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[G★2006#04]多彩な描画方法を持った韓国産3Dゲームエンジン「G-Blender」
2006/11/09 23:31
 Gibleは,「G-Blender」というゲームエンジンを作っている会社。前身のものを含め,約5年をかけて開発されたゲームエンジンは,2004年末に現在のバージョンが完成しており,その最大の特徴は,汎用の3Dゲームエンジンであることだ。現在,71メーカーが採用し,今年中に採用作品が5タイトル登場してくるという。搭載したゲームの一部を挙げると

「Red Blood Online」(アクションアドベンチャー)
「風流工作所」(MMORPG)
・「Astranger」(ダンスゲーム)
「R-MAN」(オンラインアクションRPG)
「Red Card」(サッカーゲーム)
・「Triple Club」(競馬ゲーム)
・「Enblic」(インラインスケートホッケーゲーム)
・「Pungiya」(アクションゲーム)

(画像上段左から)「Red Blood Online」「風流工作所」「Astranger」 (画像下段左から)「Red Card」「Enblic」「Pungiya」


 見てのとおり,MMORPG,アクションゲーム,競馬ゲームなど多岐にわたっている。いろいろなスタイルのゲームに使用されることを前提にエンジンが制作されているわけだ。
 機能的には,シェーダサポート,インドア/アウトドア向け編集ツール,キャラクターエディタ,パーティクルツールなどを含んでいる。
 画面を見ると,かなりバラエティに富んだ描画をこなしていることが分かるだろう。とくに「風流工作所」では,特徴的なトゥーンシェーディングを見せている。すでにトゥーンシェーディングを使ったゲームは数多くあれど,「セル画調」をかなりうまく再現していると感心していたのだが,それはG-Blenderによるものだったわけだ。G-Blenderの採用タイトルを見ても,トゥーンシェーディングを使った作品が数多く見受けられる。なにか工夫をしているのかと聞いてみたところ,トゥーンシェーディングにはこだわりがあるようで,数種類のアルゴリズムを用意して選択できるようになっているとのことだった。

G-Blenderのパフォーマンスを示すデモ


 ツールを主体とした構成となっており,アーティストレベルで扱え,すぐにゲーム内のイメージを確認できるようにしているという。とにかく「簡単で使いやすく」という部分に主眼を置いているようだ。ライセンス料を聞いてみると,1年間のサポートと1か月のプロトタイプ支援を含んで4000万ウォン(約500万円)と,比較的お安い。
 韓国内では,購入者に対し一定期間研修を行うほか,MSNメッセンジャーでのサポートも受け付けている。そういった面倒見の良さが評価されているようだ。日本でも大手ゲームメーカーに採用されたという。

 現在PC用は,DirectX 10対応版を開発中。また,PC以外への対応も進めており,Xbox 360用ミドルウェアを制作中。プレイステーション3用はライセンスがまだ取れないらしく,対応は来年以降になるようだが,予定はあるらしい。
 韓国は,“コンシューマゲーム文化のない国”と言ってよいだろうが,いわゆる次世代ゲーム機は,オンラインゲームも十分射程に入れた設計となっていることから,今後は韓国産のゲームが続々と乗り込んでくることも考えられる。そういった場合に,このゲームエンジンが多用されることになるのかもしれない。(aueki)


Red Blood Online
■開発元:Gorilla Banana Studio
■発売元:N/A
■発売日:N/A
■価格:N/A
風流工作所
■開発元:Cyniksoft
■発売元:N/A
■発売日:N/A
■価格:N/A
R-Man
■開発元:Cykan Entertainment
■発売元:サイカン
■発売日:N/A
■価格:N/A
→公式サイトは「こちら」
RED CARD
■開発元:N/A
■発売元:E-ZEN Entertainment
■発売日:N/A
■価格:N/A
→公式サイトは「こちら」

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http://www.4gamer.net/news/history/2006.11/20061109233121detail.html