プレイレポート
聞きしに勝る大作MMORPG「The Tower of AION」の先行プレイレポートを4Gamerに掲載
そんなAIONは,本日(5月22日)から,待ちに待ったクローズドβテスターの募集が始まっている。今後もなにかとサービススケジュールが予定されているので,AIONに注目している人は細めにチェックしておきたい。
今回は,開発中のAIONに直接触れる機会が得られたので,そこで判明した新情報の数々をたっぷりとお届けしていこう。CBTに応募しようかどうか悩んでいる人にとっても,きっと大いに参考になるはず。スクリーンショットの1枚1枚まで,じっくりと目を通してみてもらいたい。
キャラクターのバリエーションの幅広さはトップクラス
とはいっても,二種族の能力は少なくとも序盤では大差がなく,キャラクターの見た目が主な選択材料となるだろう。天族から見ていくと,比較的オーソドックスで万人向けの外見だ。ヒューマンとエルフの良いところ取りをしたような美形揃いで,20種類以上あるテンプレートにざっと見を通すだけでも,いわゆる“ハズレ”の類がほとんど見当たらないことに驚かされる。これらをベースに細部を調整すれば,見た目には相当こだわる日本人のプレイヤーでも,きっと納得のいくキャラクターが作れるはずだ。
天族のキャラクターの外見は万人受けしそう。テンプレートをベースに軽く調整するだけでも,日本人プレイヤーから見ても満足できるキャラクターが作れるはず |
こちらは魔族のキャラクターだが,目と爪に注目。さらに背中にはたてがみも生えており,名前に違わずワイルドな雰囲気 |
一方の魔族のキャラクターは若干筋肉質で,肌の色が暗めである。そのためかヒューマンとダークエルフをミックスしたような印象。魔族は他にもいくつか外見面で特徴的な要素があり,鋭い爪と,背中にたてがみを有しており,そして戦闘時には目が赤く光る。
もちろん,キャラクターエディットの調整次第では,天族のキャラクターを浅黒い肌にしたり,魔族で可愛い系の顔を作ったりすることも可能だ。このカスタマイズ機能に関しては,本日掲載の別記事で詳しく解説しているので,併せて参考にしてもらいたい。
オーソドックスながらも,細かなところで気配りが見られる基本システムの数々
キャラクターを作成し,ログインした直後の画面。MMORPGタイトルを複数経験している人なら,各UIの機能はなんとなくイメージできるだろう |
チュートリアルのウィンドウではショートムービーが再生され,しかも音声ナレーションまで行なわれる。これなら初めてMMORPGに接する人でもプレイしやすそうだ |
クエストログ内で青い文字で記された単語をクリックすると,別ウィンドウで説明がなされる。バックグラウンドストーリーなどのちょっとした知識が自然と身に付く |
クエスト関連のNPCは頭上に青いマークが点灯。ゲームの序盤は遭遇するNPCに片っ端から話しかけていれば,たいていなんらかの進展がある |
モンスターのポップ地域が地図に記入されるため。戸惑わずにクエストが進められる。このシステムに慣れてまうと,ほかのMMORPGでは物足りなさを感じてしまうかもしれない |
画面右上には,クエストの進行状況を任意で表示できる。MMORPGのスタンダードな機能はひととおり押さえられている |
討伐系のクエストの場合も,ログ内にあるモンスター名をクリックすれば生態系などが分かる。さらにそこからワンクリックで,ポップしている地域がマップに記入されるのだ。記入されるマップも,“通常マップ,ミニマップ,半透明マップ”の3種類から選べ,まるでストレスを感じることなくクエストが進められる。
この優れたナビゲーションシステムのおかげで,現在クエストを通じて自分が行っている行動に,なんの意味があるのかを自然と理解しながらプレイできる。その結果,多くのMMOでありがちな「お使いクエストを“させられている”」感じがしない。長い目で見れば,アトレイアへの世界観に対する愛着も,より強くなっていくことだろう。
戦闘は,全体的にテンポがよく,アクティブスキルを使うと打てば響くようなレスポンスが得られる。スキルコンボもクラスごとにたくさん用意されており,例えば盾でブロッキングを行った瞬間に別スキルを使って(判定は1秒程度),「盾で敵を殴ってスタンさせる」ことができた。しかも,ブロッキングを起点としたものだけでも複数の派生コンボがあり,ワンパターンな戦闘になりにくい。PvPの際は,格ゲー用語でいうところの“二択,三択”的な展開もあるかもしれない。
盾によるブロッキングが発動した瞬間,画面中央に一瞬アイコンが点等する。これをクリックすると次のコンボへと繋がる |
画面はシールドウイングのスキルコンボツリー。盾から派生するコンボだけでも,これだけの種類がある |
スキルが発動/中断する瞬間などを細かくチェックしたが,ラグの類は見受けられなかった。アクションとしてのベースがしっかりしているので,PvPなども大いに期待でき |
習得したスキルをショートカットに登録して使っていく。細部に様々な工夫がなされてはいるが,ゲームとしての骨格は非常に堅実な印象を受ける |
遠隔系のアタッカーが重い一撃を放つ瞬間に一歩踏み出すなど,工夫次第で有効活用する場面はいろいろあるだろう。ベテランプレイヤー同士が決闘を行っている場面は,第三者から見ても楽しめそうだ。
今回はプレイ時間の都合上,全クラスをくまなくプレイすることまではできなかった。また,ほとんどタイムラグがないテストワールドということもあって,判断を下すのは早計だが,アクションはかなり期待してよさそうである。
クエストの流れをひととおり理解する頃には,“ミッション”にも挑戦できるようになる。クエストが基本的に1本で完結しているのに対し,ミッションはある程度ストーリーが連続しているのが特徴だ。とはいえ1本のミッションの長さはクエストと同程度で,先述したナビゲーションシステムも適用されている。情報サイトの参照が必須なタイプではない。
レベルアップに必要な経験値量は全然キツくなく,能登ボイスに耳を傾けながら進めていくだけでも簡単にレベル3〜4まで到達できた。また採取や製作スキルを使うことでも,わずかながら経験値が得られるようだ。このまま順調にプレイを続けていれば,冒険者にとっての転機であるレベル9までは,長くても1〜2日で到達できそうである。
ミッション関連のNPCは,黄色いマークで確認できる。来るべきアビスでの戦い向けて,少しずつストーリーが進んでいく |
ミッションの名前の色を見れば,自分のレベルに見合っているかどうかが分かる。赤色のミッションに挑戦するのはしばらく先になりそうだ |
そのほかの基本システムをスクリーンショットで入念にチェック
ここまでで説明したほかにも,実はかなりの発見があった。
画期的というほどではないものの,痒いところに手が届くシステムが多く,MMORPGのベテランプレイヤーなら思わず唸らされるかもしれない。これらに関してスクリーンショットとキャプションで軽く紹介していこう。
レベル9で転職。世界が一気に広がる
キャラクターの作成時に選べるクラスは4種類。そして,レベル9以上を対象とした転職クエストを達成すると,二つずつの上級クラスへと派生していく。まずは念のため,クラス構成を再度紹介しておこう。
ソードマン →ソードウイング,シールドウイング
ストライカー →ボウウイング,シャドウウイング
ウィザード →スピリットウイング,スペルウイング
クレリック →キュアウイング,チャントウイング
この転職クエストは,いくつかのパートで構成されており,基本的にマイキャラは自らのルーツを追い求めていくことになる。そして天族のキャラクターは「かつて過去に経験した出来事の夢」,魔族のキャラクターは「これから未来で起こることの暗示」を経験していくのだ。ストーリーの詳細は伏せておくが,この一連クエストで初めてPvP地域の“アビス”へ降り立つなど,ストーリー全体を通しても重要な意味が含まれていそうだ。
このクエストをコンプリートすることで,天族のキャラクターは“エリュシオン”,魔族のキャラクターは“パンデモニウム”の中心都市エリアへと足を踏み入れられるようになる。そしてキャラクターは“ディーヴァ”(飛行できるキャラクターくらいの意味)としての洗礼を受け,めでたく転職,というわけだ。
エリュシオンの由来はギリシャ神話における死後の楽園で,神々に愛された英雄達の魂が暮らす世界である。AIONでは天界そのものとして使われている**02:パンデモニウムは地獄の都市で,魔族の拠点として相応しい名前だ。建築物の格調が高いのはエリュシオンと同じだが,全体的な景観はまるで異なる | |
浮遊感を見事に再現した“飛行,滑空”は必見!
転職後の8クラスは,それぞれが“〜ウイング”と名付けられている。すべてのキャラクターが無条件で空が飛べるようになるのだ |
だが,今回のテストプレイでそれらを大きく上回るインパクトを受けたのは,レベル10でキャラクターが空を飛べるようになることであった。
AIONでは大きく分けて,「飛行」と「滑空」の2とおりの方法で空を飛べる。まずは飛行から見ていこう。操作方法としてはPageUpキーで空中に浮かび,その間はW/A/S/Dキーと右ドラッグの視点変更で移動ができる。またマウスクリックによる移動も可能だ。
オブジェクトがある場合はそこが目的地となり,その方向へと進んでいく。一人称視点ならまだしも,三人称視点で内部的にどういった仕組みになっているのかは不明だが(リネージュIIの水泳と似ているのかも),とにかく直感的に操作できるのは確かだ。
空は時間の経過によって色合いが微妙に変化していく。360度きままに空を飛んでいると,空の景色に思わず吸い込まれそうになることも |
建物はPCが上に乗ることを考慮しており,屋根などもしっかり作られている。デザイナーの作業は大変だったようだ |
AIONでは空中戦も可能。ただし飛行時の制限時間が1分あるため,常に足場の位置を確認しながらのバトルになりそうだ |
時間切れになると羽は消えてしまう。空が飛べることでゲームバランスが極端に破綻することはなさそうに思えた |
実際に空を飛んでみて印象に残ったのは,浮遊感の見事さ,そして空の美しさだ。今となっては“空を飛べる”MMOはそれほど珍しくはないが,AIONでは羽ばたきもリアルで,優雅にそして気持ちよさそうに飛んでいるなぁと心底感じられる。空の美しさも特筆すべき点で,自分が真っ先に連想したのは,ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した写真であった。今回の記事では,これらの模様を動画で紹介できなかったのが心残りである。
続いては滑空だが,これは“落下中に”Spaceバーを押すことで,羽をグライダーのように使って飛べるというもの。羽ばたかないため大きく上昇はできないものの,慣性を利用しつつ向きを調整することで,意外と遠くまで飛ぶことができる。再度滑空を行う際は,10秒程度のクールダウンタイムが設けられているようだ。
発動条件が落下中であるため,平地でのジャンプから滑空を始めるのは難しい。そのため最初は手こずっていたのだが,下り坂を利用すれば意外と簡単にできることに気付いて,それからは,この機能の虜に。テストプレイが終了するまで,クールダウンが回復するたびにひたすら滑空していた気がする。
滑空の繊細な動きには,CryENGINEの実力がいかんなく反映されている。飛行が注目されがちだが,この滑空もかなり楽しい |
滑空をを知ってからは終始「一人で鳥人間コンテスト」状態。横で見ていたNCJの担当者がどう思ってたのかを考えると少々恥ずかしい |
とりあえず「ゲーマーなら必見」の内容
繰り返すが,AIONはこれからサービス開始に向け急ピッチで動き出す。なにはともあれ,本日開始のCBT募集を見逃さないように |
世界観も新鮮で,見慣れたファンタジーというよりも,自分が神話世界の壮大な争いに足を踏み入れたような印象を受ける。例えば普通のMMOが,クラス名称に“〜ウイング”などと付けたら,どうしても浮いてしまうことだろう。だがAIONでは,そんな茶々を入れさせない貫禄のようなものがすでにある。
各種ゲームシステムが初心者に向けて懇切丁寧なほか,日本版ローカライズのクオリティも好感触であった。同社のローカライズ力の高さは,個人的には世界同時サービスを行うGuild Warsで把握していたが,今回のAIONでは改めてそれを実感した次第である。
今後のローカライズ作業に関しては,NPCとの会話内容の音声吹き替えを充実させるとのこと。これらの作業がひととおり終わったら,もしかするとAIONは既存のMMOファンのみならず,もっと幅広いプレイヤー層も狙っていけるのではないだろうか。同社が今後,このタイトルをどのように売り出していくのかにも注目したい。
そして末恐ろしいのは,今回プレイできた範囲はゲーム全体としてはまだまだ序の口という事実だ。例えば,各クラスの詳細や,PvP(PvPvE)そしてRaidなど,まったく触れていないシステムが多々ある。……いやはや,とてつもないタイトルがやってきたものだ。
まだAIONの全貌を目にしていない現時点で,評価を下すつもりはないのだが,MMORPGのファンであろうがそうでなかろうが,「ゲーマーならとりあえず一度見る価値はある」くらいのことは言い切ってもよさそうだ。
ちょっと気が早いが,クローズドβテストに当選した人は,ぜひ自分の目でAIONを確かめてみてほしい。
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