「MHF」ファン参加イベント“ハンター懇親会”レポート。第2のMHFオリジナルモンスターとしてシーラカンスのような魚竜種をチラ見せ
月曜日の7:00PMから開始された本イベント。平日の夜にもかかわらず,多くのMHFファンが集結した
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カプコンは6月4日,東京 品川にあるザ・グランドホールにて,「モンスターハンター フロンティア オンライン」(以下,MHF)の記者発表会後,同会場でファン参加型イベント“ハンター懇親会”を開催した。
この懇親会には,クローズドβファイナルに参加したプレイヤーの中から選ばれたハンター達が参加。カプコン 開発統括本部 オンライン開発部 部長 小野義徳氏の挨拶からイベントはスタートした。 次に,カプコン 開発統括本部 オンライン開発部 ディレクター 木村幸一氏が登壇し,今後のアップデート内容などを発表した。その内容は,先んじて開催された記者発表会と基本的に同じものだったが,先日の記事では概要を紹介するに留めた部分もあるので,ここでその詳細をあらためてお伝えしておこう。
(左)カプコン 開発統括本部 オンライン開発部 部長 小野義徳氏
(右)カプコン 開発統括本部 オンライン開発部 ディレクター 木村幸一氏
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・新マップ「樹海」 密林より奥にある前人未踏の地で,木が生い茂っていて昼でも暗く神秘的なフィールド。6月28日の正式サービス開始後,配信クエストという形で実装の予定だ。樹海には,これまでゲーム内設定が明確でなかった雑魚モンスターのアジトのようなマップも含まれている。
・新モンスター「ヒプノック」 鳥竜種の新モンスターで,いままでの鳥竜種よりも鳥のイメージに近く,尻尾のあたりにある羽毛をポイントとして設計された。こちらも配信クエストで実装される予定。もちろんはぎ取り素材で新規武器/防具の作成が可能で,ヒプノック装備は,羽毛をイメージしているのが特徴となる。
・新武器/新防具 追加モンスターの新規武器/防具はもちろん,お店にダイレクトに並ぶ武器/防具も追加される。PSPの「モンスターハンター ポータブル2nd」で登場する武器/防具についても,段階的に追加していくことが予定されている。 武器と防具のレシピは変更されるため,生産/強化するさいに,いままでと必要な素材やお金がいくつか変わっている。また,武器や防具の数値の大幅な変更も現在バランス取りをしているとのことで,正式サービス開始時にはかなりの武器/防具の性能が変わるとのこと。
・バランス調整(リファイン) バランス調整については,インタフェースや操作性,モンスターのバランスなど,プレイヤーの意見を取り入れて恒常的に調整していく。なお,クローズドβファイナルで試験的に実装されていた,ワールド別の繁殖期/寒冷期/温暖期の色別表記については,プレイヤーにはかなり好評だったようで,正式サービス開始時に実装されることが確定した。ワールドごとに季節がずれるよう設定される。 スキルについては,内容こそ変えないものの,スキルの個性が出るように数値を調整している最中とのことだ。ものによっては大幅に印象が変わる可能性もあるようだ。 モンスターの強さの調整では,序盤はよりやさしく,後半は4人で協力しないと倒せないというように,随時調整を進めていくようだ。
・新コンテンツ「マイギャラリー」 クローズドβファイナルのときに実装されたが,追加のアイテムやはぎ取り素材から家具を作成し,飾れるというもの。クローズドβファイナルの段階で,マイセット装備を着せてギャラリーに飾る“武具人形”が用意された。
・新コンテンツ「マイガーデン」 シリーズの農場と同じような形で,クエスト前にアイテムが手に入るというシステム。従来,クエスト中でしか手に入らない素材などのアイテムが手に入るようになった。
・新コンテンツ「猟団システム」 クローズドβファイナルの段階では,最大30人のギルドを作成できた。正式サービスに向けて調整後に実装される予定とのこと。
■計3回にわたり実施されたクローズドβテストの結果報告 ■プレイヤーの最長プレイ時間は34日間で517時間!
カプコン 開発統括本部 オンライン開発部 運営プロデューサー 杉浦一徳氏
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その後,カプコン 開発統括本部 オンライン開発部 運営プロデューサー 杉浦一徳氏からクローズドβファイナルまで計3回行われたクローズドβテストの結果報告が行われた。第1回クローズドβテストからクローズドβファイナルまで,計34日間行われたβテストのデータが公開された。なかなかに興味深いデータなので,以下にその概要と発表されたスライドすべてを掲載しておく。プレイヤーはぜひ目を通してほしい。
・参加プレイヤーの平均ハンターランク:4.73 ・ハンターランク29(最高値)に達したプレイヤー数:1004人 ・プレイヤーキャラクターの男女比:男性キャラクター60%,女性キャラクター40% ・武器の種別比:剣士87.8%,ガンナー12.2% ・武器種類の人気ランキング(クローズドβファイナル終了時に装備していた武器):1位 片手剣(28.4%),2位 太刀(15.1%),3位 大剣(14.7%) ・武器の人気ランキング:1位 デスパライズ(片手剣) ・猟団数1582 ・所持ゼニー:平均2万651 Zeny,トップ246万5218 Zeny ・クエスト出発回数:平均47.9回,累計トップ646回 ・プレイ時間:平均26分48秒,累計トップ517時間34分53秒
また,7〜8月に実施されるMHFのプロモーションについては,以下のようなものが予定されている。- 友達紹介キャンペーン
- 猟団支援キャンペーン
- ハンターランク応援キャンペーン
- 公認ネットカフェ猟団応援キャンペーン
- 公認ネットカフェキャンペーン
- マイギャラリーコンテスト
- ブログコンテスト
基本的に,コアプレイヤーには公式狩猟試験などが用意されるため,これらは初心者/初級者向けのキャンペーンとなるようだ。ちなみに,記者発表会では,各種メーカーとのコラボレーションでさまざまな限定アイテムが入手できることが明らかにされたが,それについては,ゲームバランスを壊すことがないように,慎重に検討しているとのこと。非常に性能の高い武器がお金で買えたりするようなことはないと杉浦氏は語っていた。そして,運営ポリシーも公開され,今後はよりプレイヤーの満足度の高いものにしていくという意思表示がなされた。 そして,記者発表会で詳しくは触れられなかった,大型アップデートの以下の二つの要素について,補足説明もされている。 MHFオリジナル新モンスターについては,年内に第2,第3のオリジナルモンスターを実装予定。現在公開されているのはヒプノックのみだが,すでに新モンスターの準備はされており,新マップについても,樹海以外の新フィールドが用意されるとのことだ。
その後,杉浦氏と木村氏に対しての質疑応答が行われた。事前にメールで寄せられた質問のほか,来場者からの質問もいくつか受け付けていた。気になるプレイヤーも多いと思うので,そのすべてを以下に掲載しておこう。
Q:バランス調整は今後もやっていきますか? A:バランス調整は,随時行っていきます。正式サービス開始時には大きく変えている部分もあるので,楽しみにお待ちください(木村氏)
Q:ジャンボ村(シングルモード)は実装されますか? A:ジャンボ村は実装しません。理由は,オンラインゲームとして,多人数でのプレイを重要視したからです。ただし,シングルモードのいくつかの要素については,お客様から求められていると考えているので,木村ディレクターと相談のうえ,現在のオンラインモードに実装するように進行中です(杉浦氏)
Q:サービス期間中,武器の強さやモンスターの強さをプレイヤーの希望で変更されることはありますか? A:あります。それには,数多くのプレイヤーの方々のご意見ご要望をもっと聞かせていただければと思います(木村氏)
Q:マイギャラリーの家具は今後追加されていきますか? A:クローズドβファイナルで実装されていた家具というのは,ほんの一部です。今後,より具体的にモンスターの素材を使ったものなどを定期的に実装していこうと思っています。(木村氏)
Q:MHFの企画,運営での失敗談,苦労話を教えてください A:バランス調整は,現状まだ苦労している段階です。インタフェースと操作性,ゲームパッドからキーボード/マウスの操作に変わったことについては,多くのプレイヤーの方々からご不満の声をいただいています。日夜調整をしてよりよい形で提供できればと開発スタッフが頭を悩ませています(木村氏) A:運営チームとしては,6月21日にサーバーが落ちないようにする,というのが一番重要です。「誰でもモンハンフロンティア」で,ダウンロードやアップデートにかなり時間がかかってしまい,多くのプレイヤーの方々にご迷惑をおかけしてしまったことを非常に反省しています。クローズドβファイナルのときにはその反省から,スムースに実施できるようにしたつもりです。一度犯したミスを二度と犯さないように,運営では厳しく反省をして,これからもやっていきたいと思います(杉浦氏)
Q:メゼポルタ広場をもっとにぎやかにしてください A:今後の拡張として,7月を皮切りに,新要素を取り入れていくと思います。現状実装されていないものも多々ありますので,これからもっと活性化していけばと思います(木村氏)
Q:どのくらい先まで見据えてハンターランクを設定しているのでしょうか? A:そこで終わりというわけではないのですが,計画の一つの区切りとして,少なくとも2,3年は先を見据えています(杉浦氏)
Q:モンスターのバランスで,モーションなどは追加されますか? A:現状は具体的に申し上げられないんですけど,追加のモーションについては視野に入っています(木村氏)
Q:海外のプレイヤーにも,日本語表示でかまわないのでプレイできるようにしてほしいです。 A:基本的に,今回のMHFのスタート段階では,日本国内でのサービスに限らせていただいています。理由はいくつかありますが,大きな一つがセキュリティ面です。運営がゴーサインを出さないうちにそれを許容してしまうと,善意ある海外のプレイヤーの方々ではなく,現在,オンラインゲームをにぎわせているさまざまな問題が,日本のプレイヤーの皆さんに降りかかってしまうなど,多くの課題がまだあると考えています。まずは,日本国内のサービスを優先していますが,近い将来,なんらかの形で海外のプレイヤーの皆さんに回答を出せると考えています(杉浦氏)
Q:1クエストの参加人数は4人になっていますが,今後変更されることはあるのでしょうか? A:現段階では,クエストの参加メンバーを増やすという予定は入っていません。クエスト参加メンバーについては,完成されたものだと認識していますので,プラスアルファの部分の追加/実装を最優先とさせていただいています(木村氏)
Q:モンスターハンターポータブル 2ndと同じキーコンフィグが実装される予定はありますか? A:極力近い形で実装できないか,調整している段階です(木村氏)
その後,ファンイベント参加者限定で,開発の許可なしに新モンスターの画像がお披露目された。残念ながら撮影禁止ということで,モンスターそのものの姿をお見せすることはできないのだが,その特徴をお伝えしておこう。新モンスターは魚竜種で,ぱっと見シーラカンスのような姿をしていた。新モンスターに関するディレクター木村氏の解説をそのまま掲載しておくので,公開されるまでは想像をふくらませてほしい。
「見るからに魚竜種です。表面的には鉄鉱石が溶けたような外皮で,非常に堅いものになっています。ところどころにある赤い部分がアクセントということなんですけど,この状況※を見ればお分かりになるとおり,ここに出てくるモンスターです。従来のモンスターよりもかわいく仕上がっているモンスターで,私としても非常に気に入っています。詳細については,今後いろいろと分かってくると思います」 ※戦闘中の画面は,おそらく火山が舞台と思われる場所だった
続いて,来場者全員参加のタイムアタックイベントが実施された。これは,来場受付のさいにメンバー分けされたチームごとに,12分以内にショウグンキザミを倒すというもの。用意された武器は片手剣,ハンマー,大剣,ヘビィボウガンの4種類で,メンバーがそれぞれ違う武器を選ばなければならないという制限付き。1位から3位のチームには,終了後賞品が授与された。 ちなみにこのイベントの最中,MHFのキャンペーンを実施する協賛メーカーであるピザハットからピザが,江崎グリコからはアイスの差し入れがあった。
コンシューマゲーム機を含め,モンスターハンターシリーズは,ゲーム業界で最も活気のあるタイトルの一つといっていいだろう。今回のハンター懇親会を取材した限りにおいては,モンスターハンターシリーズのプレイヤーの多くがMHFにも興味を示し,そしてプレイする可能性を秘めていると感じた。また,イベントに参加した女性プレイヤーが多いのも印象的だった。 6月21日からオープンβテストが実施されることで,いままで自宅のPCでMHFをプレイできなかった人も,いよいよその世界を体験できる日がやってくる。第1回クローズドβテストで10万人規模の応募があった本作,いったいどれだけの人が集まるのか,オープンβテストの開始日に注目したい。(oNo)
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