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Vista環境でのパフォーマンスが向上した「Catalyst 7.4」公開
2007/04/19 13:16
 AMDは,「ATI Radeon」ファミリー向けのグラフィックスドライバ「ATI Catalyst」を更新。「Windows XP」および「Windows Vista」向けの「ATI Catalyst 7.4」をリリースした。4Gamerの最新ドライバページではリンクを更新してあるので,すぐに入手したい人はそちらからどうぞ。

 最新版ATI Catalystでは,「ATI Radeon X1000」シリーズを搭載したWindows Vista環境におけるOpenGLアプリケーションのパフォーマンスが向上したとされており,AMDによれば,「DOOM 3」や「Quake 4」,「Prey」といったタイトルで15%以上の性能向上が見込めるとのこと。ハイエンドクラスのGPU(グラフィックスチップ)を搭載している場合は,30%以上も期待できるとのことだ。
 このほかATI Catalyst 7.4では――ゲームとは関係ないが――ビデオエンコードツール「Avivo Video Converter」の32bit Windows Vista対応版が用意されている。もちろん,以下に挙げるとおり,ゲームなどにおけるバグフィックスも進んでいるようだ。なお,未解決の問題に関してはその下にまとめてある。

●ATI Catalyst 7.4で解決した主な問題(Windows XP)
  • 「ATI Radeon X1650」搭載環境で,「3DMark03」の「Game Test 3」で画面表示がおかしくなる問題
  • 「ATI Radeon X800/X850」搭載環境で,アンチエイリアシング設定を2xか4xに設定して「Call of Duty」をプレイすると,画面表示がおかしくなる問題
  • CrossFire構成で「Dungeon Lords」をプレイすると,一部の画面表示がおかしくなる問題
  • 「Prey」をプレイしているとき,ゲームスクリーンの周辺でマウスを動かすと,画面表示がおかしくなる問題
  • 「ATI Radeon X1900/X1950」搭載環境で「Trival Trouble」をプレイしようとすると,ゲームが起動しなかったり,OSが停止してしまったりする問題
  • OS上でユーザーアカウントを切り替えたり,「ATI Catalyst Control Center」でスキンを切り替えたりすると,.NET Frameworkのエラーが表示される問題
  • デュアルディスプレイ環境で,セカンドディスプレイにおいてフルスクリーンでOpenGLゲームをプレイし,終了させると,ブライトネスの設定がおかしくなる問題
●ATI Catalyst 7.4で解決した主な問題(Windows Vista)
  • ATI Radeon X800/X850搭載環境で,アンチエイリアシング設定を2xか4xに設定して「Call of Duty」をプレイすると,OSが反応しなくなる問題
  • アンチエイリアシング設定を有効にして「Battlefield 2」をプレイすると,画面表示がおかしくなる問題
  • 画面解像度を2560×1600ドット以上に設定すると「City of Heroes」を実行できない問題
  • 液晶ディスプレイを接続した64bit版Windows Vista環境で「Neverwinter Nights: Shadows of Undrentide」を実行すると,オープニングムービーが再生されない問題
  • ATI Radeon X800/X850搭載環境でNeverwinter Nights: Shadows of Undrentideを実行すると,オープニングムービー終了後にゲームが反応しなくなる問題
  • 「ATI Radeon 9800 XT」搭載環境で「Quake 4」をプレイすると,ゲームがおかしくなる問題(※詳細不明。原文は「game corruption is no longer noticed」)
  • 「Romance of the Three Kingdoms XI」(※「三國志XI」のこと)をプレイすると,地形テクスチャの表示がおかしくなる問題
  • 「ATI Radeon X1600」搭載環境で「Unreal Tournament 2004」をプレイすると,画面表示がおかしくなる問題
  • OpenGLアプリケーションにおいて「ATI OverDrive」が正常に動作しない問題
  • ATI OverDriveの「Restore Defaults」ボタンが利用できない問題
  • ATI Catalyst Control Centerの「3D Refresh Rate Override」設定項目に「60Hz」がなかった問題
  • ATI Catalyst Control Centerの「Basic View」から,「3D: Setting」のスライダーを「Balanced」に設定して終了させると,次にATI Catalyst Control Centerを起動したとき,スライダーが「High Performance」へ移動してしまう問題
  • S3ステートから復帰すると,画面がブラックアウトしてしまい,マウスカーソルだけアクティブになってしまう問題
●ATI Catalyst 7.4で未解決の主な問題(Windows XP)
  • 「Call of Duty」のプレイ中にゲームとWindowsデスクトップを切り替えると,エラーメッセージが表示されることがある。これは,Windows Vista環境でも発生する可能性がある
  • ATI Radeon X1800のCrossFire構成でアンチエイリアシング設定を2x以上に設定すると,ゲームが起動しないことがある
  • 「ATI Radeon X1200/X1250/X1250」オンボードグラフィックス搭載環境で,解像度を1600×1200ドットに設定すると,ゲームが起動しないことがある
  • 「Star Wars Knights of the Old Republic II: The Sith Lords」をプレイするときに,ゲーム内の描画設定を低くすると画面表示がおかしくなる
  • 特定のハードウェア構成で「Prey」をプレイし,ヘルスパックの上の遠くからホバリングする(※おそらくソウル状態でヘルスパックの上をホバリングすることを指していると思われる)と,画面表示がおかしくなることがある
  • Catalyst Control CenterのATI OverDrive設定が,個人アカウント(※編注:原文は「individual account」。管理者権限以外のアカウントのことではないかと思われるが詳細は不明)になっていると保持されない。これはWindows Vista環境でも生じる可能性がある
  • ATI Radeon X1900のCrossFire構成で,PCを再起動するごとにアンチエイリアシング設定が初期化される。これはWindows Vista環境でも生じる可能性がある
  • 日本語(と中国語)版Windowsで,リリースノートを閲覧しようとすると,ブランクページが表示されてしまうことがある
  • ドライバのアンインストール時に,一部のファイルが消えずに残ってしまう
●ATI Catalyst 7.4で未解決の主な問題(Windows Vista)
  • DOOM 3あるいはQuake 4において,ゲーム側のオプションから「Video Quality」を「Medium」,画面解像度を1024×768ドット,アンチエイリアシング設定を4xに指定すると,画面表示がおかしくなる
  • 「Homeworld 2」のゲーム内オプションをデフォルトに変更してゲームをプレイすると,画面表示がおかしくなる
  • 「IL-2 Sturmovik: Forgotten Battles」のゲーム内オプションから,「landscape detail」設定を「perfect」(※編注:2か所の括弧内,原文ママ)に変更すると,水のテクスチャの表示がおかしくなる
  • 「NHL 07」で,ゲーム内オプション設定を適用できないことがある
  • Catalyst Control Centerからアンチエイリアシング設定を2x以上に変更し,Quake 4もしくは「Serious Sam」をプレイしているときに,背後でCatalyst Control Centerの3Dプレビューが表示されていると,OSが反応しなくなる
  • ATI Radeon X1900シリーズ搭載環境で「X-Plane」(※バージョン不明)を実行すると,画面表示がおかしくなる
  • 特定のハードウェア構成において,ATI Catalystのアンインストール時に致命的なエラーが発生したというエラーメッセージが表示される
  • S3ステートからの復帰に,かなりの時間を要する

 以上,比較的地味なアップデートに見えるかもしれないが,ATI Catalyst Control Centerやビデオ再生周りにもメスは入れられており,全体的に完成度が一段高められている印象。ATI Radeonのユーザーであれば,(インストール作業は自己責任となるが)導入しておいて損はないのではなかろうか。

 ただし,英文リリースノートには,ATI Catalyst 7.4では「ATI Radeon X1600 Pro」のHDMI出力をサポートしていない点が注意事項として挙げられている。該当するユーザーはATI Catalyst 7.3を引き続き使うことが推奨されているので,この点はご留意を。
 また,32/64bit版Windows Vistaにおいては,ドライバのインストール後に「ATI T200 Unified AVStream Driver」のインストールに失敗したというエラーメッセージが表示されることがあるが,これはシステムの再起動によって解決するそうなので,ご心配なく。(佐々山薫郁)


ATI Catalyst
■開発元:AMD(旧ATI Technologies)
■発売元:AMD(旧ATI Technologies)
■発売日:-
■価格:無料
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2007.04/20070419131618detail.html