マリオネットコントロール禁止の影響は? RWC2007日本代表ギルド「punch」の,作戦会議の模様をレポート
7月7日の7:00PMから9:00PMまでの時間,「Ragnarok World Championship 2007」(以下,RWC2007)特設ワールドにおいて,“RWC2007作戦会議”が行われた。 これは,すでにRWC2007公式サイトで発表されている「RWC特殊ルール」や,新たに追加された「禁止事項」といった事柄を,日本代表ギルド「punch」のメンバーへあらためて説明しつつ,質疑応答なども行う場として設けられたものだ。
ガンホー・オンライン・エンターテイメントから出席したのは,RWC2007 日本代表ギルド決定戦でも進行役を務めた「逆毛ヘアスタイル」のGM,同社第一開発部 三課 君島啓悟氏,チェイサーキャラクターにヴェールとスクラッチマスクを装着した第二開発部 第一課課長 ラグナロクオンライン制作責任者 廣瀬高志氏,ウィザードキャラクターの同課所属 野呂 彰氏の3名である。
スタート時間の7:00PMぴったりに,7名のメンバー全員が揃ったギルド「punch」と,作戦会議に出席した廣瀬氏,野呂氏,君島氏。なお,中央でポリン帽をかぶっているチェイサーは,筆者の取材用キャラクターだ
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まずpunchのメンバーに伝えられたのは,ジプシーのスキル「マリオネットコントロール」の使用禁止についてだ。これは予選がスタートした時点で,ガンホー・オンライン・エンターテイメントからGravityに対して確認作業が行われていたのだが,Gravityからの回答が遅れた結果,予選トーナメント/決勝リーグでは確定事項が開示されないまま,試合が進んでいった。 マリオネットコントロールを効果的に駆使し,決勝リーグを勝ち抜いた代表ギルドpunchのメンバーだが,「禁止になる可能性には気づいていた」「残念がってもいませんし,問題ありません」と,余裕の回答を見せていたので,この点は安心できそうだ。 そのほか,RWC2007 世界チャンピオン決定戦で使用されるクライアントが英語版であること,試合中のオープンチャット発言は失格になること,キーボードとマウスの持ち込みは不可といった,細々とした諸注意がGMから伝えられた。 なお,NPC販売アイテム名の英語表記については,RWC2007公式サイトに,日本語との対比一覧が掲載されているので,興味のある人はそちらをチェックしてほしい。
ちなみにボイスチャットの利用については,各国からの要望が多いため,現在Gravityが検討中とのこと。ただしこれも現時点では未定であり,確定事項の開示は大会直前になってしまう可能性もある。 スクリーンや実際に操作するPCの位置,ギルドメンバーが座る座席配置なども,事前には一切分からないので,ボイスチャットが使えない状況を前提とし,「会場がうるさくて声が通らないかもしれない」「司令塔をどこに座らせるかといった配慮も必要になるのでは?」といった意見交換が,punchメンバーの間でも盛んに行われていた。
その後punchからは,韓国におけるシーズモード(攻城戦モード)の物理ダメージ計算が日本と違うのではないか,チェイサーが使える「クローンスキル」(最後に受けたスキルをコピーするスキル)は1試合ごとにリセットされてしまうのか,といった質問が飛び出した。ガンホーによると,チェイサーのクローンスキルで覚えたものはリセットされず,次の試合に持ち越せるようだが,対人戦におけるダメージ値の違いなどは,再度Gravityへ問い合わせるということで,即答はされなかった。 さらに,相手ギルドに合わせたメンバー構成のパターン,ステータス値の割り振り,具体的な戦術などについても話し合われたが,この点に関しては,残念ながら今はお伝えできない。RWC2007 世界チャンピオン決定戦の模様はしっかりレポートする予定なので,そちらをお楽しみに。
■punch ミニインタビュー
4Gamer: punchの皆さんとお会いするのは,決勝リーグ以来ですね。RWC特設ワールドは7月3日から再オープンされていますが,ほかのギルドとの練習は何度かこなせましたか?
punch: いえ,まだ一度もやっていません。
4Gamer: え,一度もですか?
punch: 本当に0回です。PvP自体は,代表ギルドに選ばれてから10回程度こなしていますが,きちんとした練習試合は,まだ1回もできていません。
4Gamer: それは困りましたね……。7月14日から16日までの3日間は強化合宿ということで,決勝リーグ進出ギルドおよびpunchからの指名ギルドが胸を貸す予定になっていますが,すでに対戦相手をしたいという申し出などは,どこかのギルドからありましたか?
punch: RufPrismの皆さんが,合宿中に対戦相手になってくれるようです。
4Gamer: それはRufPrismのほうから,直接連絡があったのでしょうか?
punch: はい,そうです。直接連絡をいただきました。
4Gamer: おお,それはありがたいですねぇ。ちなみに,RufPrism以外のギルドで練習試合をしてみたいギルドを挙げるとしたら?
punch: Team DTですね。Tema DTはチェイサーを採用したメンバー構成で,我々のマリオネットコントロール構成と同じぐらいの強さでしたから,ぜひ相手になってほしいです。
4Gamer: ところで,RWC2007 世界チャンピオン決定戦でのマリオネットコントロール使用禁止が,正式に発表されました。日本代表ギルド決勝リーグの優勝インタビューでも同じことを伺いましたが,マリオネットコントロールなしでも勝つ自信は,今も変わらずありますか?
punch: もちろん,ありますよ。
4Gamer: ……即答してくれたのはお一人だけですが,大丈夫ですか(笑)。
punch: みんな照れ屋なので(笑)。
4Gamer: ちなみに4Gamerでは,日本以外の出場国についての記事を掲載したのですが,そちらはチェックされましたか? 国によっては動画を配信していたり,スクリーンショットが掲載されているので,かなり参考になるのでは,と思っているのですが。
punch: はい,記事には目を通しました。でも動画はまだ見ていません(編注:まさに今,予選の動画をダウンロード中というメンバーもいた)。
4Gamer: 国によって予選ルールが異なるので,あまりその情報に依存するわけにもいかないでしょうが,なかにはファイアーピラーを防衛目的で設置するなど,大変ユニークな戦術も見られました。
punch: ファイアーピラーの有効性は正直疑問ですね。アイスウォールを張って距離を置く戦術もあったようですが,RWC2007 世界チャンピオン決定戦では,アイスウォール自体が使えませんし。
4Gamer: 逆に,RWC2007のルールとかけ離れた状況で予選を勝ち抜いた国には,余裕で勝てるかもしれませんね!
punch: そうですね!
4Gamer: RWC2007の出場国で,とくに気になっている国はありますか?
punch: 台湾かな(編注:ほかのメンバーも,おおむね台湾に注目していた様子)。
4Gamer: やはり台湾ですか。RWC2004の優勝,準優勝国ですしね。今回,台湾のRO公式サイトではだいぶ情報の露出が抑えられていますし,対戦画像なども一切出されていませんね。代表チームは強化合宿もしているようですよ。
punch: 今回も優勝する気まんまん,ということですね。厳戒態勢だなあ。
4Gamer: RWC2007では英語版クライアントでプレイすることになるので,スキル名,NPCの話すテキスト,アイテム/カード名などもすべて英語になります。いつもと異なる環境でプレイすることへの不安はありますか?
punch: 英語が得意なギルドメンバーに任せます(編注:明日からローマ字チャットで練習するというメンバーも)。
4Gamer: それでは時間も時間ですし,最後にRWC2007への意気込みを,あらためてお願いします。
punch: どこの国がどんな構成できても,全力で倒します!
7月7日の時点で,韓国行きまであと13日というタイミングでありながら,決勝リーグ進出ギルドとの練習試合が,まだ一度も成立していないというのは若干不安である。しかし,7月14日から16日までの期間で行われる強化合宿では,punchに勝つたびにゲーム内のレアアイテム「古いカード帖」がもらえるというメリットがあるので,練習相手に名乗り出るギルドも増えると予想される。 決勝リーグ進出ギルドは,punchの弱点を容赦なくさらけ出すつもりで,対するpunchは代表ギルドの名に恥じぬよう,古いカード帖は一つも渡さない覚悟で,3日間の集中特訓に励んでみるといいのではないだろうか。(ライター:麻生ちはや)
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