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「FFXI」大規模アップデート情報:“チョコボサーキット”の導入を始めとした,幅広いアップデート内容
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印刷2007/08/28 22:13

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「FFXI」大規模アップデート情報:“チョコボサーキット”の導入を始めとした,幅広いアップデート内容

 スクウェア・エニックスは本日8月28日,MMORPG「ファイナルファンタジーXI」(以下,FFXI)の大規模アップデートを実施した。前回の大規模アップデート(2007年6月6日)から約3か月ぶりとなる今回のアップデートの見どころを,さっそく紹介していこう。



■チョコボを育成していない人でも気軽に参加できる
■“チョコボサーキット”

チョコボサーキットは,各都市に設けられたゲートを通り,共通エリアへと移動して楽しむ。この共通エリアを介して,都市間の移動を行うことはできない
 今回のアップデート項目の中でまず注目したいのは,FFXIでは初のギャンブル風コンテンツとなる,“チョコボサーキット”。これは,2006年10月から段階的に実装されてきた“チョコボ育成”から“チョコボレース”へと続く流れの,集大成といえるものである。それでいて,これまで自分でチョコボを育てていない人でも,気軽に参加できるというのが大きなポイントだ。

 チョコボサーキットに参加するには,サンドリア,バストゥーク,ウィンダス,ジュノ,アトルガン白門の主要5都市から,サーキット専用のエリアへと移動する必要がある。そして,“冒険者参加レース”と“勝鳥投票”の2種類の中から,どちらか好きなモードを選んで楽しめる。

 “冒険者参加レース”は,プレイヤーが育成したチョコボをレースに出走させるモード。従来のチョコボレースと同様,自分で直接チョコボを操作できるわけではないが,着順に応じてギルと“勝鳥点”というポイントが獲得できる。それによって,C4ランクからC1ランクへとステップアップしていく。獲得賞金はランクに応じて高くなっていくので,手塩にかけたマイチョコボとともに,C1ランクを目指そう。

 もう一方の“勝鳥投票”は,8匹のチョコボが出走するサーキットの,1着と2着を連勝複式で予想するするという,正真正銘のギャンブルモードだ。勝馬投票券ならぬ“勝鳥投票券”の購入価格は,1枚100ギル。オッズは最大50000倍(100ギル×500倍,払い戻し上限額5万ギル)となっている。パドックで出走チョコボの状態を調べ,オッズ表と財布の中身を見比べながら着順を考える醍醐味は,本物の競馬さながらである。

 専用エリアで繰り広げられるチョコボサーキットは,チョコボレースとは異なりイベントシーンだけで終始しない。観客席からレースを眺めつつ,ほかの参加者と共に一喜一憂するなど,これまでになかったコミュニケーションを楽しもう。4種類のレースが一定周期で常に行われているため,ちょっとした暇つぶしにも利用できるコンテンツだ。

左:サーキット用エリアの内部は,意外と広い。今後,サーキットのほかにも,なんらかの施設が設置されるのだろうか? 中央:“勝鳥投票”では,このようにオッズも表示され,なかなか本格的。現在は複勝のみだが,より手軽な単勝モードの導入にも期待したい 右:観客席で,ほかのプレイヤーとレースの観戦ができるのがポイント。やはり,これでこそMMOゲームである


■基本ステータスの見直しや“グリップ”の導入など
■両手用武器の有用性が大幅にアップ!

両手用武器に特化した一部のジョブは,そのジョブ性能から“エース”というやや微妙な仇名を付けられていた。しかしその認識はもう古い!?
 今回のアップデートでは久しぶりに,ジョブバランスに大きく手が加えられている。これは,今回最大のトピックといえるだろう。その中核となるのは,“両手用武器”への大幅なテコ入れである。

 具体的には,両手用武器の使用時に,従来よりもキャラクターのステータス補正効果を大きく受けるようになった。例えばSTRなら与えるダメージが,DEXなら命中率が上昇するといった具合である。
 武器のダメージ値(ステータス欄で確認できる)が直接修正されたわけではないので,見てくれは大きな変化がないと感じるかもしれない。しかしその効果は,例えばメインジョブで両手用武器に慣れ親しんでいる人にとっては,体感どころか“想像以上”とすらいえる変化である。

 ステータスの補正効果アップは,両手用武器を操るジョブ全般にとって朗報といえるが,今回のアップデートではそれに加え,“竜騎士”“侍”“暗黒騎士”などのジョブに対し,ウェポンスキルのダメージ計算式の見直しも行われている。なかでも竜騎士に至っては,“物理命中率アップ”の上位ジョブ特性も追加され,まさに大躍進である。

 両手用武器のテコ入れは,それだけではない。これまで両手用武器の使用時は,オフハンドスロットの装備欄が空白になっていたが,ここに装着するための“グリップ”と呼ばれるアイテム群が,このたび新たに導入された。名前やアイコンからイメージするに,大きな武器を扱いやすくするための“握りの部分”だろう。
 グリップを装着することで武器が振り回しやすくなったり(=攻撃間隔短縮),ステータスが上昇したりなどのメリットが得られる。グリップの入手については,合成可能なタイプも多く,原稿執筆時点でも,すでにいくつかのグリップが競売(オークションハウス)に出品されていた。合成時に必要となるスキルが低いのか,意外と手ごろな価格で落札できるものもあるようだ。

左:早速,両手武器用のグリップを装備してみた。武器のタイプにより,対応するグリップが違うので要注意 中央:グリップの導入に伴い,競売にも新しいジャンルが設けられた。出品数を見てのとおり,合成を行うプレイヤーにとっては今が稼ぎ時のようだ 右:今までの大半のコンテンツにおいて,忍者はオールマイティといえる存在であった。このバランスが今後,どのように変化するか?


 これらの両手用武器に対するテコ入れラッシュが意味するのは,(FFXIプレイヤーにとっては言うまでもないだろうが)片手用武器への肉薄である。

 今までのFFXIでは,“忍者”のジョブ性能がずば抜けて高く,大半の前衛ジョブがメインまたはサポート用として忍者を選ぶという状況が,長らく続いていた。なかでも忍者が有するアビリティの“二刀流”(片手武器を両手に装備する)と,“空蝉の術”(自らの分身を作り出す)の併用が強力で,それに押し出される形で,両手用武器の出番が減っていたのである。
 しかし今回の変更により,両手用武器を扱うジョブは,アタッカーとしての長所が大きく強化されたことになる。「忍者さえいればいい」という状況が緩和され,ケースバイケースで前衛ジョブを選べるようになるのは,ほとんどのプレイヤーにとって大歓迎といえるだろう。

 特筆すべきは,こういったバランス調整が,そのジョブを愛するプレイヤーを萎えさせる“弱体化”ではなく,基本的に前向きな内容で行われていることだ。それでいて現在のFFXIは,いまだに極端なパワーインフレが生じていないのだから,大したものである。
 その結果,旧コンテンツのゲームバランスが破綻しづらく,ひいてはリリース後5年もの長きに渡ってプレイヤーを惹きつけるバランシングが,維持されているのだろう。

 そのほかのジョブバランス調整で注目したいのは,“コルセア”のパーティに対する支援効果の引き上げである。これは,支援役としては磐石の地位をキープしてきた“吟遊詩人”に迫るどころか,ロール値(サイコロを振って決めるので毎回ランダム)によっては,それを超える可能性すら出てきたのだ。
 もっとも,吟遊詩人は敵への弱体化能力が依然として突出しており,一方のコルセアは銃器によるアタッカー能力を持ち合わせている。なので,両者が席を奪い合うということにはならず,うまく住み分けできるのではないか,と筆者は考えている。それにしても,この2ジョブが力を合わせた際の支援効果は,一体どれほどのものなのだろうか……。

 また,コルセアの支援能力は,パーティに参加するメンバーのジョブによって大きく変化するため,従来の常識に捉われない,フレキシブルなジョブ構成の追及も面白そうである。「アトルガンの秘宝」の発売から1年と4か月が経ち,このジョブも一つの完成形に達したようだ。



■「アトルガンの秘宝」での総決算ともいえるアップデート内容
 「アトルガンの秘宝」で導入された各コンテンツについても,細かな,しかし重要な変更が目白押しだ。
 近年のFFXI大規模アップデートは,大体2か月半〜3か月の周期で行われている。したがって次回は11月前後であることが予測できるが,その頃には,次期拡張データディスクである「アルタナの神兵」のリリースが目前に迫っているわけで(2007年冬を予定),今回のアップデートは「アトルガンの秘宝」期の総決算の意味合いが強い。

 それを代表するのが,いよいよクライマックスに差しかかったアトルガンミッションだ。前回の追加ミッション分をクリアした多くのFFXIプレイヤーが,続きの展開が知りたくてうずうずしていたのではないだろうか? 個人的にも,本稿の執筆を終えたら,真っ先にこのミッションに挑戦してみたい。
 そしてミッションがクライマックスを迎えるということは,「ジラートの幻影」における“トゥー・リア”や,「プロマシアの呪縛」における“アル・タユ”に相当する,世界観/戦利品の両面におけるボーナスリージョンの登場も期待できるかもしれない(あくまで筆者の予想だが)。

 30分くらいで手軽に遊べる“アサルト”については,新たに5種類の作戦目標が追加されている。そして,定型文辞書に“中尉”と“大尉”の2語句が追加されていることから,“少尉”以上の昇進が可能になっているのかもしれない。

左:アトルガンミッションのストーリーは,ぐいぐい惹き込まれる魅力がある。何よりも,バトルフィールド戦での難度がほどほどなのが良い 中央:個性豊かなNPCが,これでもかというくらいに登場するFFXI。少尉以降のストーリーも気になるばかり 右:個人的に現在のFFXIでイチオシなのが,この“ナイズル島調査指令”。何度プレイしても飽きず,上達すればするほど面白くなる


 タイムアタックにも似た独特の緊張感が,FFXIプレイヤーに新たな魅力を提供している“ナイズル島調査指令”については,一見分かりにくいものの,とても興味深い追加がなされている。最終目標である100層のクリア時に得られる特別な武器を,“アトルガン白門”にいるNPCに預けられるようになったのだ。そのNPCは,“サルベージ”の報酬を与えてくれるNPCと同一人物である。ちなみにサルベージは,現在のFFXIにおけるハイエンドの防具アイテムが得られるため,現在コアプレイヤーからの人気が高いコンテンツだ。

 ナイズル島で得られる武器に関しては,現時点ではとてもではないが性能が高いとはいえず,その入手難度から察するに,何らかの手段でアップグレードされるだろうことが有力視されていた。それがここに来て,サルベージの防具と釣り合う武器になるのではないか,との見方が,現実味を帯びてきたのだ。
 NPCに武器を預けた後,どうなるのかというところまでは確認できていないが,今後どのような展開が待ち受けているのか,非常に気になる。場合によっては(武器のアップグレードが可能なら),コアプレイヤーが軒並み“ナイズル島調査指令”の攻略に注力することになるかもしれない。まだナイズル島調査指令を未経験だという人は,こちらの記事を参考にしつつ,挑戦してみてはいかがだろうか。

 前回の大規模アップデートで導入された多人数コンテンツ“エインヘリヤル”は,出現するモンスターの最大HPが全体的に減少する,という形で難度が調整されている。確かに以前のエインヘリヤルは,モンスターがあまりにも強く(そして数が多く),それに対抗するための手段がかなり限られていた。さらにドロップアイテムが渋いこともあり,“デュナミス”などに比べると物足りなさを感じていたプレイヤーもいたことだろう。今回の難度緩和により,多くのチームが,エインヘリヤルを攻略できるようになるのではないだろうか。

 最後に,獣同士を戦わせるユニークなコンテンツ“パンクラティオン”については,検証期間が延長され,導入日が9月11日に延期されている。昨今のFFXIではこのような形で,大規模アップデートからタイミングを遅らせて,特定のコンテンツを導入することが多いが,その完成度やいかに。実際にパンクラティオンで遊べる日を楽しみに待ちたい。(ライター:川崎政一郎)

左:まさかこのNPCが,ナイズル島調査指令に関わってくるとは予想外であった。確かに,海底遺跡から財宝を引き上げる,というコンセプトに合致している 中央:“エインヘリヤル”でのワンシーン。多人数を対象としたコンテンツだが,まだ導入されたばかりということもあり,長い目で見守っていきたい 右:“ビシージ”については,敵が攻め込んでくる際に制限時間が設けられるなど,システムの根幹に関わる調整が,いまだ続けられている




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