マイクロソフトが「Games for Windows - Live」のプレス向け発表会を実施
本日(2007年4月24日)マイクロソフトは,同社が提供するゲームプラットフォームXbox 360と,Windows VistaなどWindowsプラットフォームの相互接続を実現するオンラインサービス「Games for Windows - Live」に関するプレス向け発表会を,東京都目黒区にあるウェスティンホテル東京にて開催した。
Games for Windows - Liveとは,Xbox Liveで提供されている各種ゲームサービスの提供範囲をWindowsプラットフォームにまで広げた,マイクロソフトが提供するオンラインゲームサービス。Games for Windowsに対応したゲームであれば,Xbox 360とWindowsといった環境の違いを意識することなく,オンライン対戦やチャットが楽しめるほか,現行のXbox Liveと共通のフレンドリストやゲーマータグを利用できる。 これは要するに,Xbox専用だったXbox Liveのサービスが,PCゲームでも利用できるようになるということ。例えばこれまでのPCゲームでは,GameSpyの提供する対戦サーバー/ロビーアプリケーションを利用するケースなどが多かったわけだが,そういったサービスをLiveベースに統一していこうという動きである。
今回の発表会は,Games for Windows - Liveの概要を紹介しつつ,その場でサービスを利用する様子をデモンストレーションするというもの。実機を使って実際にゲームをプレイしながら,シームレスにやりとりされる,クロスプラットフォームの利点を強調する内容となった。
最初に登壇したのは,マイクロソフトのXbox事業部本部長 泉水 敬氏。氏は,国内のXbox関連の事業を総括する人物だが,まず始めに「本日は,Xboxの泉水ではございません。今日は,Games for Windowsの泉水でございます」と発言。マイクロソフトでは,Games for Windows - Liveのサービス開始に伴い,PCゲーム事業部とXbox事業部が統合されており,いわゆる「ゲーム機ビジネス」に捕らわれない,より大きな枠組みでゲームプラットフォームというものを構築していこうという動きがあるが,今回の発表もそういった動きの一貫であることを示唆。続いて,「弊社は,四半世紀にわたってPCゲーム市場に取り組んでおり,2002年からはXbox事業並びにXbox Liveサービスを行ってきております」と,同社のゲームビジネスの歴史を簡単に紹介しながら,「オンラインゲームサービスは,当初からその必要性を感じてきました。Xbox Liveサービスが立ち上がってから約5年。マイクロソフトのオンラインゲームサービスは,新たなフェーズに入ります」と宣言した。 ちなみに泉水氏の話によると,Xbox Liveサービスは着実に成果を出しているとのことで,Xbox Live Arcadeは累計2000万ダウンロード,マーケットプレイスのコンテンツ(体験版やムービーなど含めてすべて)に至っては,累計1億ダウンロードを記録しているのだという。
Games for Windows - Liveの最初の対応タイトルとなる「Microsoft Halo 2 for Windows Vista 日本語版」
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泉水氏に続いて登壇したのは,Xbox事業本部の坂口 城治氏。氏はまず,「Windowsは,世界で最も普及しているゲームプラットフォーム。数億のユーザーという,巨大なビジネスの可能性がある市場です」と,PCゲーム市場の可能性について言及。続いて「ただ日本においては,PCスペックの分かりにくさやレーティングの問題など課題が多く,小さい規模のまま推移している」とコメントしたうえで,「これまで日本のPCゲーム市場に関しては,問題点を認識しつつも,なかなか改善しようという動きはなかった。しかし,これからはGame for Windowsを通して活性化を図っていきたい」と語り,Games for Windows事業に関する意気込みを見せた。 坂口氏は,Games for Windows - Liveのサービスの概要を説明しつつ,「Microsoft Halo 2 for Windows Vista 日本語版」や「Shadowrun」,「ロスト プラネット エクストリーム コンディション」といった対応タイトルを紹介。マイクロソフトとしては今年度内に5タイトル程度の発売を予定しているとのことで,今後の新たなタイトルの発表も期待したいところである。
Xbox 360とWindows間のクロスプラットフォーム対戦を実現するタイトルとして開発されている「Shadowrun」
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最後は,同じくXbox事業本部の鶴淵 忠成氏が登壇。鶴淵は,実機を使いながらのデモンストレーションを行い,本サービスの利便性をアピール。デモプレイでは,実際にゲーム上で動作するGames for Windows - Liveの様子を確認することができた。 機能としてはXbox Liveとほとんど同じで,フレンドリストや,そこからのゲーム招待/参加などなど,あるべき機能がしっかりと用意されている点は嬉しい要素。本サービスが,今後のPCオンラインゲーム全般の基幹サービスとなる可能性を,十分に感じさせてくれる部分である。 各メニューなどのインタフェース周りもXbox Liveのそれを踏襲した形となっており,マウスのみならず,ゲームコントローラーでも操作できる形となっていたのも印象的であった。
ちなみにGames for Windows - Liveのサービス内容は,基本的にはXbox Liveのそれとほぼ同じ。利用料金もXbox Liveと同様のスタイルで,無料の「シルバーメンバーシップ」と有料(年間5229円)の「ゴールドメンバーシップ」のいずれかへの加入が必要だ。 ただXbox Liveとの大きな違いとしては,Game for Windows - Live同士での対戦は無料のシルバーメンバーシップでも可能という点が挙げられる。つまり,PC版同士であれば,無料で対戦が可能ということ。これは「PCゲームの現状を鑑みての仕様」とのことで,これまで無料で遊べたPCゲーム(のオンライン対戦)ユーザーへの配慮といったところ。とはいえ,今後はFPSやRTSを遊ぶのにお金が掛かるかも……というのは,従来のPCゲームプレイヤーからすると,やや複雑なところか。またPCのオンラインゲームには,独自のランキングシステムやマッチングシステムを実装していることが多く,Liveサービスでどこまでまかなえるのかという問題もあり,いろいろと気になる点も尽きない。対応タイトルにどんな作品が出てくるのかを含めて,今後の動向に注目したいところだ。
Games for Windows - Liveは2007年5月25日より開始され,また対応タイトルである「Microsoft Halo 2 for Windows Vista 日本語版」も,同じ25日に発売される予定(関連記事)。 対応タイトルの少なさもあって,まだまだこれからという雰囲気も強い本サービスだが,先日,Windows Live Messengerの機能を実装するアップデートを発表しているなど,着実に機能強化が進んでいる。Games for Windows - LiveおよびXbox Liveを通じて,PCゲーム,ひいてはゲーム全般の利便性/快適性が向上していくことを期待するばかりだ。(TAITAI)
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