工画堂スタジオが2010年夏に発売を予定している「
白銀のカルと蒼空の女王」の物語や,主要キャラクターの全貌が,本日(3月31日)明らかになった。
これまで,工画堂スタジオの特設ページ内で,タイトルと登場キャラクターらしき人物達の立ち絵のみが公開され,その概要が謎に包まれていた白銀のカルと蒼空の女王。本日の公式サイト更新により,過去の作品でも登場した,Eテクノロジーと呼ばれる科学技術で繁栄を極める
「世界帝国フルクラム」を中心に展開する物語のバックボーンが明らかになったのでお伝えしよう。また,
現時点では公式サイトに掲載されていない,本作に登場する魅力的なキャラクター達の情報も公開されているので,合わせて紹介していく。
なお文末に,本作の世界観をより深く理解できる「基本用語集」も掲載するので,こちらにも目を通してほしい。
●ストーリー
パシアテと呼ばれる先史の超文明が、竜族との最終戦争により滅んでから約一万年が過ぎた後の世界。後発の人類文明が、先史文明から受けついた超科学の残滓「Eテクノロジー」を糧に、多くの綻びを残しつつもフルクラム帝国による世界統一を成し遂げるに至った時代。
舞台は世界帝国フルクラムの帝都。Eテクノロジーの力で繁栄する大都市。
人々は残された過去の遺産を足がかりに、さらなる発展を手に入れようと努力していた。
だが、その過去の遺産を悪用しようとする者がいる。先史パシアテの遺産である巨大機動兵を犯罪に利用し、人々を支配せんとする者達……Eテクノロジーによって生み出された悪意を持った「道具」が人々の生活を脅かしつつあった。
カル・ルスランは、普段は帝国ジュニア・アカデミーに通う一学生。だが彼女は、パシアテ文明保存管理局、通称“ライブラリ”と呼ばれる政府機関所属のエージェントでもある。先史の亡霊を倒すことのできる唯一の存在が、彼女が操る超重機動兵「アルパー」。
旧時代のテクノロジーの産物が帝都に危害を与える時──
カルはアルパーを駈り、それに立ち向かうのだ。
本作の物語には,「蒼い」シリーズの生みの親である竹内なおゆき氏に加え,工画堂スタジオの「
シンフォニック=レイン」や「
ウソツキと犬神憑き」といったタイトルを手がける,西川真音氏がシナリオに携わるとのことなので,こちらもお楽しみに。
●キャラクター
◆カル・ルスラン CAL RUSLAN
年齢:15才
身長:168cm
体重:50kg
B:85
W:59
H:84
帝国ジュニア・アカデミー第二学年所属。
14年前の統一戦争で帝国軍に滅ぼされた小国「ルスラン」のお姫様であるが、現在は王家復興を願う多くの遺臣たち期待を一身に背負いつつ帝都で勉学に励む。
そしてもうひとつ裏の顔は、違法Eテクノロジー研究および、違法Eウェポンを取り締まる政府組織「パシアテ文明保存管理局」、通称“ライブラリ”の学生エージェント。
相手がライブラリの命令に応じず強硬手段に出る場合は超重機動兵「アルパー」を呼び出し戦闘も行う。
長身でスタイル抜群、凛とした美貌を備えた美少女。
実年齢よりずっと大人びて見えるため学校では一目置かれ、近寄りがたいと思われることもあるが、根は正直者、生真面目な努力家。
キャラクターデザイン:駒都えーじ
◆エリンシエ・ヤースロップ ELINCIE YERTHROP
年齢:11才
身長:143cm
体重:35kg
B:UNKNOWN
W:UNKNOWN
H:UNKNOWN
帝国ジュニアアカデミー第一学年所属。
空中王国ネオスフィアからの留学生。元ネオスフィアの女王。現在は女王位から退き、帝国の先進技術や文化を学びにはるばる帝都までやってきた。
しかしそれは表向きであり、さる事件がもとで帝国に政治的に睨まれたネオスフィア王国が、恭順の意を示すため差し出した実質的な人質である。
女王位を退いて今なお、その言動は国外政治に与える影響が小さくなく、そのため行動は常に帝国政府の監視下に置かれている。
女王時代は英明の名をほしいままにした天才君主だったが、帝都に来てからは、年相応の子供っぽいきかんきな言動や、とっぴな行動が目立つ。
また反帝国的な態度を隠そうともしないため、帝国人の生徒と衝突することも多い。
その一方で、元女王という特殊な経歴、異様に高い知能指数、周囲に媚びない様子に共感を覚えた男子生徒たちに間で隠れファンクラブが結成されるなど、アカデミー内での立ち位置も、これまた非常に微妙である。
キャラクターデザイン:駒都えーじ
◆ミルスキ・リーンネ MYRSKY LEANNE
年齢:14才
身長:150cm
体重:40kg
B:75
W:56
H:80
生まれながらにして様々な力を備えた超能力者(パーセプター)にして、帝都内の治安維持を務める海軍のパーセプター部隊“ヤクトファルク”の隊長。高位の帝国貴族リーンネ家の出身であり、14才という年齢にして軍の特殊部隊を任されている。
融通の利かない生真面目屋ながら、基本的には明るく素直な性格。
物腰も礼儀正しい。
社会的に差別されがちなパーセプターの権利獲得のため功を焦っているところがある。その気負いと若年ゆえの経験不足から、要らぬ失敗を重ねることも。
帝都の治安を脅かす“汚染者”に単独で対抗し得る存在であり、他の隊員たちとも一線を画した強大な能力を持つ。
キャラクターデザイン:藤原々々
◆ガラクシア GALAXIA
年齢:?
全高:160cm
重量:最大190kg
統一戦争における戦いにおいて、帝国軍に滅ぼされた某王国の決戦兵器らしいが、その詳細は謎に包まれている。
キャラクターデザイン:Ein
◆プラウラ PRAWLA
年齢:19才
身長:167cm
体重:47kg
B:84
W:58
H:88
主人公カルの幼少期から、身の回りの世話を勤める女従者のひとり。
ルスラン王国重臣の娘。
長い睫、聡明そうなまなざし。スラリとしたモデルのような痩身。抜群の美貌とスタイル。人当たりがよく、おまけに料理上手。さらには表面的な性格も良い。……が美しい外見と裏腹に、その内実は腹黒な謀略家。主人カルへの究極的な忠誠心を除いては、世の中のあらゆるモラルから開放されたモンスター。
主家ルスランのお家再興のためには、人倫に外れた汚れ仕事に手を染めることも厭わない。
同僚のファルツ同様、Eウェポンを用いた武技に精通しているが、なかでも射撃が得意。
キャラクターデザイン:やすき
◆ユーネ・グロースタ EUNE GLOUSTER
年齢:15才
身長:159cm
体重:46kg
B:78
W:59
H:87
帝国ジュニアアカデミー第二学年所属。学年委員長を務める世話焼き少女。
同じクラスのカルが常に落第の危機に立たされていることを気にして、なにかに付け彼女にちょっかいをかけてくる。
カルが落第すると、「学年委員長としての管理責任が問われて、将来、生徒会長に立候補した際に汚点になるから」というのがその理由らしい。
口うるさいところは多々あるが、基本的には面倒見のいいイイ人である。ちなにみ本人の成績は中の上といったところ。
キャラクターデザイン:駒都えーじ
◆トアラ・ラボアキン
年齢:13才
身長:149cm
体重:41kg
フルクラム帝国支配圏にある小王国から、帝国ジュニアアカデミーに留学してきた王族の少年。第二学年所属。
小柄な体つきのため、実際の年より幼くみられることが多い。
帝国到着早々、留学初日にEテクノロジー絡みのテロ事件に巻き込まれ、それが縁でカルと知り合う。以後、なにかにつけ彼女と行動をともにすることに。
性格は素直で純朴。田舎者で世間知らずな反面、存続の危機に立たされるほどの深刻な財政難に苦しむ貧乏小国の出身のためか、芯はかなり強く、知恵も回る。
真っ正直で、物の裏の読むことが苦手なカルの知恵袋的なポジション。また学年成績トップクラスの知能を活かし、アカデミーで試験があるたびに、彼女の臨時家庭教師を務めている。
キャラクターデザイン:駒都えーじ
◆ファルツ FALZ
年齢:54才
身長:180cm
体重:72kg
主人公カルに付き従う従者。
元ルスラン王国、重機動兵騎士団屈指の使い手。
ルスラン王国滅亡後は、帝国に身柄を移された国王夫妻に付き従い、国王夫妻が帝国で客死したあとは、その忘れ形見であるカルの養育につとめる。
一見、ぱりっとした装いの紳士だが、性格はアクの強い皮肉屋。
主人のカルに対しても言動に遠慮は少ない。ただカルに対しては絶対の忠誠心を抱いているため、カルの希望に安易に迎合せず嫌味っぽい態度を見せるのは、彼なりの教育の一環という面もある。
カルや同僚のプラウラの前では、根っこの部分の品の悪さを隠さない。
しかしながら時と場所を心得て、口調や態度をガラリと変えることができるため、粗野という印象は少ない。
身につけた戦闘技術は悪魔的なレベルに達しており、体力、知識、判断力、いずれも、主人公カルを大きく上回っている。
キャラクターデザイン:駒都えーじ
◆超重機動兵アルパー
全高9.1m
重量16t
カルが万能懐中時計を頭上に掲げその名を叫ぶと、天から現れる重機動兵。
今は亡きルスラン王家に代々伝わってきた古代パシアテ文明直系オリジナルの重機動兵団、最後の一機。
自律型機動兵全盛の時代において、すでに忘れ去られようとしているコンセプト、現存する世界唯一の有人型戦闘重機動兵。そのコントロールは、カル自らが搭乗制御することによって行う。
自律型機動兵の技術が確立されているこの世界では、かなり特異な存在。
カルの卓抜した制御テクニックにより、並みの自律型機動兵を大幅に上回る性能をほこる。
数々の戦いに参加した歴戦の機体であるが、長年の補修によりコントロール・ユニットを含め構成パーツの大部分が造り直されている。──装甲材には、伝説の最強生物キングドラゴンの外殻を使用。長距離移動の際は竜形態に変形。戦闘時は人型形態をとる。
Eディフレクターと呼ばれる集中防御装置や、掌部から破砕ボルトを打ち出す打突武器、ペネトレイション・スピクルム等、多数の武器を装備。
キャラクターについて補足しておくと,各キャラクターの担当声優などは,現在のところ発表されていない。過去の作品では,カル・ルスランのボイスに茅原実里さんが,エリンシエ・ヤースロップには釘宮理恵さんが選出されるなど,豪華キャストが出演しているだけに気になるファンも多いと思われるが,こちらは続報をお待ちいただきたい。
ゲームシステムについても少し触れておくと,本作はストーリーを前面に出し,選択肢を選ぶことでゲームを進めていくアドベンチャータイプ。これに加えて,物語の随所でプレイすることになる
「探索パート」と
「カードバトル」という二つの要素を使ってストーリーを進めていくことになるようだ。詳しい内容は,新たな情報が公開され次第お伝えしていく予定だ。
なお,
こちらの記事で紹介しているとおり,本作のオープニングテーマを,人気声優の今井麻美さんが担当することも決定している。工画堂スタジオのくまさんちーむが手がける「蒼い」シリーズの最新作となる本作に,今後も注目しておこう。
●基本用語集
◆「この“世界”について」
フルクラム帝国が幕を開け、同帝国が幕を降ろした三十年近くにも及んだ未曾有の戦乱、大陸統一戦争の終結から十五年。戦後の新時代は、大きな変化の時代だった。
Eテクノロジーによって底上げされた、産業・製造面での進歩が、輸送・商業・法律をはじめとする日常生活のあらゆる面を変え、また急速なこの進歩にともなって、社会には覆いきれない矛盾と逆説が生まれてもいた。
帝国およびそのEテクノロジーの恩恵にあずかる周辺国の市民は、進歩というものをおおむね受け入れていた反面、それらの発展から取り残された人々は、昔ながらの社会の価値観をそれまでにも増して頑固に守りつつ、大いなる不満と羨望をもって帝国の繁栄を──その象徴たる帝都の華やかな姿を眺めていたのである。
世界中の富と才能が帝都に集まる一方、それと相反する?支配による歪み?も、彼の地に集まろうとしていた。……
◆「パシアテ文明」
主人公たちの活躍するこの時代より、ずっと昔に繁栄を極め、今より遥かに高い技術力を持っていた超高度文明。
独自の文化を築き、超物質精製法や反重力を特徴とする優れた科学文明を誇っていたが、約一万数千年前、絶頂を誇った科学文明は突如として地上から消えうせてしまう。今持ってその原因は謎につつまれ、パシアテ文明の全貌を知ることは出来ていない。だが一部の機構は、大規模パシアテ文明遺跡──通称「Eプラント」として後世に遺された。全くメンテナンスを受けていなかったにも関わらず、遺跡の機能が現在までほとんど損なわれることなく保全されているところなど、その技術力は驚異の極み。
◆「Eプラント」
超科学文明『パシアテ』が残した遺跡群の総称。その規模は小さな古墳レベルのものから、都市レベルの巨大なものまでさまざま。
Eプラントは世界中のいたるところに残されており、帝都の地下一帯に広がるEプラントは、現在発見されているものの内でもっとも大規模なもののひとつ。
この世界の大都市の多くは地下Eプラントの上に建設されており、稼動可能なEプラントからエネルギーを採取(またはEプラントを構成する特殊建材の採集、Eテクノロジーを用いた発掘部品を採集……等々)することで、都市機能を維持している。
Eプラントは、オーバーテクノロジーの宝庫であり、今現在もほとんどが未探索のまま。人類が利用できている部分はほんのわずかにすぎない。
◆「Eテクノロジー」
パシアテ文明がらみの先史超科学技術の俗称。
パシアテ文明の遺跡(Eプラント)や発掘品の多くに共通して刻まれていた紋章のビジュアルイメージが「E」の字に見えることから、それら遺物を解析して得られた超技術を“Eテクノロジー”、遺跡の名を?Eプラント?と呼ぶようになった。
Eの頭文字をとって「ELEMENTARY TECHNOLOGY」ともいったりするが、これはあくまでもゴロあわせの後づけ。Eテクノロジーと区別するために、通常水準技術をN(ノーマル)・テクノロジーと言ったりもする。
Eテクのノロジーは、体系化されてからまだ日が浅く、全般に高コスト。そのため帝都のような先進地域を除いて、一般への普及はなかなか進んでいないのが実情。
◆「パシアテ文明保存管理局」
パシアテ文明保存管理局が正式名称であるが、世間的には?ライブラリ?との通称の方が一般的。
皇帝直属の組織であり、政府内に隠然たる影響力を持つ。
組織の発足時からの第一の目的は、かつてこの星を支配していた先史の超文明パシアテの遺産であるEテクノロジーを管理、保管することである。?ライブラリ?との通称も、そのことによる。
だがここ数年の中心業務は、違法Eテクを用いた異常犯罪など、帝国市民に与える影響の大きな犯罪の捜査、帝国の許可の無い高度Eテクノロジーの研究開発や、それが用いられようとした際、保有する実行部隊をもっての取り締まりなど。
活動範囲は、あくまで「高度Eテクノロジーに関連したもの」に限られているが、高度Eテクを用いたテロリズムの抑止・検挙などのカウンターテロ、それに伴う警備又は要人警護も担当するなど、実質的には総合的な防諜機関ともいえる。
◆「オリハルコン」
多目的万能結晶。その組成や生産方法など、ほとんどが謎につつまれている物質。
先史パシアテ文明における超技術文明の基礎となっていたと言われている。
現在はEプラント等から稀に発掘される以外にしか入手方法が無い。高純度のものはさらに稀少価値が高いため、市場に出たときは法外な値で取り引きされる。
そのため冒険者や研究家のみならず、国家でもが製造法を捜し求めている。
作品中に登場する機動兵(戦闘ゴーレム)などの先史文明の超技術を用いたものの、ほぼ全てが、このオリハルコンの操作技術に基礎を置いている。
◆「Eウェポン」
Eテクノロジーを使用した戦闘兵器の総称。
代表的なものは、「ドグラノフ」の名で呼ばれる硝酸塩燃料を燃焼させ、そのガス圧で筒などをガイドに重金属弾を発射する熱機関武器や、機動兵(戦闘ゴーレム)と呼ばれる人型兵器など。
◆「フルクラム帝国」
現在の世界を実質的に支配している帝政国家。
元は、大陸の片隅の小国だったが、パシアテ文明の遺産を解析することによって、Eウェポンを大量に造り出すことに成功──。その力は圧倒的で、わずか数十年で世界の実質的な統一をなしえた。現在の皇帝はエグザシオ。帝都を中心に、軍事、経済の両面で世界のリーダーシップをとる。その覇権に反目する国や組織も多い。
◆帝国ジュニアアカデミー
フルクラム帝国が、世界の将来を担う人材を選抜、育成するために設立した教育と学問研究のハイブリッド機関。
帝国が、国家の威信をかけて設立した学校であり、人材・設備、あらゆる面で超一級の環境を誇っている。
ジュニアアカデミーの定員は、年によって増減するが、だいたい三千名前後。一年生から六年生までの学年にわかれ、基本的に成人前の生徒を対象に構成されている。
定められた試験さえパスすれば、入学はだれでも自由。学費も激安。そのため世界中から、ありとあらゆる人材が集まってきている。
しかしその自由すぎる学風から引き起こされるトラブルも多い。
◆「帝国ジュニアアカデミーの制服について」
ジュニアアカデミーの制服は、エッジのたった襟と、そのふちに沿って走る幾何学的なストライプが特徴のセーラ服タイプ。女子生徒はワンピースにタブリエをかぶせて、シンプルな構成の中に一種独特の見た目を作り上げている。その反面、男子生徒の制服はやや可愛すぎるという意見が多く、そのせいで上級生になると制服を着てこなくなる男子生徒もかなりいる。
規定の範囲内であれば各生徒の好みに応じ、色やデザイン等、制服をカスタム化することも許されている。
◆「パシアテ文明研究会」
アマネカ・マッハバスターが会長を務める帝国ジュニアアカデミーの学内サークル──通称“パシ研”。その名の通り、先史パシアテ文明に関する、あらゆることを研究するのが目的の団体。長らく名前のみの存在であり、会員不在の休眠サークルだったが、アマネカの会長就任宣言によって突如蘇った。
「研究」というより実際の活動は「探検」──アウトドア寄りなことが中心。ゲーム冒頭では、アカデミー支配をもくろむ学内秘密結社“暁の老人部”との抗争を繰り広げることとなる。