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RWC2007日本代表ギルドの前に立ちはだかる,各国代表の動向をチェック
2007/07/05 23:07
 RWC2007 日本代表ギルドが6月24日に決定したことはすでにお伝えしているが,韓国で行われるRWC2007世界チャンピオン決定戦には,各国の予選を勝ち抜いた13の国/地域(日本含む)代表ギルドが集結する。だが,日本代表ギルドの対戦相手となる(かもしれない)他国ギルドの情報は,なかなか日本には入ってこない。そこで,各国パブリッシャの発表内容と,ガンホー・オンライン・エンターテイメントの提供情報を併せて,各国代表に関する情報を一度まとめておきたい。
 ガンホー・オンライン・エンターテイメントからの情報は,主に各国/各地域における「ラグナロクオンライン」(以下,RO)のサービス/プレイシーンにおいて,

普段から攻城戦(GvG)が行われているか 
日本のRJCに類するPvP大会が定期的に実施されているか

についてのものだ。PvPにおけるステータス値とスキルへの影響,相手の職業構成に合わせた装備品とカードの選び方などには,やはり経験がモノを言う。また,プレイヤーが本来の実力を発揮できるか否かは,オフライン競技イベントへの出場経験の多寡に左右されるだろう。
 現時点で,日本代表ギルドがどの国のギルドとぶつかるかは分からないが,各国のROプレイヤーがどれだけ場数を踏んでいるのか,知り得た限りの情報をお届けしよう。

■ロシア:RWC2007に近い条件での予選情報あり

●ROロシアサービスの公式サイト
●ロシアのRWC2007ページ

 ロシアではChaos,Loki,Irisの3ワールドから出場した,16ギルドによる予選トーナメントが行われた。6月16日にはRWCロシア代表を決める決勝戦が,モスクワ市内のネットカフェでオフラインイベントとして行われた。RWCロシア代表の座をめぐって争ったのは,Lokiワールド所属「The Ural's pel'menis」(ギルド名はRex Team)と,Chaoワールド所属の「WaterBall」(ギルド名はAqua Elementals)の2チームで,勝者となったのはThe Ural's pel'menisである。どうやら所属ギルド名とは別に,予選トーナメント出場の際に使うチーム名があるのがロシア流らしい。

 ROロシアサービスの公式サイトにある,RWC2007特設ページによれば,決勝戦の間は両チームとも勝利への強い意志と熱気が感じられ,ROファンが集まった会場は非常に盛り上がったとのこと。また,ロシア代表となったThe Ural's pel'menisを含む1位から4位までのチームメンバーには,賞品としてゲーム内アイテムやノベルティグッズ,1か月間の無料プレイなどが授与されたようである。
 同ページには予選トーナメントのスクリーンショットも掲載されており,これを見る限りロシアの予選トーナメントは,RWC2007 世界チャンピオン決定戦のルールに極めて近い条件で行われている。
 メンバー構成も,ハイプリースト,ハイウィザード,プロフェッサー,チャンピオン,クラウン,パラディンを核に,ジプシーやスナイパーあるいはアルケミストの姿がチェックでき,ランドプロテクター上からストームガストを撃ち合うスタイルは,日本での試合とほとんど変わらない
 わずか9点のスクリーンショットから断定するのは危険だが,アサシンクロスやチェイサーを使用している画像はとりあえずなく,また,ジプシーはマリオネットコントロールではなく,スタンスキル「スクリーム」のために起用されていると思われる。
 ロシアサービスの各ワールドでは毎週1回,攻城戦とゲーム内PvPイベントが行われているが,大規模なPvP大会については第1回大会を予定中という段階らしい。

■台湾/香港:RWC2004の強豪は今年も合宿を予定

●RO台湾/香港サービスの公式サイト
●台湾/香港の代表ギルド予測投票ページ ※アクセス制限あり

 3年前に開催されたRWC2004で,台湾/香港ギルドが圧倒的な強さでトーナメントを勝ち抜き,優勝と準優勝をさらっていったことを憶えている読者もいるであろう。もともとゲーム内でのPvPやGvGが,日本のROに比べるとはるかに活発といわれているだけあって,練習相手に事欠かない環境が明確な差として出たのか。RWC2004で日本代表ギルドが早々に敗退してしまったのは,実に残念だった。

 さて,今回もおそらく各国代表にとって強敵となるであろう台湾/香港ROの代表決定戦が,6月16日に台北の繁華街「士林」にあるネットカフェ「哈哈活力站」(Ha2)にて開催され,ギルド「黒色契約」が勝利した。公式サイトによれば黒色契約は慎重な戦い方で,相手ギルド「ShinKenSen」のメンバーを各個撃破していったとのこと。またRWC2007へ向けて,強化合宿も予定されているようだ。

■インドネシア:年1回のオフラインイベントが定例

●ROインドネシアサービスの公式サイト
●インドネシアのRWC2007特設ページ

 インドネシアでRWC出場ギルドが決まるのは6月30日のため,記事執筆時点で最新情報は掲載されていない。「Battle Field RWC 2007」というページでは,RWC特設ワールドでの買い物方法や,ステータスリセットのNPC,試合場までの行き方を解説しているのだが,ここで確認できる試合会場の画像は,国内予選で使われたものとは大きく異なり,高低差と障害物の多いマップだ。

 各ワールドでの攻城戦は週2回実施され,PvP大会についてはRJCの内容にごく近いオフラインイベント「RIC」が,年1回開催されているとのこと。

■ヨーロッパ:ドイツ代表はスナイパーを活用?

●ROヨーロッパサービスの公式サイト

 ヨーロッパでは予選として「euRO-Tournament」が開催され,6月16日の時点で代表ギルドは「The Rock 'n Roll」に決定している。公式サイトにあまり詳しいことは記載されていないのだが,ガンホー・オンライン・エンターテイメントの情報によると,The Rock 'n Rollはドイツ出身のギルドのようだ。また,フランスからは出場ギルドはないものの,RWC2007へは観戦のみの参加が予定されている。

 The Rock 'n Rollのメンバー構成はハイプリースト,ハイウィザード,クラウン,プロフェッサー,パラディン,チャンピオン,そしてスナイパー。RWC2007ではスナイパーを起用するギルドも多少見られたものの,どこもその力を生かしきれずに敗退している。The Rock 'n Rollが,このメンバー構成でいかに勝利したのかが気になるところだ。もちろん世界チャンピオン決定戦で,同じ戦術をとるとは限らないわけだが。
 準優勝ギルド「Alice」ではスナイパーの代わりにアサシンクロスの姿が見られ,3位の「Orenda」はロードナイトを採用するという,日本のギルドとほぼ変わらない構成であった。

 公式サイトの該当ページでは,euRO-Tournament予選からファイナルまで,すべての試合の動画をダウンロードできる。海外プレイヤーの戦術とプレイヤースキルが気になる読者は要チェックだ。いくつかのギルドは,RWC日本代表決定戦に勝ち進んだギルドとよく似た戦術をとるなど,興味深い試合内容が見られる。
 また,ドイツに関してのみの情報ではあるが,攻城戦は週2回実施されているという。

■タイ:GvGイベントの人気が高い国?

●ROタイサービス公式サイト
●タイのRTC&RWC2007ページ

 タイのROでは年2回,上半期と下半期にそれぞれ「RTC Grand Tournament 1st」「同 2nd」という名前のPvPイベントが実施され,今年の上半期は「HajimetE」(初めて?)というギルドが優勝している。
ただし,公式サイトには英語ページが用意されていないため,二つのPvPイベントの結果,どのギルドがRWC2007 世界チャンピオン決定戦に出場することになったのかといった,詳細を見つけることはできなかった。

 なお公式サイトには,コミュニティ関連のコンテンツとして,「Guild Ranking」のページが設置され,上位45ギルドのギルド名一覧が表示されている。ギルド名をクリックすると「aldeg_cas04」「prtg_cas05」といった砦マップ名が出るところを見ると,これは攻城戦の結果を基にしたランキングのようだ。ギルド間の優劣がはっきり見えるランキング制度を採用していることから,タイROにおけるGvGおよびPvPイベントはかなり人気が高く,プレイヤー達も対人プレイの経験は豊富と想定すべきだろう。

■アメリカ:マイキャラで予選を戦う独自の大会を実施

●ROアメリカサービス公式サイト
●アメリカのUSRC&RWC2007ページ

 アメリカのROサービスでは,「United States Ragnarok Online Championship」(USRC)を毎年1回オンラインイベントとして開催しており,今年はRWC2007国内予選を兼ねた大会が6月上旬に行われている。ただし,USRCのルールはRWCともRJCのそれとも大きく違っており,非常にユニークな内容だ。
 USRCではまず「Chaos」「Loki」「Iris」「Sakray」のワールドごとで「Same Server Battles」を行うのだが,大会用専用キャラクターではなく,プレイヤーが普段育てているキャラクターを使用。全メンバーが上位二次職のみか,逆に上位二次職未満のみで構成されていなければならず,この場合テコンキッド系統やガンスリンガー,忍者といった新職業に関しては,レベル95以上の場合のみ,上位二次職相当と見なされる。
 トーナメントは上位二次職ギルド同士,それ未満のギルド同士で別々にマッチングされ,各ワールドに上位二次職のチャンピオンギルドと,それ未満のチャンピオンギルドが,それぞれ誕生する。

 このあと,八つのギルドがRWC代表の座をめぐって「Cross Server Battles」を展開。ここで初めて特設ワールドにおける専用キャラクターの使用,上位二次職のみの参加,各クラスのレベル上限といったRWC2007に通じる条件が採用されている。
 なお,優勝はLokiワールド出身の「Zerg Rush」,準優勝がChaosサーバ出身の「Denuo Covena」だ。こちらもヨーロッパ同様に予選から決勝まで,すべての試合の動画が配信されている。
 Zerg RushとDenuo Covenaの決勝戦を見ると,互いのランドプロテクターの間にハイウィザードが「アイスウォール」を張って敵の侵入を阻止。さらに自軍ランドプロテクターの周囲には,ハイディングから阿修羅覇凰拳を繰り出すチャンピオン対策なのか,「ファイアーピラー」を複数設置していた。
 また,クリエイターのアシッドデモンストレーションが最大火力を発揮し,RJC2006の各試合によく似た展開となっていることなどが見て取れる。キャラクターの凍結がほぼないことから,USRCの決勝トーナメントでは「マルクカード」の使用が禁止されていなかったものと思われる。

 ちなみに上位二次職未満のギルドのトーナメントは,1ギルド10名の枠にハンターやブラックスミスも参戦し,こちらはRWC2004とよく似た条件のようである。RWC2007を戦う参考にはまったくならないが,なかなか面白い内容なので,興味のある人はぜひご覧いただきたい。

■フィリピン:攻城戦イベントは不定期に開催

●ROフィリピンサービスの公式サイト

 代表ギルドを決める決勝トーナメントには,各ワールドの代表ギルドに,フィリピンのPvPイベント「RPC2006」の優勝ギルドを加えた全8ギルドが出場。頂点に立ったのはギルド「Armada」である。試合の詳細やスクリーンショットなどは記載されていないものの,公式サイトの該当ページで,Urdrワールド代表を決めるブロック決勝の動画が見られる。あまり画質はよくないのだが,クラウンが一人で相手ギルドの背後に回り込んだり,アルケミストがアシッドデモンストレーションを繰り出すといった戦い方が確認できるだろう。
 なおフィリピンでは,攻城戦はイベントとして不定期に実施されるものとなっている。


 以上,分かる範囲で海外におけるRWC2007への取り組み具合を見てきたが,言語の問題もあって十分に調べられたとは言いがたい。例えばベトナムについては,5月31日に予選で代表ギルドが決まったこと,サービスにおいては攻城戦がイベントとして不定期で開催されていること,また公式サイトRWC2007特設ページの所在は分かるものの,筆者には歯が立たなかった。続きはぜひ,この記事を読んだ,それぞれのサービス地域の言語に堪能な人にお任せしたい。日本におけるROプレイヤーの層の厚さを生かして,日本代表ギルドにより多くの情報を提供できるなら,それが理想的な支援といえるだろう。また,これを機会にサービス地域ごとのROの違いを見ていくだけでも,十分に楽しいので,ぜひ。(ライター:麻生ちはや)


ラグナロクオンライン
■開発元:Gravity
■発売元:ガンホー・オンライン・エンターテイメント
■発売日:2002/12/01
■価格:プレイ料金:1500円/月(税込)
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2007.07/20070705230745detail.html