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[GC 2007#051]政府公認の人間狩りが行われている世界で生き延びるFPS「The Hunt」
2007/08/25 15:30
 ロシアのパブリッシャBuka Entertainmentが2007年8月に発表した「The Hunt」は,2015年というちょっと未来が舞台のFPSだ。いまから8年後というと,たいして変わっていないような気もするが,本作では,ありえないほど秩序が失われてしまっており,なんとか平和を維持しようとした政府が人間の体に発信機を埋め込み,どこに誰がいるのかを分かるようにしたという,あまり想像したくない世界になっている。これだけならまだしも,政府に選ばれた一部の人は「The Beaters」と呼ばれる集団に命を狙われるようになり,その様子がテレビで中継されるというおまけつきだ。そしてプレイヤーが操作するのは,狩る側の人間ではなく,逃げる側の不幸な男のほうなのである。というわけで,なんとか生き延びるために逃げ惑うという,微妙にストレスが溜まりそうな設定になっている。



左からBuka Entertainment Yuriy Maslikov氏,Svetlana Ladoshkina氏
 主人公は特殊部隊の隊員でもなく,何か特別な能力を持っているわけでもない“ただの人”。おせじにも強いと呼べる存在ではない。そんな主人公なだけに,基本的には隠れながら,逃げながらの行動になる。派手な立ち回りをすると敵を集めてしまうので,攻撃方法も後ろからナイフで刺すなど,かなり地味なものになる。Orion Gamesのオリジナルエンジンの効果で,敵は主人公が出す音や,影の動きなどにも反応するため,クリアするにはかなり頭を使うことになりそうだ。また,AGEIA PhysXテクノロジーをサポートし,ゲーム内に登場するほぼすべてのオブジェクトが破壊できるだけでなく,床を破壊したときに出た石などを武器として使うことも可能だ。
 鬱憤が溜まりそうなシングルモードだけでなく,マルチプレイも用意されており,デスマッチなどを楽しめる。正直,みんなで後ろをとりあうのも,非常に後ろ向きだなぁと思っていたが,このゲームに合ったマルチプレイモードの実装を考えているそうだ。いったいどんなモードになるのだろうか。いまから楽しみである。

 なお,本作の発売予定時期は2008年第1四半期。延期の多いロシアの開発会社がこの8月に発表したばかりの作品を,次の年の春までに発売するとは思えないが,そんな後ろ向きなことは考えずに,ここは素直な気持ちで発売を待とう。(noguchi)




The Hunt
■開発元:Orion Games
■発売元:Buka Entertainment
■発売日:2008年内
■価格:N/A

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http://www.4gamer.net/news/history/2007.08/20070825153049detail.html