Thermaltake Technology(以下,Thermaltake)は,高性能なグラフィックスカードなどに十分対応できる冷却能力を持つとするミドルタワーケース
「C1」,フルタワーケース
「C2」や,マイクロコンプレッサを採用したフェーズチェンジ冷却装置
「R134a」(いずれも開発コードネーム)を,CeBIT 2008の会場で一部報道関係者に公開した。
Thermaltakeが現在開発中の新型PCケース。左がフルタワーのC2,右がミドルタワーのC1
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R134aフェーズチェンジクーリングシステム
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徹底してエアフローと冷却能力を意識したC1&C2
R134aは,市販される可能性も?
C1およびC2は,電源ユニットをケース底面に置き,電源ケーブルなどをケース向かって右側面に通して配線できるようにすることで,内部の通気性を確保している。また,CPU部分と拡張スロット部分で独立したエアフローが得られるよう,パーティションで仕切れるほか,電源ユニット部にもカバーが設けられ,熱源となる各部を完全に分離できるとのこと。
CPU部分と拡張スロット部分で独立したエアフローを得るためのパーティションを設けられるほか,カバーによって電源ユニットがケース内の熱の影響を受けないようになっている。また,ケース下部からの吸気も可能。マウントホールを見る限り,120/140mm角ファンに対応するようだ
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ケース上部には,排気用となる150mmファンが装着され,上部前面にはデザイン的なワンポイントとなるエアインテークを装備。また,マザーボードの
CPUソケット部裏面に当たるところにもファンを搭載できるようになっており,マザーボードを裏側からアクティブに冷却することすら可能だ。
“CPUの裏面”にファンを搭載可能で,熱を持ちやすいCPU周りの基板を背面から冷却できるようになっている |
ケース天面前方に設けられたエアインテーク。CPUに外気を送り,天面と背面のファンで逃がす |
写真右手奥に見えるのが可動式の120mm角ファン機構。手前となるケース背面には,液冷チューブ/パイプ用の出し入れ口も用意される
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グラフィックスカードに対して十分なエアフローを与えられるよう,前面ドライブベイ部分に可動式の120角mmファン機構を搭載するのも特徴だ。同ファン機構は,3.5インチベイのスペースを有効活用できるようになっており,複数台のHDDを搭載したRAIDシステムなどの冷却効率向上にも寄与しそうである。また細かい点では,液冷ユニットにも対応すべく,本体背面にはチューブ/パイプの出し入れ口が設けられていた。
気になるデザインに関して,展示機は比較的落ち着いた外観だが,背面や内部まで真っ黒に塗ることで,
「よりマッシブなイメージに仕上げる計画もある」(Thermaltake)という。2008年6月に台湾で開催されるCOMPUTEX TAIPEI 2008で,量産モデルが正式に披露される見通しだ。
R134aの構造
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一方のR134aは,現在のところSIやOEM向けとして開発が進められているフェーズチェンジタイプ(※発熱で気化しやすい液体を用いた意。冷蔵庫のようなイメージ)のCPU冷却ユニットだ。R134aは,「マイクロコンプレッサ」と呼ばれる小型コンプレッサを採用し,低温の冷却液を循環させることで,より優れたオーバークロックシステムを構築するという。
Thermaltakeの関係者は「システムのアセンブリ(=組み立て)が難しいため,現在はSIやOEMをターゲットにしているが,市場からの要望が大きければ市販も検討する」と述べていた。
螺旋状の細いパイプで冷却液のプレッシャーを低くし,CPUの熱で気化させる。マイクロコンプレッサで圧力をかけることによりその温度を高め,さらにラジエターで急速冷却することで,液状に戻すという仕組みだ
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ところで同社のブースは,10本の拡張スロット用スペースを持ち,Skulltrailシステムにも対応するフルタワーケース「XaserVI」「Armor+」をメインにした製品展開が行われていた。両製品のミドルタワー版「XaserVI MX」「Armor+ MX」が公開され,また,XaserVIのガンメタルモデルなども用意していた。
Thermaltakeが投入予定の新製品群に一貫しているのは,今後,熱問題がますます重要になるハイエンドのゲーム環境をターゲットしていること。自作派ゲーマーは同社の動向を注視しておいたほうがよさそうだ。
左から順に,XaserVIの新色であるガンメタルモデル,「Armor+ MX」,「XaserVI MX」。右の写真で示した後二者はまもなく市場投入される予定だ
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XaserVIのデザインコンセプトをモチーフにしたゲーマー向けキーボード「Xaser Keyboard」が参考出品された。青色LEDを備えた40mm角ファンを2基,パームレスト部に搭載し,ユーザーがファン回転数を変更しながら,ゲームで熱くなった手のひらを冷却できるというのがウリだ。もっとも,キーボードそのものの性能は“普通”という印象だったが……
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NVIDIAが推進する「ESA」(Enthusiast System Architecture)に対応した液冷システム「BigWater T80e」,冷却液タンク部にESA基板を装備する
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6本のヒートパイプと140mm角相当のファンを組み合わせたCPUクーラー「BigTyp 14」(左)と,4本のヒートパイプにやはり140mm角相当のファンを組み合わせた「Heatpipe Value」(右)
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Thermaltakeの電源ユニット製品シリーズに追加されるアッパーモデル「Toughpower XT」。電源ユニット内の温度警告などを行うLEDを装備する
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