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溢れるアキバ愛に思わずニヤリ。AKIBA’SシリーズのDNAを受け継ぐ完全新作アクションRPG「AKIBA’S BEAT」プレイレポート
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印刷2016/12/08 00:00

プレイレポート

溢れるアキバ愛に思わずニヤリ。AKIBA’SシリーズのDNAを受け継ぐ完全新作アクションRPG「AKIBA’S BEAT」プレイレポート

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 アクワイアが2016年12月15日に発売を予定しているPlayStation 4用ソフト「AKIBA’S BEAT」(※PlayStation Vita版は発売日未定)は,人気シリーズ「AKIBA’S TRIP」のDNAを受け継ぐ完全新作アクションRPGだ。
 「AKIBA’S TRIP」で好評だった,リアルに再現された秋葉原の街を自由に移動できるゲームデザインはそのままに,アクションRPGの爽快さを追究しているのが特徴となっている。

 本作のディレクターは高野康太氏,キャラクターデザインをイラストレーターのUCMM氏が担当しており,豪華なクリエイター陣でも注目を集めている。そんな「AKIBA’S BEAT」のプレイレポートをお届けしよう。

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「AKIBA’S BEAT」公式サイト



人々の妄想が日常を侵食する!?

アキバの街がちょっとおかしい


 「AKIBA’S BEAT」の主人公は,ニート生活を“絶賛満喫中”の立花アサヒ,19歳。友人との待ち合わせに向かう途中,彼は秋葉原の街に異変を感じる。そう,普段とはまったく異なる秋葉原駅の光景がそこにあったのだ。
 そんなアサヒの前に現れたのが,ヒロインである星野サキ。彼女は「この駅の違和感に気づいているの?」と,アサヒに意味深なメッセージを投げかける。続けて,ここで見えているものは,すべて現実だと告げた。
 彼女によると,アキバの人々が思い描く「理想の秋葉原」が“妄想”という形で街を侵食しているのだという。妄想を破壊するには,「妄想宮」に乗り込んで,根源を絶たねばならないらしい。サキに巻き込まれる形で,アサヒは渋々,妄想宮の中へと入っていく……。

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 以上がストーリーの導入部だ。
 まるでライトノベルや深夜アニメのような“中二病”全開の展開だが,世界設定はかなり緻密に練り込まれている。とくにキャラクターの個性は丁寧に描かれている印象で,突拍子もない導入に少々戸惑うかもしれないが,知らないうちに物語の展開が気になってしまう魅力がある。

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さらなる妄想の世界へ――「イマジンモード」


 冒頭でも触れているが,やはりリアルに再現された秋葉原の街並みは圧巻だ。「AKIBA’S TRIP」シリーズにおいても,それはそれは見事なものだったが,「AKIBA’S BEAT」ではさらに磨きがかかっている。

 会社や店舗の名称にはアレンジが加えられているが,建物の配置や高さ,デザインはほぼそのままと言える再現度だ。筆者は秋葉原によく行くので,そのクオリティには思わず唸らされた。さすがは秋葉原に居を構えるアクワイア,といったところだ。
 アキバ通ならニヤリとしてしまうこと請け合いなので,ぜひ隅から隅までアキバの街を駆け巡ってほしい。

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 「アクワイア初のアクションRPG」と銘打たれているだけのことはあり,「AKIBA’S BEAT」の戦闘はアクション性が際立っている。通常攻撃(上段/中段/下段),スキル,ガード,ステップ,ジャンプといったオーソドックスなアクションの組み合わせによって,さまざまな戦い方が可能だ。
 通常攻撃のみで行う連続技からスキルを巧みに織り交ぜたものまで,プレイヤーのスキルによって攻撃のバリエーションが広がる。そこにガードやステップといった防御策も加わるため,適度にテクニカルでスピーディな戦いが展開する。

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 戦闘の難度に関しては,決して難しくはないが,易しすぎるというわけでもない。とくにボス戦は,無策で挑むとゲームオーバーになってしまうことも。敵の弱点属性と耐性属性を把握しつつ,与ダメージが大きくなるバックアタックを狙うといった戦略がものを言う場面が多い。

 なお,プレイヤーが操作できるキャラクターは1人だが,戦闘に参加できるバトルメンバーは最大4人となっている。操作キャラクターの切り替えは方向キーのみで瞬時に可能なので,状況に応じて切り替えたほういいだろう。マスコットキャラクターである「ぴんくん」が,戦闘中にサポートスキルで助けてくれることもある。

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 そして,「AKIBA’S BEAT」のバトルを象徴する要素が「イマジンモード」だ。敵を攻撃すると溜まっていく「イマジンゲージ」が一定以上に達した状態でスキルを使うと,ヘッドホンのアイコンが出現。さらにボタンを長押しすると,イマジンモードが発動する。
 イマジンモードの発動中はBGMが一変し,通常攻撃のクールタイムがなくなるため,怒涛の攻撃ラッシュが可能になるのだ。これがなかなか爽快で,敵を一気呵成に蹴散らせたときには思わずテンションが上がる。

 また,イマジンゲージがMAXの状態でイマジンモードを発動すると,「イマジンフィールド」が発生。BGMの楽曲に応じて,さまざまなサポート効果が生まれるようになる。
 ちなみに,楽曲はキャラクターソングを含む全12曲が用意されている。ゲームを進めて楽曲を入手したら,イマジンモードで試してみるといいだろう。

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イマジンフィールドが発生すると,キャラクターがヘッドホンを装着するシーンが挿入される。これは,より深い妄想の中に身を投じることを表現しているとのこと
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パソポンパーツにトレカ収集。オタクにはたまらない要素が満載


 アサヒ達の武器である「パソポン(パーソナルウェポン)」は,パーツを付け替えることでどんどん強化できる。ちなみに,パーツの種類にはメモリやCPU,ハードディスクといったものがある。通常のRPGでは剣や槍,弓矢といった武器が一般的だが,パソポンというところがアキバを舞台にしている「AKIBA’S BEAT」らしい。
 パーツショップは街の中に点在しているので,マネーに余裕のあるときに買い揃えておこう。戦闘がグッと楽になるはずだ。

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 こちらもアキバらしいアイテムとして,「トレーディングカード」の存在も見逃せない。「AKIBA’S BEAT」の世界では,「ヴァニシングファンタジー」というトレカがブームになっており,なんと装備することが可能だ。
 トレカを装備すると,ステータスがアップするうえ,「二つ名」を設定できる。しかも,二つ名は「前半+格助詞+後半」という組み合わせになっているので,自分だけの二つ名を編み出してアピールできるというわけだ。
 なお,「ヴァニシングファンタジー」のトレカは100種類以上もあり,なかにはレアカードも存在する。戦闘が有利になるだけでなく,収集意欲もかき立てるので,集めずにはいられないだろう。

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 今回,筆者がプレイしたのは序盤から中盤にかけてのパートだったが,中二心をくすぐるストーリー展開に悶絶しつつ,グイグイ引き込まれていった。かつてはバリバリの中二病患者だったからか,他人事とは思えないリアルさも感じられた。ニート経験もあるし!

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 さらに「えっ! アイツがなんで?」と,思わずつぶやいてしまうような驚きの展開も用意されているので,いい意味でイメージを裏切ってもくれる。
 秋葉原が舞台となっている作品は珍しくないが,「AKIBA’S BEAT」には並々ならぬ“アキバ愛”を感じた。ステージの再現度はもちろん,秋葉原にまつわるエピソードのバリエーションといったところも,じっくりと味わってほしいポイントだ。
 
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 誤解を恐れずに書くと,プレイフィールはオーソドックスなアクションRPGとさほど変わらない。だからこそ,異色の舞台設定やストーリー,個性的なキャラクター,そしてイマジンモードをはじめとする要素が斬新に映る。秋葉原を愛するすべての人が間違いなく楽しめる作品だ。
 PlayStation Storeで「特別体験版」の配信も始まったばかりなので,興味を持った人は「妄想の世界」に潜ってみてはいかがだろうか。

PlayStation Store「特別体験版」ダウンロードページ

「AKIBA’S BEAT」公式サイト


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