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印刷2015/10/24 00:00

GIGA-BYTE TECHNOLOGY

GIGABYTEの高性能・高耐久志向シリーズ「XTREME GAMING」,その第1弾となるGTX 950カード「GV-N950XTREME-2GD」を試す

GV-N950XTREME-2GD
メーカー:GIGA-BYTE TECHNOLOGY
問い合わせ先:CFD販売 050-3786-9585(平日10:00〜12:00,13:00〜18:00)
実勢価格:2万7000〜3万円程度(※2015年10月24日現在)
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 発表から2か月が経過し,次第に搭載グラフィックスカードの店頭売価も下がり始めたことで,エントリーミドルクラスGPU「GeForce GTX 950」(以下,GTX 950)の値ごろ感が出てきた。多数の新作ゲームが登場するクリスマスシーズンに向け,限りある予算の中からグラフィックスカードの新調を考えている人にとって,GTX 950搭載カードは選択肢としてかなり気になる存在ではないだろうか。
 今回4Gamerでは,GIGA-BYTE TECHNOLOGY(以下,GIGABYTE)の新しいゲーマー向け製品シリーズ「XTREME GAMING」の国内第1弾となる「GV-N950XTREME-2GD」を入手できたので,本製品が年末商戦に向けた選択肢となり得るのかを探ってみたいと思う。


動作クロックは最大1455MHzに到達

耐久性重視のカード設計が特徴


GTX 950 GPU。GV-N950XTREME-2GDのそれは選別品とされる
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 XTREME GAMINGというシリーズ名から想像できた読者も多いと思うが,GV-N950XTREME-2GDは,メーカーレベルで動作クロックの引き上げられたクロックアップモデルである。具体的には,ベースがリファレンスの1024MHzから1203MHzに約17%,ブーストが同様に1188MHzから1405MHzに約18%,それぞれ引き上げられている。GIGABYTE独自のGPU選別工程「GPU Gauntlet Sorting」(GPUガントレットソーティング)によって特別に選ばれたチップを搭載するとのことなので,その効果といったところだろうか。

入手した個体では1455MHzまで動作クロックが上昇した
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 GTX 950のレビュー記事で筆者はASUSteK Computer(以下,ASUS)のクロックアップモデル「STRIX-GTX950-DC2OC-2GD5-GAMING」を取り上げたが,そちらだと3段階で変更できる動作クロックは最大でもベース1165MHz,ブースト1355MHzだったので,それよりもGV-N950XTREME-2GDのクロック設定は高いということになる。
 ちなみに,後述するテスト環境でGIGABYTE製の同社のオーバークロックツール「OC GURU II」(Version 1.90)を使って動作クロックを確認したところ,コアクロックは1455MHzまで上昇していた。

 組み合わされるメモリの動作クロックは7000MHz相当(実クロック1750MHz)と,GTX 950のリファレンスである6600MHz相当と比べて約6%高い。

カード長はエントリーミドルクラス市場向けとしてはやや長い
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 ……と,基礎的な話を終えたところで,GV-N950XTREME-2GDの外観をチェックしていこう。
 カード長は実測約227mm(※突起部除く)だが,基板自体は183mmほどしかない。GPUクーラーが40mm強,カード後方にはみ出したデザインだ。そのGPUクーラーは,90mm角相当のファンを2基搭載した2スロット仕様の占有タイプで,「WINDFORCE 2X」という名が与えられている。

カードを別の角度から。基板裏面には補強目的のバックプレートを搭載している
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ユニークな形状のファンに寄ったところ
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 WINDFORCE 2Xでは,ブレードエッジが波を打つようなデザインで,かつ,ブレード上に5本線状の突起を持つファンを搭載。これにより,標準的なブレード形状のファンと比べ,エアフローは23%向上したとのことだ。同時に,GPU負荷やGPU温度が低い状況下でファンの回転数が停止する「3D-Active Fan」仕様も実現しており,全体として,現在のトレンドに則った仕様になっているといえるだろう。

動作中の例。WINDFORCEロゴ部は,標準だと白色で光る
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 なお,カード上面に用意された「WINDOFORCE」というロゴ部にはLEDが組み込まれており,ファンが回転しているか否かのインジケータになっている。
 具体的には,ファンが停止状態のときにはこのロゴが消灯し,代わりに両サイドにある「SILENT」「STOP」の文字が点灯する。OC GURU IIを使えば,WINDFORCEの部分の色を白/黄/青/紫/赤/緑/水の7色から選ぶことも可能だ。

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補助電源コネクタは8ピン×1という仕様。なお,試しに6ピンケーブルを接続してみたところ,カードは動作しなかった
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外部出力インタフェースはDisplayPort 1.2×3,HDMI 2.0×1,Dual-Link DVI-I×1

GPUクーラーを取り外したところ。ヒートパイプはご覧のとおり1本だ
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 GPUクーラーの取り外しはメーカー保証外の行為であり,取り外した時点で保証は失われる。その点をお断りしつつ,今回は特別に取り外してみるが,すると,このWINDOFORCE 2Xに採用されたヒートパイプは6mm径のものが1本だけであると気づく。このあたりは,エントリーミドルクラスGPU用らしい規模といったところか。その1本がGPUと密接する仕様なのは,ASUSの「DirectCU」クーラー風だ。
 ただ,電源部には別途ヒートシンクが装着されるなど,必ずしも単なるコストダウン版クーラーになっているわけではない。

クーラー単体をバラしたところ(左)と,基板から電源部用のヒートシンクおよび背面の補強板も取り外したところ(右)
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基板設計はGIGABYTE独自の品質規格「Ultra Durable VGA」準拠とされる
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 さて,そのヒートシンクの下にある電源部だが,見る限り4+1フェーズ構成のようだ。
 基板はEXTREME GAMING独特のもので,GIGABYTEによれば,「GeForce GTX TITAN X」搭載グラフィックスカードと同等の品質を持つ部材を採用する,非常に高品位なものになっているとのこと。さらに,航空宇宙グレードの通気性コーティングを行うことで,長期間の利用においても,湿気や埃(ほこり),腐食から基板を保護できる仕様になっているという。

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基板を見ただけでは分からないが,「Aerospace-grade PCB Coating」というコーティングがなされているという
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搭載するメモリチップはSamsung Electronics製の4Gbit GDDR5「K4G41325FC-HC28」。「GeForce GTX 980」リファレンスカードなどに搭載されているものと同じだ


GTX 700シリーズからのアップグレードパスとして

GV-N950XTREME-2GDはありやなしや


 テスト環境のセットアップに入ろう。今回はまず,STRIX-GTX950-DC2OC-2GD5-GAMINGの動作クロックをリファレンスレベルにまでなるべく近づけるべく,OC GURU IIでコアクロックを1075MHzまで下げたものを用意した。リファレンスクロックは1024MHzだが,これ以上引き下げることはできなかったため仕方なくこの動作クロックでテストすることとし,以下,「GTX 950@1075MHz」と表記する。

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 それ以外では,直接の上位モデルである「GeFore GTX 960」(以下,GTX 960)と,GeForce GTX 700世代のミドルクラスGPU「GeForce GTX 760」(以下,GTX 760),「GeForce GTX 750 Ti」(以下,GTX 750 Ti)も,比較対象として用意。ただし,GTX 960搭載カードであるGIGABYTE製の「GV-N960WF2OC-2GD」と,GTX 760搭載カードであるPalit Microsystems製「NE5X760H1024-1042J」は,いずれもクロックアップモデルであるため,今回はOC GURU IIでリファレンスレベルにまで動作クロックを下げている。

 テストに用いたグラフィックドライバは,テスト開始時点の公式最新版となる「GeForce 358.50 Driver」。そのほかテスト環境はのとおりだ。

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 テスト方法は4Gamerのベンチマークレギュレーション17.0準拠。ただし時間的都合により,「Crysis 3」と「GRID Autosport」のテストは省略している。
 テスト解像度は,GTX 950がエントリーミドルクラス市場向けということから,1600×900ドットおよび1920×1080ドットの2パターンを選択した。

 なお,これは筆者のGPUレビューだと“いつものこと”だが,CPUの自動クロックアップ機能「Intel Turbo Boost Technology」が,テスト状況によって効果が異なる可能性を排除すべく,マザーボードのUEFI(≒BIOS)から無効化している。


GTX 950@1075MHz比で約7%高速

GTX 760を安定して上回る性能を発揮


 では,順にテスト結果を見ていこう。
 グラフ1は「3DMark」(Version 1.5.915)をまとめたものだが,GV-N950XTREME-2GDのスコアはGTX 950@1075MHz比で6〜7%程度高いので,リファレンス仕様のGTX 950カードがあるとすれば,それに対しては1割弱〜1割程度は高い性能を期待できそうだ。対GTX 960では90〜91%程度のところに迫っている。
 また,注目したいのはKepler世代のミドルクラスGPUであるGTX 760に対して13〜16%程度高いスコアを示しているところで,この点は大いに評価していいように思う。

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 次にグラフ2,3は「Far Cry 4」の結果となる。Far Cry 4でもGV-N950XTREME-2GDとGTX 950@1075MHzの差は4〜7%で,クロックアップの効果はハッキリと表れている。対GTX 960で89〜94%程度,対GTX 760で108〜113%程度というスコアであるあたりは,3DMarkにおけるスコア傾向を踏襲した形といえるだろう。

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 続いて,「EVOLVE」の結果がグラフ4,5だ。EVOLVEの結果もFar Cry 4とよく似ており,GV-N950XTREME-2GDはGTX 760を12〜15%程度,安定的に上回るスコアを示している。

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 グラフ6,7にスコアをまとめた「Dragon Age: Inquisition」(以下,Inquisition)でも,その傾向はおおむね変わらない。Inquisionのような“重い”タイトルのベンチマークを,高いグラフィックス設定で実行していることもあって,さすがに「高負荷設定」時のスコアは厳しくなってくるが,これはまあ,エントリーミドルクラス市場向けGPUの限界といったところか。

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 一方,「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」(以下,FFXIV蒼天のイシュガルド ベンチ)のような,比較的描画負荷の低いタイトルならどうかというと,グラフ8,9のとおり,GV-N950XTREME-2GDは,「最高品質」の1920×1080ドットで,スクウェア・エニックスが示すベンチマークテスト結果の見方における最高指標「非常に快適」のラインであるスコア7000にあと一歩のところにまで迫っている。前世代のミドルクラスGPUであるGTX 760ではスコアが6000弱という点と比較しても,GV-N950XTREME-2GDのポテンシャルはかなり魅力的といえる。

※グラフ画像をクリックすると,平均フレームレートベースのグラフを表示します
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GTX 760から消費電力は36〜53W低下

WINDFORCE 2Xの冷却性能と静音性は優秀


 クロックアップモデルとなると,その消費電力は気になるところだ。そこで,いつものようにログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いて,システム全体の消費電力を比較してることにした。
 テストにあたっては,ゲーム用途を想定して,無操作時にもディスプレイ出力が無効化されないよう指定したうえで,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点を,タイトルごとの実行時としている。

 その結果はグラフ10のとおり。アイドル時は比較対象も含めて大きな違いはないが,アプリケーション実行時だと,GV-N950XTREME-2GDはGTX 760比で36W〜53W程度低く,第2世代Maxwellアーキテクチャらしい傾向を示している。GTX 950@1075MHzと比べると5〜11W程度増大しているが,性能向上分を加味すれば,十分納得できる範囲と述べていいのではなかろうか。

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 WINDFORCE 2Xの冷却性能を見るべく,GPUの温度も確認しておこう。ここでは「GPU-Z」(Version 0.8.5)を用い,3DMarkの30分間連続実行時を「高負荷時」とし,アイドル時ともども,その温度を追うことにした。テスト時の室温は24℃で,システムはケースに組み込まず,いわゆるバラックの状態に置いてテストを行っている。

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 その結果がグラフ11だ。カードごとに温度センサーの位置が異なり,もちろん搭載されるクーラーも異なるため,横並びの比較に意味はないのだが,それでも,アイドル時にファン回転の止まるGV-N950XTREME-2GDのスコアが49℃と相応に高いことと,高負荷時はむしろ63℃とかなり低い温度を示していることは見て取れよう。WINDFORCE 2Xの冷却能力は高い。

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 そして,その気になる動作音だが,これは下記に示すサウンドファイルを聞いてもらえればと思う。
 このファイルは,マイクをカード(のファン)に正対する形で30cm離れた位置に据えたうえで,PCをアイドル状態で1分間放置した状態から,FFXIV蒼天のイシュガルド ベンチを最高品質の1920×1080ドットで4分間実行したときのシステム動作音を録音したものだ。
 GV-N950XTREME-2GDのWINDFORCE 2Xはデスクトップ作業時程度の負荷だとファン回転が停止するため,最初の1分間は「それ以外」の動作音しか聞こえないが,ベンチマーク実行後,15秒くらい経ったあたりからファンの回転が始まるので,それ以降を注意して聞いてみてほしい。よく聞くと,回転数がこまめに切り替わり,それに応じて風切り音の周波数が高くなったりしてはいるが,その絶対音量は低く,PCケースに組み込んでしまえばまず聞こえないレベルである。WINDFORCE 2Xは,冷却能力だけでなく,静音性も高いと評していいだろう。

SOUND PLAYER:このブラウザは未対応です。PCをご利用ください。
※再生できない場合は,Waveファイルをダウンロードのうえ,手元のメディアプレイヤーで再生してみてください。


仕様と性能は文句なしだが,GTX 960カードを購入してお釣りが出るという価格は……


製品ボックス。XTREME GAMINGシリーズのロゴバッジが大きくプリントされている
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 以上,褒めるところしかないといった感じのGV-N950XTREME-2GDだが,では買いかというと,必ずしもそうではなかったりする。
 GTX 950のレビュー時に筆者は,GTX 950搭載グラフィックスカードではその価格設定がポイントになり,また,発売から時間が経って安価になっているGTX 960の存在が悩みの種であるとした。では,GV-N950XTREME-2GDが発売になったこのタイミングにおける状況はどうかというと,GV-N950XTREME-2GDの実勢価格が2万7000〜3万円程度なのに対し,GTX 960は2万4000〜3万4000円程度(※いずれも2015年10月24日現在)。下手をすると,GV-N950XTREME-2GDを購入できるだけの予算で,それより1割は高速なGTX 960カードを購入して,お釣りが返ってきてしまうのだ。

 消費電力はGTX 960より低く,静粛性は高い。その点においてGV-N950XTREME-2GDは大いに魅力的なグラフィックスカードといえるのだが,現時点での価格設定では,諸手を挙げてお勧めするわけにはいかないのというのも,正直なところである。

GIGABYTEのGV-N950XTREME-2GD製品情報ページ

  • 関連タイトル:

    G1 Gaming,Xtreme Gaming

  • 関連タイトル:

    GeForce GTX 900

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