「Second Life」の世界からカジノが消える。Linden Labが方針変更
Linden Labは,同社が開発/運営する「Second Life」において,オンラインギャンブルや,それに類するサービスの提供を禁止すると発表した。今回の決定により,以下の二つの条件を満たしたゲーム類のサービスが禁止される。
・ランダムに生成される数字を予想する,または現実世界のスポーツイベントの結果を予想するといったタイプのゲーム
・リンデンドルまたは現実世界の通貨,あるいはそれに相当する価値を持つものを支払ってプレイするゲーム
アメリカでは,オンラインギャンブル禁止法(Unlawful Internet Gaming Enforcement Act)が,米国議会上院で2006年9月29日に可決された後,同年10月13日にブッシュ大統領が署名したことによって成立。このことにより,複数のオンラインカジノ運営会社が,アメリカ市場から撤退している。 また2007年4月には,FBI(アメリカ連邦捜査局)がSecond Life上のオンラインカジノを調査したともいわれており,Linden Labは同月,Second Life上でカジノの広告を打つ行為を禁止するなど,対応を進めてきた。
発表文の中で同社は,ギャンブルに関する各国の規制はさまざまで,相反する内容が含まれているため,Second Lifeでのオンラインギャンブルを排除することに決めたと述べている。 また同社は,オンラインギャンブルのサービスを行わないと表明するとともに,アメリカ以外に居住する人に対しても,何らかのサービスを提供するにせよ,あるいはサービスを受けるにせよ,オンラインギャンブルに関する連邦法を遵守するよう求めている。 「Second Lifeの世界には国境はない」などといわれるが,オンラインギャンブルに関し,同社が全プレイヤーに対し,アメリカにおける連邦法の遵守を求めている点は興味深い。Second Lifeは,ここ1年で急激に“登録者数”を伸ばしているが,それに伴って各種問題もどんどん増えて(もしくは表面化して)いる。まさに世界的に注目を集めている状況の中,今後さらに,いろいろな面での“縛り”がきつくなっていくのだろうか。また,より一層“アメリカ化”していくのだろうか。 ある意味で“無法地帯”的な側面も持っていたSecond Lifeの世界が,今後どのように変わっていくか,注目していきたい。(山)
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