「第2回パンヤジャパンカップ」が開催。予想を上回る盛況の中,「(おんぷ)モカ」選手が見事優勝!
5月5日の子供の日に,「スカッとゴルフ パンヤ」の日本一プレイヤーを決めるイベント「第2回パンヤジャパンカップ2007 Spring〜 Supported by マウスコンピューター〜」(以下,PJC)の決勝大会が開催された。4月の上旬から下旬にかけて,あらかじめオンライン形式による予選大会が行われており,これには合計で2026名が参加している。その予選大会で上位の成績を収めた16名のプレイヤーが,東京有明のTFTホール300に集結し,賞金総額100万円を目指して激戦を繰り広げたというわけだ。
■予想を大幅に上回る大盛況
決勝大会の舞台となったTFTホール300は,250名を収容できるシアタースタイルの多目的ホールである。しかし,当日の朝10時半の開場時点で,ざっと見た限り700〜800もの人達が行列をなしていた。関係者の誰もが「これは大変なことになる」と予感したのではないだろうか。 実際,入場制限をかけながら開場したものの,当日限定のマスコット“エルモ”のシリアルキーや,プレゼントが当たる抽選券などが入った来場者特典の「ポンタの紙袋」は,用意した1000人分が1時間あまりで尽きてしまった。そのためエルモのシリアルキーのみを急遽作成し,ようやく午後2時に配布が再開されていた。
会場にはPJC決勝大会の席のほか,Wii版「スイングゴルフ パンヤ」の試遊台などが設置されていたが,すし詰めの会場内で自由に見て歩くのは不可能で,決勝大会が始まると,一度奥に行ったら出ることすら難しいという状態だった。「第1回パンヤジャパンカップ」の決勝大会は,秋葉原のネットカフェを貸しきりにして行われたが(関連記事),今回はゴールデンウィーク内という開催日程や,ゲーム内アイテムの配布,そしてパンヤというタイトルがより多くのプレイヤーに受け入れられたことも相まってか,第一回とは比較にならない来場者数である。 そのようなすさまじい大混雑の中,決勝大会の火蓋が切って落とされた。
■さながらスーパープレイ集の決勝大会
今回の決勝大会は,「Blue Lagoon」(ブルーラグーン)と「Pink Wind」(ピンクウィンド)の両コースを,パンヤの大会モードでプレイ。2コースの合計打数が少ない(打数が同じ場合は獲得PPの多い)4選手が,最終決戦へと駒を進める形式だ。 解説を務めたのはゲームポットの“(わいん)ゼリー”氏と,声優の磯村知美(イソッチ)さん。各ホールの見どころや選手の狙いなどを的確に解説するわいんゼリー氏と,初級者ではあるもののパンヤ好きなのがひしひしと伝わってくるイソッチさんのコンビは,実に的を射た実況コメントを展開していた。 ちなみに出場した15名の選手(1名が辞退)の使用キャラクターは,誰もが予想するようにクーやアリンが多く見受けられたが,中にはダイスケや,ケンを使っている硬派な(?)選手もいた。
最初の舞台となったBlue Lagoonは,パンヤのサービス初期からある,定番コースの一つだ。難度は★一つと低いので,選手にとっては最も攻略しやすく,また実力が正確に反映される(=運に左右されにくい)コースといえよう。ステージ前面のスクリーンに注目する観客は,決勝大会がスタートしてものの数分で,それを実感することになったはず。 なにしろ,どの選手の画面を見ても,特殊ショットを駆使したホールインワンやイーグル/アルバトロスなどを連発している。その一方で,ノーマルショット+ビームインパクトでチップインといったハイテクニックも見られ,さながら目の前で,リアルタイムでスーパープレイ集が繰り広げられているかのようである。
仮にミスをする状況でも,例えばパンヤショットのタイミングが合わないなどといったよくあるものではなく,ボール数個分ずれてチップインを逃すといった具合。そのため会場内では,そこかしこから歓声やため息が聞こえ,大盛り上がりであった。 そういった中Blue Lagoonを制したのは,かつて第一回PJCで優勝したこともある“がん太”選手。がん太選手のスコアは-36で,平均イーグルということを考えれば,どれだけ凄いのかがよく分かるだろう。
続いて行われた第二試合の舞台“Pink Wind”は,約2か月前に実装されたばかりの新しいコースである。桜が舞い散るというのどかな景観で,基本的には初級者向けのコースではあるものの,スコアを伸ばそうとすると一転してパワーやテクニックが必要となる。それだけに,各選手がどのように各ホールを攻めるのかは,会場を訪れた中〜上級者にとって良き参考になったのではないだろうか。
Pink Windでは,“World Cyber Games 2006”で日本代表となったこともある,(おんぷ)モカ選手がトップ。そして2大会の成績を合わせて,(おんぷ)モカ選手,がん太選手,彩華@miumiu.com選手,Natural_IX選手の4名が最終決戦へと駒を進めた。
■パワー35のアリンを自在に操るモカ選手が優勝!
決勝大会の舞台となったコースは,パンヤでも一,二を争うトリッキーな「WizWiz」(ウィズウィズ)。断崖絶壁の中,雲海の間を潜り抜けてボールを飛ばすという奇想天外なコースだ。たとえ上級者でも,ショット時におけるほんの数ドットのズレがOBに直結してしまい,見方によっては一発逆転の機会もあるコースとしても知られている。そのため,直前のショットをなかったことにするアイテム“忘却の花”を持参している選手も見受けられた。
そのような難度の高さに加え,賞金総額100万円がかかった大一番である。慎重を期す選手が多かったが,Natural_IX選手だけはハイペースでコースを進めていった。現時点でのトータルスコアが表示される大会モードでは,一見するとNatural_IX選手がトップを走っているように見えていた。かたや,モカ選手とがん太選手の2名は実に慎重で,このままでは大会の規定時間をオーバーしてしまわないかと危ぶまれる声も。
ここで,今回の記事化に当たり,決勝戦におけるモカ選手のプレイをそのままキャプチャした動画が,ゲームポットから提供された。何はともあれダウンロードしてみてほしい。
■ムービーのダウンロードは「こちら」(39分50秒,WMV) ダウンロードファイル詳細(zip圧縮):40.6 MB (42,656,298 バイト)
ムービーを見ても分かるように,画面を最大まで拡大させたうえでドット単位で向きを微調整したり,的確なパワーゲージが出るまで何度も試行錯誤を重ねているさまがよく分かる。傍から見ると少々もどかしくもあるが,それもそのはず,モカ選手はたとえウッドで打つような場面でも,そのままチップインさせる気マンマンでプレイしているのだ。
ムービー中には明確に表れていないものの,モカ選手が凄いのは,これらのテクニックを“パワーが35”(=ショット時のゲージの動きが非常に速い)というキャラクターで行っているということだ。序盤こそチップインを逃す場面が多かったが,中盤以降がすさまじく,先行したNatural_IX選手や,地道にハイスコアを叩き出すがん太選手を猛烈な勢いで追い上げていった。
コースの終盤までデッドヒートが繰り広げられたが,勝負が決まったと思われるのは,各選手がほぼ横一列に並んだ17番ホール。このパー4のミドルホールは,従来はパワーカーブなどで大きく迂回するのが定石であった。しかしモカ選手は,強力なパワーを生かし,さらにシーズン3で導入された“スパイクショット”を組み合わせて,なんとホールインワンを決めてしまったのである。ここでモカ選手はついにトップに踊り出て,そのまま優勝(スコアは-29)。ロングチップインを数多く決めたモカ選手の獲得PPは,1万を超えた。 ちなみに17番ホールの場面は,掲載ムービーの36分30秒以降に収録されているので,ぜひ一度見てほしい。それにしてもこのときの会場内の盛り上がりは本当に凄かった。
■予想を大きく超える大盛況。今後の課題も浮き彫りに
優勝したモカ選手は,ゲームポットのGMチームの中で最強といわれる夏みかん氏とのエキシビジョンマッチを行った。3連戦の疲れもあったのか意外に(?)苦戦する場面も見受けられたが,モカ選手は僅差で勝利。この勝負に優勝者側が勝利すると,「翌日のゲーム内イベントを選べる」という趣向が用意されていたのだが,モカ選手により翌日の5月6日はパンヤの全プレイヤーが「獲得経験値2倍」の恩恵を得た。
今大会で印象深いエピソードを挙げるなら,まさしくモカ選手が引き起こした劇的な展開が筆頭となる。なにしろモカ選手は,決勝大会の第一戦,1番ホールでミスを連発,まさかのパースタートを切り,一時は9位までスコアを落としていたのだ。
パワーが35という非常にとんがったスペックのキャラクターに加え,手を伸ばせば届くくらいの位置から観客に終始見守られながらのプレイである。普段どおりの実力を発揮するのも,なかなか難しかったに違いない。 後でモカ選手に聞いたところ,やはり序盤は相当緊張していたようで,例えばWizWizでは本来なら-32前後は出せたのにと悔しがっていた。筆者には雲の上の話にしか聞こえなかったが,そうした実力あってこそ,ここまで大会を盛り上げられたのだろう。
本イベントを振り返ってあらためて強く感じるのは,パンヤというタイトルが本当に多くの人に受け入れられているのだなあ,との思いである。イベントの日時や,来場者特典に後押しされた面も確かにあるが,会場前のあの長蛇の列を見た瞬間は,パンヤを見続けている者の一人として,胸にぐっとこみ上げてくるモノがあった。
それだけに,あまりの来場者数に会場/運営側が対応しきれていなかったのは,今後の大きな課題といえる。会場のキャパシティはどう見ても足りず,3時間近く立ちっぱなしで観戦というのはキツかっただろう(そもそも座れない)。また,子供連れの来場者が「ポンタの紙袋」だけをもらってそのまま帰ってしまう,というのはちょっと残念な気がした。 もはやPJCというイベントは,単に“対戦ゲームイベント”という枠に収めておくには,もったいない規模になった気がする。例えば,決勝大会そのものにそれほど関心がなくても,パンヤ好きなら楽しめるような,アトラクションとしての広がりを意識すべき段階に来ているのではないだろうか。
イベントの終了後にパンヤのディレクター前田氏に話を聞くと,そのあたりの目測の誤りは多いに反省しているとのこと。その一方で,予想をはるかに上回る盛況さには感激しており,次回のPJCでは必ずや改善するとコメントしてくれた。第三回PJCは来年といわず,もっと早い段階で予定しているとのことなので,期待して待っていよう。(Text by 川崎政一郎 / Photo by 市原達也)
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スカッとゴルフ パンヤ |
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■価格:無料(アイテム課金),フロンティアグルーヴ販売のパッケージ版は2100円(税込) |
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