ニュース
Razer,ゲーム用サウンド製品「Razer Barracuda」シリーズを発表
2006/03/15 12:21
 「Razer Diamondback」などで知られるゲーマー向け周辺機器メーカーのRazerが,サウンド製品シリーズ「Razer Barracuda Integrated Audio System」を発表した。
 「Razer Barracuda IAS」と略称される新シリーズは,自キャラと聞こえてくる音の位置関係を的確に表現する「Razer Enhanced Sonic Perception」と,X軸360度,Y軸360度の空間情報を再現する「Razer 3D(720°)Positional Gaming Audio Engine」という独自機能を搭載するとのこと。これらはもちろん,ゲーマーのための3Dサラウンドサウンド環境を構築するために開発されたという。正直,ニュースリリースは効用を強調するばかりで,詳細はさっぱり分からないのだが,Creative Technologyの「EAX」や,SRS Labs.の「SRS TruSurround」などといった,立体的な音空間を再現する技術を採用していると思われる。

 さて,そんなRazer Barracuda IASの第1弾製品は,サウンドカード「Razer Barracuda AC-1 Gaming Audio Card」(以下AC-1)とヘッドセット「Razer Barracuda HP-1 Gaming Headphones」(以下HP-1)の2製品。2006年3月14日時点では,RazerのWebサイトに,以下のような製品イメージが掲載されている。

Razer Barracuda AC-1 Gaming Audio CardとRazer Barracuda HP-1 Gaming Headphonesの製品イメージ


 現時点で,この2製品については「セットで用いるのが最良」とされているだけで,セット販売されるのかどうかは不明。製品名が異なるので,とりあえず別モノとして見ていくことにしよう。

■S/N比117dBを謳うAC-1
 まずサウンドカードのAC-1からだが,Webサイトやプレスリリースに書かれている情報を読む限り,アナログ7.1ch出力と光デジタル入出力が可能。大ざっぱにいうと,どれだけノイズが少なく,クリアな音を得られるかの指針となるS/N比(Signal to Noise Ratio)は117dBとなっている。この117dBという数字は,実はなかなかトンデモない値だ。スペックだけなら,Sound Blasterシリーズの最上位モデルである「Sound Blaster X-Fi Elite Pro」の116dBを凌駕しており,Razerが音質面に並々ならぬ気合いを入れていることがうかがえる(実際には,S/N比だけでは音質は語れないが)。

 サウンドチップは,Razerによれば「Razer Fidelity」を搭載するとのこと。ただ,さすがに100%自社開発とは考えにくい。現実的なところでは,VIA TechnologiesあるいはC-Media Electronics製チップそのままか,カスタム品ではなかろうか。
 いずれにせよ,ゲームに強いサウンドチップで知られるCreative Technologyは,伝統的に最新チップの外販を行わない。そのポリシーが変わっていない限り,Sound Blaster X-FiやSound Blaster Audigy 2などが採用するCreative Technology製サウンドチップを搭載している可能性は低そうだ。だとすると,果たして本当にゲームに向く,もっといえば,Sound Blaster X-Fiなどと張り合えるほど,ゲームにおいてパフォーマンスが良好なのかは,非常に気になるところである。

 なお,外部インタフェースは一見,光角形デジタル×2しかないような印象を受けるが,よく見ると影になっているところに,DVI端子風のコネクタが用意されている。アナログの(入)出力は,ここから専用の分岐ケーブルか何かで行うことになりそうだ。

■まだ仕様の見えないHP-1は高級志向
 続いてヘッドセット製品となるHP-1。実はこちらは,AC-1以上に詳細がよく分からなかったりする。そもそも,接続インタフェースが明らかになっていないから,AC-1とどうつながるのかすら分からない。インタフェースケーブルの途中にアンプを搭載するとのことなのだが,これが何を行うアンプなのかも,現時点では不明だ。
 可能性が高そうなのは,単純に7.1ch分のヘッドフォンアンプで,HP-1は実際にスピーカーユニットを左右4個ずつ搭載している,というものだ。また,アンプがデジタルストリームの7.1chデコードを行える場合,HP-1はいわゆるバーチャルヘッドフォンであるという可能性が出てくるだろう。

 明らかなのは,かなりの高級志向であること。イメージを見る限り,ヘッドフォン部分はかなりしっかりと作ってある印象を受ける。また,高級オーディオケーブルなどで採用する無酸素銅線を利用しているとのことで,やはり音質を重視した作りになっているようである。


 こんな状況なので,発売日や価格は当然のことながら未定。とはいえ,Razerには国内代理店が存在するから,そう遠くない将来に,国内でも何らかの発表があるのではなかろうか。4Gamerでは,何か分かり次第,続報としてお伝えしていく予定だ。(Jo_Kubota)

※2006年3月16日追記 製品イメージ画像を追加で入手したので掲載した。HP-1のアンプ形状が分かったが,仕様面はまだ不明だ

Razer
■開発元:Razer
■発売元:Razer
■発売日:-
■価格:製品による
→公式サイトは「こちら」
サウンドデバイス
■開発元:各社
■発売元:各社
■発売日:-
■価格:製品による
ヘッドセット
■開発元:各社
■発売元:各社
■発売日:-
■価格:製品による

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2006.03/20060315122135detail.html