[E3 2006#167]マウスで有名なRazerがゲーマー向けキーボードを展示
国内でもユーザーの多いゲーマー向けデバイスメーカーであるRazerは,Kentiaホールに割と小さなミーティングスペースを構えていた。ここでは,発売前の新製品を多く見られたので,順に紹介していきたい。
■Razer初のキーボード「Tarantula」
Mike Dilmagani氏
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「Razer Tarantula」は,2006年7月の出荷が予定されているキーボード製品だ。ユニークなのは,キープロファイルをカスタマイズ可能で,さらにその内容を内蔵するフラッシュメモリに5パターンまで保存しておける点。言ってしまえば,Razer製マウス「Razer Copperhead」が持つ機能とほぼ同じだが,キーボードを持ち歩くことで,自分専用のキーアサインも持ち運べるというのはなかなか面白い。 ただし,説明してくれたRazerのMike Dilmagani氏によれば「プロファイルをロードして反映させるには,接続先のマシンにも,Razer Tarantula用のドライバがインストールされている必要がある」とのこと。この点は少々面倒か。
デモ展示されていたRazer Tarantula。パッケージもできていた
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さて,写真を見てもらえば分かるように,Razer Tarantulaには,キーマクロを登録しておけるプログラマブルキーは,キーボードの左右にそれぞれ5個ずつ用意されている。 また,キーボード上部にはアタッチメントの接続スペース「Battle Dock」が設けられており,E3 2006の会場ではここに「Battle Light」という青色ライトが取り付けられていた。Dilmagani氏いわく,他社製のゲーマー向けキーボードには,バックライトでキー上の文字が光るようになっているものが多いが,あれでは暗い部屋で目に刺さる光がまぶしすぎるとのこと。この点,上からキートップを照らすBattle Lightのほうが優れているとのことだ。ちなみにこのBattle Light,Razer Tarantulaとは別売りになるという。
このほか,ゲーマー向けキーボードとしてはある意味当然だが,複数のキーの同時押しは問題なく行えるよう配慮されているとのこと。キーの反応速度にも気が配られており,「一般的なキーボードのレスポンスが250〜300ms,高性能なキーボードでも100ms程度ですが,Tarantulaのレスポンスタイムは5msです」(Dilmagani氏)。
■セット販売になる「Razer Barracuda」サウンドカード&ヘッドセット
4Gamerですでにその存在についてお知らせしている「Razer Barracuda」に関しても,“形”がある程度見えてきたのでお知らせしたい。
Razer Barracudaは,サウンドカード「Razer Barracuda AC-1 Gaming Audio Card」(以下AC-1)とヘッドセット「Razer Barracuda HP-1 Gaming Headphone」(以下HP-1)からなる製品で,二つはセット販売される予定だそうだ。Razer Tarantulaと同じく,2006年7月の出荷が予定されている。
AC-1では,ゲームに不要な機能を可能な限り省略して,ゲームでの使用に特化したほか,電磁波を遮るシールドを装備するなど,音質面にも配慮したとのこと。またHP-1は,ヘッドフォンに合計6個のスピーカーユニット(各3個)とサブウーファを内蔵しており,AC-1側の独自技術と相まって,前後左右,そして上下の位置情報を音でプレイヤーに感じさせられるようになっているという。
HC-1で面白いのは,HC-1自体にマイク入力端子が用意されており,プレイヤーが,自分の好きなマイクを利用できる点だ。 ヘッドセットを利用していても,年がら年中ボイスチャットをするわけではなく,マイクが不要なときにまで,マイクがぶら下がっているのはわずらわしい。この点HC-1であれば,ボイスチャット時にだけマイクを差して利用し,そうでないときは純粋にマルチチャネルヘッドフォンとして利用できる。ボイスチャット時とそれ以外のときに,ヘッドフォンとヘッドセットを使い分ける必要がなくなるとすれば,これはかなり便利だ。 もっとも,便利に使えるかどうかは,HC-1のヘッドフォン出力品質と,AC-1のマイク入力品質が高いかどうかにかかっているわけで,この点は後の検証を待つ必要があるだろう。
どちらも「詳細が判明」とまでは言えないが,人によってはそれなりに気になる製品のはず。せっかく国内代理店もあることなので,Razerの動向には今後も注意を払っていきたい。(星原昭典)
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