Kimの韓国最新PCゲーム事情#610
コミックを原作とするオンラインアクションアドベンチャー「Red Blood Online」発表(2006/10/12)
Text by Kim Dong Wook特派員
新生ゲームデベロッパ Gorilla Banana Studioが,オンラインアクションアドベンチャー「Red Blood Online」を発表し,注目を集めている。 同社は,近年飽和状態にあるMMOゲームの開発にあたり,ジャンルとしてアクションアドベンチャーを選択。「Epic Online Action Adventure」と表現し,一般的なMMORPGとは一線を画すオンラインゲームの実現を目指している。
同社によれば,本作の特徴の一つは,多数のクエストが壮大な物語の中に織り込まれていることだという。単純なアクションをひたすら繰り返すゲームではなく,パーティプレイを通じ,仲間達と目的意識や感動を分かち合えるようなゲームにしたいと考えているそうだ。
このゲームの原作は,「Red Blood」というSFコミック。これは,韓国で有名なコミック誌「Young Champ」に7年にわたって連載され,単行本も50万部以上の売り上げを記録しており,10以上の国々に輸出された実績もある。 その原作者であるKim Tae Hyung氏は,韓国では「Ragnarok Online」の原作者Lee Myoung Jin氏に匹敵する著名な漫画家で,PC用ゲーム「Corum」(MMORPG「コルムオンライン」のベースとなったゲーム)や,MMORPG「RF online」のイラストを手がけた。Red Blood Onlineの開発にも,アートディレクターとして参加している。
今回,マップに関連するシステムの一部が発表されているので紹介しよう。 その一つが,パーティプレイに適した「アドベンチャーステージシステム」(Adventure Stage System)だ。一般的なMMORPGでのインスタンスダンジョンは,単純な“モンスター狩り”の繰り返しになりがちだが,それにアドベンチャー的な要素がミックスされているとのこと。 キャラクターの職業ごとに用意された「ダイナミックアドベンチャースキル」を活用することにより,パーティメンバー同士が助け合いながらダンジョンを攻略できるという。どの職業のキャラクターがパーティを構成しているかによって,攻略方法が変化するわけだ。
また,「ステージオートメーション」(Stage Automation)は,高度なアルゴリズムをベースとする自動マップ生成システムで,例えば「Diablo」などに見られる組み合わせ式のシステムよりもずっと複雑なマップを作り出せるという。 Gorilla Banana Studioでは,このシステムをベースに,最近ネット上で流行している「UCC」(User Created Contents)の概念を模した,「UCS(User Created Stage)システム」の開発も検討中だ。
さらに,それぞれのパーティに最適な難度や特性を持つマップを生成する「ファジーマップシステム」(Fuzzy Map System)を備えているので,いつでも最大限の面白さを味わえるという。
Gorilla Banana Studioは,Jung, Musik氏によって2006年3月に設立されたデベロッパ。同氏は,「R.O.S.E. Online」の開発元 Triggersoftの設立メンバーの一人で,パッケージソフト数タイトルを手がけた。また,NCsoftで「Toy Strikers」の開発に携わった経験も持っている。
本作の第一次クローズドβテストは2007年11月に実施される予定で,目下のところ,“final-prototype”と呼ばれるバージョンの開発が進められている。
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