アルオンゲームズは本日(5月18日),新形態のゲーム内広告サービス「FROG」(Free Revolutionary Online Game)の試験サービスを,韓国で5月23日から6月24日まで行うと発表した。
既存のゲーム内広告がゲーム内部の背景などに広告を掲載するPPL(Product Placement/間接広告)の形態だったのに対し,FROGサービスは,ゲームコンテンツと広告を完全に分離し,まるでテレビコマーシャルのように,ゲームの進行中に訪れる分岐点などで動画広告を流すというもので,プレイヤーは無料でゲームを楽しめる。素材についても,既存のテレビコマーシャルのものをそのまま使用でき,ゲームの開発過程においてはまったく負担がかからないことが特徴であるとのこと。 以前のゲーム内広告が「ゲームのバイナリファイルと一体」になっていたのに対し,FROGでは完全に分離したシステムで広告を管理しているという取り回しの良さも特徴だ。具体的にどのような感じなのかは,下のムービーで実際に確認してもらいたい。こちらのムービーでは,試験サービスで配信予定の「英雄伝説 空の軌跡 SC」で,建物から外に出たローディング中に動画広告が挿入されている。
■FROGサービスデモムービーは「こちら」(1分30秒,WMV9) ファイルの詳細:28.5 MB(29,889,136 バイト)
こうした広告配信方式を支えるためには,数GBのゲームクライアントと広告映像を,プレイヤー一人一人に継続して送信するための大規模トラフィック処理技術が必要になるが,同社が大部分を独自で設計/開発したソリューションによって,最小でも100万人が同時にサービスを受けられるという。また,コンソールゲームや映画などのマルチプラットフォームへの展開も容易にできるようになっている。 FROGの試験サービスは,5月23日から6月24日まで行われる予定で,「英雄伝説VI 空の軌跡」「英雄伝説 空の軌跡 SC」「イース −フェルガナの誓い−」「イース・オリジン」の4タイトルが配信される。また,8月に予定されている正式サービス時には,英雄伝説シリーズ最新作「英雄伝説 空の軌跡 the 3rd」や,「ザナドゥ・ネクスト」なども同サービスを通じて公開される予定とのことだ。
今回の発表について,アルオンゲームズ代表のKim Do Sung(キム ド ソン)氏は,「既存のパッケージにこのサービスを適用する場合も,5時間程度で対応が可能です。このシステムによって,オフラインとオンラインゲームのスタートラインはほぼ同じ条件になったと思います。これからは,お店にパッケージを買いに行く必要もなく,ネットワーク環境さえあれば気軽に遊べるようになります。課金もされないので,これからは本当に優れたゲームだけが生き残るでしょう。日本でも,遅くとも年末にはこのサービスでゲームを楽しんでいただけるよう頑張りますので,よろしくお願いします」とのコメントを寄せてくれた。
パッケージとして販売されているシングルプレイRPGなどが,オンラインゲーム感覚で,わざわざ買いに行かなくてもすぐに(しかも無料で)遊べるということには感慨を覚えるし,このシステムを応用すれば,そのままオンラインゲーム――に限った話ではないが――にも適用できるものと思われる。日本でのサービスも予定されているとのことなので,今後の動向については引き続き注目していきたい。(ginger)
FROGサービスサイト:http://www.aruon.com FROGソリューション紹介サイト:http://frog.aruon.com (5月21日オープン予定)
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