連載
「キネマ51」:第4回上映作品は樋口真嗣監督作品「巨神兵 東京に現る」
1980年代前半に関西で活動していた自主制作特撮映画会社“DAICON FILM”が、1983年に制作した「帰ってきたウルトラマン マットアロー1号発進命令」のこと。DAICON FILMは,アニメ・ゲーム制作会社GAINAXの母体となった。この作品は,一度DVDで限定発売されたが,今回の博覧会の会場とGAINAXの通販サイトで期間限定販売されている
[2]水野久美さん,波川女史,X星人
水野久美さんは,東宝特撮映画に欠かせない名女優。波川女史(波川玲子)とX星人は,「怪獣大戦争」(1965)に登場した重要キャラ。ほかに,「マタンゴ」(1963)の関口麻美役としてもおなじみ。二人が盛り上がっているのは,特撮関連のグッズを製造・販売するメーカー「M1号」によるブロマイド,「東宝特撮コレクション 水野久美集」および「ウルトラ怪獣大行進!!」である
[3]プロップ
プロップとは,映画などで使われる小道具のこと
[4]アイアンロックス
ウルトラセブン第21話「海底基地を追え」に登場する軍艦ロボット。海底から引き上げられた過去の軍艦からミミー星人が作ったロボットだが,着ぐるみのため,質感が柔らかい。しかし,相当かっこいい!
[5]小松崎 茂先生
日本の特撮イラストの第一人者。1940年代のいわゆる空想科学(SF)小説の挿絵で名を馳せ,1960年代以降はプラモデルのパッケージアート(ボックスアート)でその人気を不動のものにした。とくに,タミヤの戦車や,今井のサンダーバードシリーズなどが有名。1984年に発売された南 佳孝のアルバム「冒険王」のジャケットなど小松崎画風を愛するファンが,他ジャンルから依頼するケースも多い。PlayStation 2用ソフト「メタルギアソリッド2」の限定版冊子でもイラストを見ることができる。2001年没。享年86歳
[6]轟天号
1963年公開の「海底軍艦」などに登場する軍艦。デザインは,前述の小松崎 茂。のちに公開された日本初の本格スペースオペラ「惑星大戦争」(1977)にも登場するが,デザインは一新(デザイン:井上泰幸)。リボルバー型の戦闘機発射口が特徴
[7]マイティジャック
1968年に放映された特撮テレビドラマシリーズ。OPのナレーション「マイティジャックとは,近代科学の粋を凝らして建造された万能戦艦,マイティ号に乗り組んで,科学時代の敵,Qから現代社会を防衛する11人の勇者たちの物語である」ですべてが分かる。オープニングの映像とナレーション,冨田 勲氏による音楽の融合が素晴らしい
[8]ITC
「サンダーバード」や「スティングレイ」などジェリー・アンダーソン率いるAPフィルムズが制作していた人形特撮(スーパーマリオネーション)テレビシリーズを配給していたイギリスの会社。マイティジャックのオープニング映像には,「スティングレイ」や「謎の円盤UFO」などの影響が見られる
[9]ナディアとか,エヴァンゲリオン
特撮博物館,館長,庵野秀明氏の監督作「不思議の海のナディア」(1990),「新世紀エヴァンゲリオン」(1995)のこと。ともに,マイティジャックやITC作品の影響が見られる。とくにエヴァンゲリオンのオープニングの演出は,ITC作品「謎の円盤UFO」のオープニングへのオマージュともいえる愛が感じられるもの
[10]レイ・ハリーハウゼン
アメリカの特技監督。ストップモーション・アニメーション(人形などを少しづつ動かしながらコマ撮りし,動いているように見せる撮影手法)の第一人者。「シンドバッド七回目の航海」(1958)がとくに有名で,ハリーハウゼン作品の紹介で必ず出てくるのが同作に登場する一つ目の巨人,サイクロプスである
[11]オプチカル合成
映画の特撮技法の一つ。光学合成とも呼ばれる。撮影済みのフィルムに,追加撮影したものを合成する技術。オプチカル・プリンターという特殊なカメラによって撮影される
[12]舞城王太郎
日本の作家。代表作は,「煙か土か食い物」(2001),「阿修羅ガール」(2003),「好き好き大好き超愛してる。」(2004)など。覆面作家として有名で,過去にいくつか賞を受賞しているが,授賞式に参加していない。「巨神兵 東京に現わる」では,林原めぐみが読む“言葉”を綴っている
[13]「ローレライ」の潜水艦,“伊507”[13]
2005年公開の樋口真嗣監督作品「ローレライ」に登場する潜水艦。第二次大戦末期,ドイツからの譲渡潜水艦UF-4を伊507と呼称をあらためたもの。この潜水艦には,ナチスの開発した謎の兵器“ローレライ・システム”が搭載された。特撮博物館には,海洋堂が制作した“伊507”の特大モデル(約6m)が展示されていた
[14]成田 亨
1942年生まれの特撮美術監督。「ウルトラQ」「ウルトラマン」「ウルトラセブン」「マイティジャック」などで,ウルトラマンをはじめとするキャラクターや怪獣,メカ,防衛隊のコスチュームや基地のセットなどもデザインする。帰ってきたウルトラマン(新マン)以降のウルトラマンデザインには,関わっていない
[15]ティガ以降
1996年放映のウルトラマンシリーズ。いわゆる平成ウルトラマンの第一作。「ウルトラマン80」以来16年ぶりの新作ということもあり,それ以前のウルトラマンと分けて考えられる。ちなみに,平成ウルトラマンは,ティガ,ダイナ,ガイアまでが,平成初期三部作,それ以降はコスモス,ネクサス,マックス,メビウスと続く。支配人の平成ウルトラマンへの思い入れはかなり深い
[16]板野一郎
アニメーター,演出家。ウルトラシリーズでは,ネクサス,マックス,メビウスでCGによるアクション演出を手がけている。板野氏といえば,代表的なのが,“板野サーカス”と呼ばれる空中戦闘シーンの演出。さまざまな軌道を描くミサイルや,緊張感あふれる画面の揺れ,戦闘機同士の交錯など,それまでに見たこともないような迫力のある戦闘シーンを作り出した。板野サーカスが見られる代表的な作品は,「超時空要塞マクロス」シリーズ
[17]樋口さんってCGの会社に所属していたような
CG制作会社,Motor/lieZのこと。現在も所属している。同社所属の佐藤敦紀氏は1990年代後半に映画予告編にCGによるタイトルワークを本格的に導入した第一人者。樋口氏と佐藤氏が制作した予告編は,ゲーム「アーマード・コア ラストレイヴン」のスペシャルムービーで見ることができる
[18]カプコンのゲームのオープニングの絵コンテもやってましたよね?
「新 鬼武者 DAWN OF DREAMS」で絵コンテを担当している
[19]映画「一軒家プロレス」
AVソフトメーカー,SOFT ON DEMANDが手がけた一般劇場公開作品の一作目,橋本真也&ソニン主演「あゝ!一軒家プロレス」(2004)。K-1選手で空手家のニコラス・ペタスなどが出演。高橋がなり,テリー伊藤らが制作に携わっていた
[20]ゴジラじゃなくて佐竹
K-1選手,佐竹雅昭。入場曲にゴジラシリーズ「怪獣大戦争」(1965)の主題曲「怪獣大戦争マーチ」が使われていた
[21]トリプルファイターみたいな感じで
「トリプルファイター」(1972)は,TBS系で放映されていた特撮テレビ番組。ほかの番組のように週一回30分という形式ではなく,月〜金の夕方10分間,五回分の放送で一話が完結するという変わったものだった。早瀬三兄弟という主人公たちが,レッドファイター,グリーンファイター,オレンジファイターに変身し,主に金曜日に,三位合体してトリプルファイターとなり敵を倒していた
- 関連タイトル:
地球防衛軍3 PORTABLE
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