MMORPG「EVE Online」の開発と運用に本物の経済学者が参加
CCP Gamesは,SF MMORPG「EVE Online」の開発/運用に,本物の経済学者を参加させると発表した。 EVE Onlineは,一つのワールド(サーバー)で世界中の人が遊べるようになっていて,現在では16万人以上の登録者がおり,多いときでは3万人もの同時接続者数を記録するというMMORPGだ。また,“AIを極力使わない”というコンセプトで開発されており,政治や経済のバランスが各プレイヤーの行動によって変化し,ゲーム内で流通している鉱石などの価格は,プレイヤー間の需要と供給のバランスによって決まっている。つまり,ゲーム内でうまく資産を運用すれば,一財産築くことも可能なわけだ。 そんな本作だからこそ,日銀が,いわゆる公定歩合を調節することで,通貨の流通バランスをとっていたのと同じように,ゲーム内の経済バランスを監視/調整する人というのが必要になってきたのだろう。
今回EVE Onlineに参加することが決定した経済学者は,アイスランドのアークレイリ大学の経営学部で学部長を務めていたEyjolfur Gudmundsson博士。博士は四半期ごとに,ゲーム内の経済トレンドなどをまとめたレポートを発表する予定だ。経済が重要なゲームなだけに,ゲーム内での行動指針として利用できるかもしれない。
本作では,ゲームの中で起きたことなどが書かれた雑誌も会員向けに出版されており,Corporation(ギルドのようなもの)がゲーム内通貨を使って広告を出せるなど,現実世界とシンクロしている側面がある。博士からどんなレポートが提出されるか楽しみに待ちつつ,まずは公式サイト内に博士のブログ(英語)を読んでおこう。本物の経済学者が書いているだけに,実生活で役立つ情報もあるかもしれない。(noguchi)
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