― レビュー ―

ちょっとそこまで大航海 〜大航海時代 Onlineプレイレポート〜

 

 

連載第1回 軍人として生まれ,武装コグを入手すること

 連載2回めとなる今回は,前回予告した通り交易に関するレポートをお届けしよう。筆者のキャラクターは軍人系の"地方海賊"なので,会計や取引系スキルといった交易に有利に働くスキルは未習得なのだが,ある程度までなら何でもできてしまうのが「大航海時代 Online」のいいところ。軍人だって,コツさえつかめば交易でがっぽり儲けられるはずだ。
 とはいえ,筆者は積極的に交易を行ったことはほとんどなく,「とりあえず高い交易品をキープしておくか」などという軽い気持ちで交易に手を出し,大損をしたという苦い経験を持つ。

高価な交易品をテキトーに仕入れてはみたものの,どの町の交易所をのぞいても需要のないものばかりだった……

 そんなど素人が再びヘタに手を出せば"大後悔"必至だろう。というわけで,まずは本拠地セビリア周辺限定で,交易の基礎を学んでみることにした。


 しかし,セビリアに到着し,いざ交易品を買おうと思ったところで大変なことに気がついた。たび重なる散財で,所持金がかなーり心細い状態だったのである。そういえばセビリアへ向かう途中,初めての嵐に遭遇して船員が波にさらわれたり,高波で船が傷んだり,壊血病が発生したりと,災難続きで少なからぬ出費があったのだ。

嵐が発生すると,強風と高波で船のコントロールが極めて難しくなる。帆をたたまないと転覆のおそれがあるし,船員が波にさらわれることも 壊血病が発生し,またまた船員が犠牲に……。ライムジュースを使えば治療できるのだが,あいにく持ち合わせがなかった

 また,帆の塗装変更や新しい船首像,正装用の帽子の購入など,後先考えないショッピングを満喫したりもした。

帆塗料アイテムを使用することで帆の模様替えができる。船首像は船に特殊効果を付与し,帽子はキャラクターの正装度を上昇させる

そりゃ財布も軽くなるわけだ。
 とりあえず笑っておこう。

本作にはさまざまな特殊動作が用意されている。笑う,喜ぶ,怒る,座る,考えるなどなど多くのアクションが可能なので,ぜひ試してみよう

 気を取り直して交易スタート。まずはセビリアで,比較的手頃なワインを10個購入してみた。5個2セットのまとめ買いをしたので,1個あたり447D("D"=Ducatが,ゲーム内のお金の単位。)のワインが426Dで購入できた。どうやら交易品は,まとめ買いをすることで購入単価が安くなるらしい。

交易品によって,まとめ買いの個数や在庫は異なる。単価を抑えるためにできるだけまとめ買いするようにしたい

 所持金がやや心許ないので,とりあえずワイン10個だけでよしとし,さっそく出航。交易先は近場であるほうが都合が良く,なんとなく他国を相手にしたほうが儲けが出そうな気がしたので,ポルトガル領のファロに決めた。そしてファロの交易所でワインを売ってみると,なんと1個あたり550Dで買い取ってもらうことができた。利益にして1240Dである。

単価よりも高く売れる(利益が出る)物は,白地で表示される。わずかな儲けだが,大量に仕入れれば利益も増大する

 続いてファロの交易所で単価388Dの鶏肉5個を購入,セビリアの交易所で単価410Dで買い取りしてもらえたので,110Dの利益が得られた。ちなみに,セビリア〜ファロ間は,片道3日程度の航行距離がある。物資の補給で1往復当たり250D前後の費用で済むため,こんなお手軽な交易でも十分利益を出せるようだ。……正直,さほどおいしい交易とは言えないのだが。
 その後,セビリアでの仕入れはワインに固定し,購入量を20個前後に増やしてみた。ワイン交易はなかなか安定しているようなので,多少"大人買い"しても大損する危険性はないだろうと踏んだのだ。問題はファロでの仕入れだが,鶏肉,魚肉を仕入れれば,利は薄いが一応黒字になることは確認できた。
 武装コグでは大量の積み荷を運べないが,クエストの片手間にアルバイト感覚で交易を続けていれば,効率良くお金を稼げる。今後,セビリアから西に航路をとることがあったら,必ずワインを積んでいこうと決めた筆者であった。


 セビリア〜ファロ間交易で赤字が出なかったことに気を大きくした筆者は,セビリアワインの素晴らしさを広く伝えるために,新たな交易ルートの開拓を決意。ファロの北にあるポルトガルの本拠地,リスボンへと船を進めることにした。

ポルトガルの本拠地リスボンは,ヨーロッパの西端にある。セビリアを出たら陸を右手に見つつ,北西に進もう

 このとき船には,単価420Dで仕入れたワイン20個を積んでいたのだが,リスボンでの売り値は単価615D。3900Dの利益である。

たまたまだったのかもしれないが,ファロよりも高値でワインを買い取ってもらえた。足を伸ばした甲斐があったというものだ

 そしてリスボンでは単価148Dのアーモンド10個,単価502Dのハム5個を仕入れ,セビリアへ帰港。アーモンドは単価180Dで買い取ってもらえたが,ハムは単価470D。一つあたり32Dの赤字であった。

ハムの仕入れ数が5個だったから良かったものの,もしも大量購入していたら無視できない損失であった

 ちなみにセビリア〜リスボン間の航行時間は,筆者の武装コグで片道約5日間。補給物資にかかる費用はだいたい400D弱といったところだった。
 その後もセビリア〜ファロ〜リスボンを航路としてしばらく交易に勤しんでみたのだが,交易品を替えても,利益に大きな変動は出なかった。筆者の所持金が少ないため,大量の交易品を購入できないことと,仮に購入資金があったとしても,武装コグの船倉にはそれほど積み荷を収納できないことが,利益を大幅アップできない理由だろう。
 とはいえ,現状では小規模な交易で得られるわずかな利益でさえありがたい。しばらくはクエストと小規模交易,そして地方海賊ならではの(NPC相手の)略奪行為で,所持金を手堅く増やしていくのが得策だろう。その過程でより速く,より船倉の広い船を手に入れられれば,交易収入もみるみる増えていくはずだ。

これが今回の交易レポート直後の,筆者のステータス。交易を行ったことで,交易Lvもわずかずつではあるが上昇している。所持金も,交易だけで時給1万D以上は稼げたので,しばらくすればガレー船あたりが購入できるかも……

 プレイヤーの売買によって刻々と相場が変動する交易品。嵐や疫病といった予測しづらいトラブルで足止めを食らうこともある航海。そんな不確定要素達と戦うことになる「交易」も,本作の大きな魅力なんだなぁと再認識した筆者。今後はより地方海賊としての活動を活発化し,収奪によって得た仕入れ値ゼロの交易品を織り交ぜつつ,交易収入の拡大を図ろうと思う。


 さて次回は,本日(11月26日)行われる第二回大海戦イベント「無敵艦隊北上!」の体験レポートを中心に,本作のさらなる魅力をお伝えしようと思う。残念ながら筆者は参加できなかったのだが,第一回大海戦イベント「カサブランカ争奪戦」では,見事我がイスパニア軍が勝利を収めたようだ。

第一回大海戦イベントの結果は,ギルドマスターのところで確認できる。数字を見る限り,かなりの激戦が展開されたようだ。「無敵艦隊北上!」が楽しみである

 「無敵艦隊北上!」で活躍するためにも,なんとかしてより高性能な船を購入しなければ……。
 というわけで,また来週。

見ての通り,「手を振る」アクション。人の密集しているところで特殊動作を連発していると端から見ていて怖いので,人気(ひとけ)のないところで試そう。では,また来週〜

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■■大路政志(ライター)■■
前回のこの欄で,海に対する恐怖感が暴露されてしまったライター。その怖さの大本には個人的に好きな「クトゥルー神話」の影響があると語るが,それ以前に船酔いも凄いらしい。船に乗ると,必ず10分以内に嘔吐してしまうのだとか。基本的にバイク以外の乗り物には酔うという,そんな頼もしい彼が担当する大航海時代 Onlineの連載です。