本語版に持ってくるのは,とりあえず見送っています。日本ではハンゲーム自体のほうにコミュニティ機能がありますので,そちらと合わせて,発展的に解消したいと考えています。Webとゲームを上手に連動できれば理想的ですね。

4Gamer:
 なるほど。ではコミュニティの機能と5 on 5,どちらが先に実現しそうですか?

京太郎氏:
 優先順位としては,既存のシステムの延長である5 on 5よりも,まったく新しいクラブ機能の実装のほうが上です。クラブ機能は,できれば年末までには利用可能にしたいですね。

4Gamer:
 確かに日本のプレイヤーのニーズにより合致するのは,そちらかもしれませんね。それでは,本日はありがとうございました。



 運営や開発の現場を取り仕切る4名に話を聞き終えての感想だが,どの人も,これからのオンラインゲームのサービスのあり方について,同様の方向性を持っていることが感じられた。
 一つは「海外のタイトルを日本でサービスするときは,日本ならではのアレンジを加えることが重要である」というコンセンサス,もう一つは「月額課金・アイテム課金以外の課金方法を模索する必要がある」という認識である。
 おそらくは,NHN Japanという会社として,重要視している部分なのだろう。その部分でも他者に数歩先んじるハンゲームは,だからこそ,ユーザーやほかのポータル運営元から注目される存在であり続けるのだろう。(ライター:星原昭典)



ハンゲーム
■開発元:N/A
■発売元:NHN Japan
■発売日:N/A
■価格:N/A
→公式サイトは「こちら」
プロ野球 ファミスタ オンライン 2
■開発元:バンダイナムコゲームス
■発売元:NHN Japan
■発売日:2006/10/12
■価格:基本プレイ料金無料(アイテム課金制)
→公式サイトは「こちら」
SPECIAL FORCE
■開発元:Dragonfly
■発売元:NHN Japan
■発売日:2006/11/30
■価格:基本無料(アイテム課金)
→公式サイトは「こちら」
アラド戦記
■開発元:ネオプル
■発売元:NHN Japan
■発売日:2006/09/20
■価格:プレイ料金無料/アイテム課金
→公式サイトは「こちら」
クールにバスケ FREESTYLE
■開発元:JC Entertainment
■発売元:NHN Japan
■発売日:2005/11/24
■価格:基本プレイ料金無料(アイテム課金)
→公式サイトは「こちら」

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http://www.4gamer.net/news/history/2006.09/20060926233000detail.html