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連載「PCゲームを持ち出そう!」。第6回はNDS用ミリタリーアクション「Brothers in Arms DS」を紹介
2007/08/15 18:27
 PCゲームと関連のあるNintendo DS/PlayStation Portable用タイトルを紹介していく連載「PCゲームを持ち出そう!」。6回めとなる今回紹介するのは,Nintendo DS(以下,NDS)用ミリタリーアクション「Brothers in Arms DS」(以下,BIA DS)だ。

■PC版Brothers in Armsシリーズは
■史実の再現にこだわった本格派


※画面写真は,PC版「ブラザーインアームズ 〜ROAD TO HILL 30〜 日本語版」のものです
 BIA DSは,PCで発売された第二次世界大戦FPSの人気作,Brothers in Arms(以下,BIA)シリーズをNDS用にアレンジしたゲーム。BIA DSに施されている大胆なアレンジについては後ほど詳しく説明するとして,まずは同シリーズについて簡単に紹介しよう。
 PC版BIAシリーズはスクワッドベースのFPSで,第二次世界大戦の史実を忠実に再現することにこだわった作品。第1作「Road to Hill 30」ではマット・ベイカー軍曹,第2作「Earned in Blood」ではジョー・ハートソック伍長という実在した兵士を主人公に,ノルマンディー上陸作戦を異なる視点から描くのだ。

 日本国内では同シリーズの第1作が,「Best Selection of GAMES ブラザーインアームズ 〜ROAD TO HILL 30〜 日本語版」としてイーフロンティアから販売されている。この作品の詳細を知りたい人は,以前掲載したレビュー記事を参考にしてみよう。

 なお今回紹介するBIA DSは,これまで紹介してきたタイトルと同じく,日本国内では正規に販売されていない。そのため本作を入手するには,海外ゲームを取り扱う販売店で並行輸入品を購入する必要がある。
 なお,編集部で試した限りでは国内版のNDSでも動作した。とはいえ,4Gamer編集部や任天堂では国内版NDSでの動作を保証しかねるので,あらかじめご了承を。また,本作は英語版のソフトであり,ゲーム画面や各種メッセージ,マニュアルなどはすべて英語なので,注意してほしい。

■BIA DSでは三人称視点のゲーム画面を採用
■タッチペンでの操作は,難点もあるがなかなか快適


 BIA DSとPC版BIAシリーズとの最大の違いは,BIA DSのゲーム画面が三人称視点で描かれる点。FPSに馴染みがない人の中には,一人称視点のゲーム画面が苦手という人が多いように思える。BIA DSに三人称視点のゲーム画面を採用したのは,比較的カジュアルなゲーマーが多い,NDSのユーザー層を考慮したことによるものかもしれない。
 グラフィックスのクオリティは,NDS用ゲームとしてはかなり高いといえるだろう。瓦礫の山と化した市街地や夕日に染まる大地,雪に覆われた戦場などがなかなかよく描かれており,NDSでもここまでできるのかと感心させられた。



 次に,BIA DSのインタフェースについて見てみよう。BIA DSでは,上画面にゲーム画面が表示され,下画面(タッチスクリーン)で視点移動や武器の切り替え,手榴弾の投てきといった操作を行う方式が採用されている。
 タッチペンでの視点移動は,マウスでの操作に近い感覚で行える。タッチペンをタッチスクリーンに押し当てた状態で動かすと,その方向と速さに応じてゲーム画面が動くのだ。
 このような操作方式が採用されている都合上,スクリーンショットを見ると分かるように,下画面には必要以上の情報は表示されておらず,シンプルにまとまっている。

 本体の左側にある十字キーで前後左右への移動,Lボタンで射撃を行い,本体右側にあるA/B/X/YボタンとRボタンは基本的に使用しない。これはプレイ中,常に右手でペンを持つことになるためだ。ちなみに,左利きの人向けに,本体右側のA/B/X/Yボタンで移動,Rボタンで射撃を行う設定も用意されている。

 マウスでの視点移動に慣れたPCゲーマーには,タッチペンによる視点移動と聞くと違和感を覚える人もいるかもしれないが,微妙な調整も感覚的に行え,なかなか快適な印象だ。
 当連載の第3回でPlayStation Portable版「Tom Clancy's Rainbow Six Vegas」を取り上げたが,PSP本体右側にある△○×□ボタンでの視点移動と比べると,操作性はずっと高いといえるだろう。
 ただ,残念な点もある。後ろから攻撃を受けたときに振り向くために,タッチペンで右から左(または左から右)にドラッグする操作を,2〜3回繰り返す必要があるのだ。タッチペンでドラッグした長さに対する視点の移動量,つまり「センシティビティ」を調整可能にするか,ドラッグする長さが長くなるほど視点の移動量が増えるようにするなどのオプションがあればよかったのではないかと思う。

 またゲームの性質上,プレイ中はほとんど常にタッチペンを下画面に当て,ドラッグし続ける状態となる。電車の中などで立ってプレイしたとき,左手で移動と射撃の操作を行いつつ本体を支えるのは,ややしんどく感じられた。

■アクションゲームとしての「気軽さ」を追求

 BIA DSには,PC版BIAシリーズで重視されていたストーリー性はあまりないといっていい。
 本作には,「NORMANDY」「TUNIS」「ARDENNES」の三つのキャンペーンが用意されており,それぞれのキャンペーンは3〜6のミッションで構成されている。各ミッションのボリュームはさほど大きくないので,数時間ほどでコンプリートできるだろう。とはいえ,各ミッションをクリアすると,そのミッションでより高い難度を選択可能となるので,その気になれば繰り返し挑戦できるわけだ。

 BIA DSはPC版BIAシリーズと異なり,スクワッドベースのアクションゲームではないので,仲間の兵士は登場するものの,状況に応じて彼らに指示を出すといった要素は一切ない。
 また次に向かうべき場所や,攻撃すべき標的などは常にマークで示されるので,ほとんど悩まずに進めていける。
 チェックポイントに到達すると自動的にセーブされ,倒されると最後のチェックポイントから再開できる仕組みとなっており,チェックポイント同士も離れていないので,アクションゲームが苦手な人でも楽しめるだろう。



■BIA DSの「再現度」は?

 今回紹介したBIA DSの再現度は,10%とする。再現度が低いのは,これまで述べてきたように,「Brothers in Arms」の名を冠してはいるものの,第二次世界大戦を題材とするミリタリーアクションであるという点以外は,ほぼすべてがNDS向けに作り直されているといってもいいほど,大幅にアレンジされているからだ。

 NDS用ゲームには珍しい,ミリタリーアクションをプレイしてみたいという人は,購入を検討してはいかがだろうか。(山)

Brothers in Arms DS

再現度:10%

「再現度」とは……紹介するNintendo DS/PSP用ゲームが,ベースとするPCゲームをいかに忠実に再現したものであるかを独断で判定したもの。この数字が100%であれば,PC版となんら変わらない完璧な移植であることを意味し,逆に0%であれば,PC版との共通点が一切見出せないほど異なるゲームにアレンジされていることを意味している。そのゲームの面白さ,ゲームとしての出来を示すものではないので注意してほしい。

対応機種:Nintendo DS
メーカー:Ubisoft Entertainment
発売日:2007年6月21日
価格:29.99ドル
公式サイト:http://brothersinarmsgame.us.ubi.com/ds/

(C)2007 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Brothers In Arms is a registered trademark of Gearbox Software and used under license. Ubisoft, Ubi.com, and the Ubisoft logo are trademarks of Ubisoft Entertainment in the U.S. and/or other countries. Gearbox Software and the Gearbox logo are registered trademarks of Gearbox Software, LLC. TM,(R)and Nintendo DS are trademarks of Nintendo.(C)2004 Nintendo.


連載:PCゲームを持ち出そう!
■開発元:N/A
■発売元:N/A
■発売日:2007/07/04
■価格:N/A

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2007.08/20070815182712detail.html