PCゲームと関連のあるNintendo DS/PlayStation Portable用タイトルを紹介していく連載「PCゲームを持ち出そう!」。7回めとなる今回紹介するのは,テニスゲーム「Virtua Tennis 3」のPlayStation Portable(以下,PSP)版だ。
■人気テニスゲームシリーズの最新作
Virtua Tennis 3は,実在のプロテニス選手が登場するテニスゲームの人気シリーズ最新作。……と聞いてもピンと来ない人もいるかもしれないが,そもそもVirtua Tennisというのは,日本で多くのファンに支持されている「パワースマッシュ」の海外でのタイトルなのだ。 日本国内では,シリーズ最新作「Power Smash 3」のアーケード版が2006年に登場したのに続き,2007年3月にプレイステーション 3版が発売されている。 一方海外では,Virtua Tennis 3として,PlayStation 3,Xbox 360,PSPそしてPC用に発売されている。
……というわけでPSP版Virtua Tennis 3は,これまでの回で紹介してきたタイトルと異なり,もともとPC版があって,それを移植/リメイクした作品というわけではないが,PC版Virtua Tennis 3と比較しつつ,話を進めていきたい。
プレイステーション 3版Power Smash 3については,4Gamerの連載記事「極私的コンシューマゲームセレクション」の第8回で取り上げている。PC版のゲーム内容もほぼ同様なので,ぜひ参考にしてほしい。
なお,Virtua Tennis 3のPSP版やPC版は日本国内では正規に販売されていないため,入手するには,「game4you.jp」などの海外ゲームを取り扱う販売店で並行輸入品を購入する必要がある。 編集部で試した限りでは,PSP版Virtua Tennis 3は国内版のPSPでも動作したが,4Gamer編集部やソニー・コンピュータ・エンターテイメントでは国内版PSPでの動作を保証しかねるので,あらかじめご了承を。また本作は英語版のソフトであり,ゲーム画面や各種メッセージ,マニュアルなどはすべて英語なので,注意してほしい。
■不満点はいくつかあるものの, ■全体としての再現性はかなり高い
Virtua Tennisシリーズがどのようなゲームかを知らない人のために簡単に説明しよう。Virtua Tennisは,シンプルな操作でテニスというスポーツの楽しさ,爽快さを味わえるということから高い人気を獲得した作品だ。 ゲームの核となる「World Tour」モードでは,プレイヤーが一人のテニス選手となり,世界中を転戦しつつ世界ランク1位を目指す。作成した直後のキャラクターはひ弱で,テニス選手としては半人前以下。さまざまなミニゲームを行うことで,キャラクターを成長させていくのだ。 サーブを打ってボウリングのピンを倒す,「PIN CRUSHER」などのミニゲームが世界各地に用意されており,その種類によって,フットワーク,サーブ,ボレーなどの異なるスキルを伸ばせる仕組み。 トーナメントに参加して勝利を収めるとランクが上がるので,キャラクターを鍛えつつ,より難度の高いトーナメントに挑むという流れとなる。
Virtua Tennis 3のPSP版とPC版を比較すると,ゲームに登場する実在のテニス選手(男子13人,女子7人)や収録されているミニゲームの数は同じ(計12種類)で,インタフェースもほぼ同様となっており,大きな違いはない。 Virtua Tennisシリーズといえば,ゲーム画面の美しさがウリの一つとなっているが,PSP版のグラフィックスもかなり良好で,シリーズの特徴をしっかりと受け継いでいるといえるだろう。
PSP版をプレイしていて気になったのは,登場するテニス選手のキャラクターモデル。選手によってキャラクターモデルの出来がまちまちで,中には「これがあの選手?」と首を傾げたくなるようなものもある。PC版では全体になかなかよく再現されているだけに残念だし,PSP版でももう少し似せてほしかったと思う。
■「Player Cam」はどこへ?
そのほかに気づいたPSP版とPC版の違いを紹介しよう。 PC版ではプレイヤーキャラクターの作成時に,目,鼻,口の形状を調整できるのに対し,PSP版では行えない(マニュアルには,「目,鼻,口の形状を選べる」と書かれているのだが)。 またPC版では,素晴らしいショットを決めると自動的にリプレイが表示されるが,PSP版ではこの機能が割愛されている。PSP版の前作「Power Smash New generation」はこの機能を備えており,今回あえてカットされたことになる。試合前のロード時間を短縮するための措置なのかもしれない。実際のところ,前作を遊んでいた頃,リプレイが流れた瞬間にボタンを押してスキップすることがほとんどだったが,完全にないのはさびしい気がする。
PSP版とPC版との違いではないが,一つ気になった点を指摘しておこう。 ドリームキャスト時代からのパワースマッシュファンである筆者は,選手の背後からの視点で画面を描画するモードを好んでいる。PSP版Virtua Tennis 3でも当然それが行えるものと思っていた(Power Smash New generationにはそのモードが用意されている)のだが,残念ながら実装されていなかった。 PSP版のマニュアルには「Player Cam」として紹介されており,SELECTボタンを押すことで,デフォルトの「Court Cam」と切り替えられると説明されているのだが,SELECTボタンを押しても画面には一切変化がない。 ちなみに,PC版のマニュアルにもPlayer Camへの切り替え方法が記載されているが,そのとおりに操作しても画面を切り替えられないようだ。
■PSP版Virtua Tennis 3の「再現度」は?
今回紹介したPSP版Virtua Tennis 3の再現度は,70%とする。もう少し高い数字でもよかったのだが,キャラクターモデルの再現度を考慮し,70%に留めることとした。 ともあれ,Virtua Tennisの魅力であるシンプルな操作性と,気持ちの良いプレイ感は,PSP版Virtua Tennis 3で非常によく再現されている。上でいろいろと不満を述べたが,それほど重要なものではなく,「やや気になった」というレベルのものだ。
プロも真っ青なスーパープレイを繰り出し,いつもはテレビでその活躍を見ている選手達を手玉に取ったときの快感は,一度味わうとやみつきになること請け合い。PSPを持っている人で,パワースマッシュシリーズや本物のテニスのファン,またはスポーツゲームが好きな人は,購入を検討してみてはいかがだろうか。(山)
Virtua Tennis 3
再現度:70%
「再現度」とは……紹介するNintendo DS/PSP用ゲームが,ベースとするPCゲームをいかに忠実に再現したものであるかを独断で判定したもの。この数字が100%であれば,PC版となんら変わらない完璧な移植であることを意味し,逆に0%であれば,PC版との共通点が一切見出せないほど異なるゲームにアレンジされていることを意味している。そのゲームの面白さ,ゲームとしての出来を示すものではないので注意してほしい。
対応機種:PlayStation Portable メーカー:Sega of America 発売日:2007年3月26日 価格:29.99ドル 公式サイト:http://www.virtuatennis.net/
「game4you.jp」で購入する
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