プレイレポート
約10か月の時を経て再スタートを切った「キノスワールド〜騎士集結〜」,オープンβテストでのインプレッションをお届け
※本稿は,2009年8月19日時点での内容に基づくインプレッションです。
ご存じの方も多いと思うが,キノスワールドは2008年の7月に一度オープンβテストが開始されたものの,「ゲーム自体,プレイヤーに満足してもらえるレベルに達していない」という理由から同年10月にサービスを休止。そして約10か月間にわたる再開発期間を経て,リベンジマッチともいうべき2度めのオープンβテストに臨んでいるのだ。
ゲーム内容のリニューアルだけでなく,オープニングムービーにも力が注がれており,並々ならぬやる気がうかがえる本作だが,はたしてプレイヤーからの支持を獲得できるか否か。まずは,現段階でのプレイフィールをレポートしておきたい。
「キノスワールド〜騎士集結〜」公式サイト
頭身アップで見た目も一新!
パジャマ姿の伝説の騎士様がキノスワールドを救う?
……というバックストーリーに関しては,昨年の段階から変更されておらず,以前遊んでいたという人はスムースに遊び始められるはず。
そのうえ,新たに導入された,宮崎羽衣さんによる主題歌が流れるオープニングムービーのおかげで,ゲームの世界にグッと引き込まれること請け合いだ。
これは,イメージイラストに惹かれてゲームを始めたという人にとって喜ばしい点だろう。
キャラデザインが変わったとはいえ,ほのぼのとした世界観はしっかりと受け継がれており,初期状態のキャラが,パジャマ姿で枕を携えている姿を見ると,間違いなくキノスワールドなんだと実感できる。
この“寝起きスタイル”の主人公がどのように伝説の騎士へと成長を遂げていくか,実に楽しみだ。
3Dグラフィックスと横スクロールアクションの融合
見た目はカジュアルだが,腰を据えたプレイが求められる
キノスワールドには,このタイプのオンラインRPGには珍しく3Dグラフィックスが用いられている。街では奥行きのある3Dマップが舞台となり,フィールドに移動すると,横スクロール型のマップに切り替わる仕組みだ。
また,キャラの動きがキビキビと描かれる2Dゲームとは異なり,3Dアニメーションによるスムースなアクションが本作のウリとなっている。
ゲームを始めると,まずはチュートリアル的なステージをプレイすることになる。基本操作を習得しながら,最初の町となる「クラミストーン」へ移動しよう。
この街には,プレイヤーをこの世界に招いたレイチェルをはじめ,武器や防具,アイテムを販売するNPCなどがいるので,それぞれのキャラにひととおり声をかけておくといい。
NPCのうち,頭上に「+」マークが付いているキャラからは,クエストを請け負える。オープンβテストということで,実装されているクエストの数はさほど多くないようだが,普通に狩りを行うより多くの経験値が稼げるので,積極的にこなしていこう。
冷蔵庫経由でキノスワールドに足を踏み入れると,まずはレイチェルから簡単なクエストが与えられる。ここからのチュートリアルで,基本操作を習得しよう |
クエストには,報告だけで済むものや,アイテム集め,モンスターの討伐などがある。キャラがレベルアップしたら,街を歩き回って「!」マークが付いたNPCを探し,新たなクエストを請け負おう |
フィールドに出ると,いよいよペイモン達との戦いがスタート!
基本操作から説明すると,デフォルトでは,Xキーに弱攻撃,Zキーに強攻撃,そしてCキーにジャンプが割り当てられており,XとZのキーコンビネーションでコンボ攻撃が繰り出せる。
注意してほしいのは,敵がどんな動きをしているかに関わらず,触れただけでダメージを受けてしまうことだ。そのため,攻撃を繰り出すときは,手にしている武器の長さに応じ,間合いの取り方を変えることが重要となる。
最初のうちは,接近しすぎたり,挟み撃ちされたりして手痛いダメージをくらうこともあるだろうが,ゲームに慣れるにつれ,うまく立ち回れるようになるはずだ。
ジャンプにもちょっとしたコツがある。本作では,ジャンプの飛距離が短めに設定されているため,敵に接触せずに飛び越えるには,ギリギリまで近づいてから飛び上がる必要があるのだ。
また本作には,しゃがんだり,敵の攻撃を防御したりするアクションは用意されていないので,その点も頭に入れてほしい。
キノスワールドを初めてプレイするという人は,上で説明した本作の“クセ”に戸惑いを覚えるかもしれない。
だがキノスワールドの場合,倒されてもレベル5まではノーペナルティで,しかもその場で復活できる。レベル6になる前に序盤の草原フィールドで練習を積み,プレイのコツをしっかりつかんでおきたいところだ。
ジャンプは,距離も高さも控えめに設定されているため,小型のペイモンを飛び越えるのがやっと。慣れないうちは,ジャンプするたびに敵に触れてスムースに移動できず,ストレスを感じるかも。1に練習,2に練習だ |
休憩スキルを習得すれば,その場に座ってHPとSPを回復できる。とはいえ,回復スピードは5秒に2ずつと遅いため,狩りをするときはやはり,回復薬が欠かせない |
キャラレベルが上がっても,スキルが初期状態のままではあまり役に立たず,コンボをつないでいったほうが大きなダメージを与えられるとあって,かなり影の薄い存在になってしまっている。
スキル成長システムは,キノスワールドの特徴の一つでもあるので,早期に完全実装されることを期待したい。
レベル25で待望の転職が可能に!
しかし現時点では,道のりはかなり険しい
キャラクターのレベルが25に到達すると,特定のクエストをクリアすることで転職が可能となる。用意されているのは,「ファイター」「アーチャー」「メイジ」の3職業だ。
ファイターは,片手剣と盾を主装備とする近接攻撃型。アーチャーは弓を主装備とする遠距離攻撃型で,高い攻撃回避力を備えている。そしてメイジは,身体能力こそファイターやアーチャーに劣るものの,強力な魔法を用いる遠距離攻撃型の職業である。
転職クエストは,レベル25になった段階で「ペントランド」の「ジェイル」から請け負える。いずれの職業に転職する場合も,完了するまでに複数のクエストをクリアする必要がある。
ファイターを選んだ場合の,転職の流れを説明しよう。
最初のクエストは,「古代戦史の石」を入手することがクリア条件となっており,それを獲得するまで,岩場にいる「岩ファイモン」を狩りまくることになる。
次のクエストでは,廃坑内で,珍種「ダディタマ」を15匹倒す必要がある。最初のクエストよりも簡単そうに感じたが,道中に出現する敵のレベルが高く,なかなか奥に進めなかった。
最後のクエストは,同じく廃坑の最奥部にいる「ビッグブルキング」から,「兵士の壊れた剣」「兵士の壊れた盾」を三つずつ手に入れるという内容。そこまで行くのも一苦労するが,肝心のアイテムをなかなかドロップしてくれないため,我慢強く狩り続ける必要があるだろう。
これら三つのクエストをクリアすれば,めでたくファイターへと転職できる。転職後は,クラミストーンの「ヘミングウェイ」から,各職業専用の新スキル入手クエストを請け負えるようになる。
転職クエストの流れ(ファイターの場合)は上記のとおりだが,実はキノスワールドの場合,レベル25に到達するまでの道のりも,なかなか険しいものがある。レベル25と聞いて,「楽勝だ」と高をくくっていると,実際のハードルの高さに面食らうことになると思う。
ただ念のため述べておくと,だからといって,本作がカジュアルゲーマー向きでないかといえば,そんなことはないので安心してほしい。
要はバランスの問題で,例えば,レベルアップに時間がかかるにも関わらず,次のレベルに上がるまでに楽しめる要素が少なければ,プレイヤーは早いうちに飽きてしまうだろう。
逆に,適正レベル帯の敵がバラエティ豊かに用意されていたり,クエストやレアアイテムが充実していたりすれば,十分楽しめるはずだ。
本作は現在オープンβテスト中で,まだ実装されていないシステムも多い。そのため現状だけ見れば,コンテンツの量にやや物足りなさを感じるが,これについては,正式サービス開始以降のアップデートに期待したいと思う。
早期実装が望まれる各種システム
正式サービスでのフルスペックに期待
現在のマップには,ジャンプ台や金網など,さまざまなギミックが用意されている。マップリニューアル後も,このような楽しい仕掛けを残してほしいと思う |
強力な装備は,今のところモンスターからのドロップのみで,入手に苦労している人も少なくないようだ。生産システムが導入されれば,こうした供給不足も改善されるかもしれない |
また,現在使用されているフィールドマップは,旧キノスワールドのオープンβテスト時のもので,これも正式サービス開始時にリニューアルされることが決まっているという。
マップの地形や見た目が変われば,新鮮な気持ちで冒険に取り組めるだろうし,敵の配置変更もあり得るので,もしかすると戦闘が今より楽になるかもしれない。……まあ,これは,あくまで個人的な希望だが。
ともあれ,正式サービス開始に合わせ,システムやコンテンツが大幅に拡充される予定となっていることは,お伝えしておきたい。
欲をいえば,オープンβテストでも,もう少し多くのシステムや要素に触れさせてほしかったと思うし,そう考えている人が大半ではないだろうか。
以前4Gamerに掲載したインタビュー記事(1,2)の中で,GMO Gamesのアンディ・クォン代表取締役社長や,開発スタッフが語ってくれたアツいメッセージを信じつつ,今はオープンβテストでレベルアップに励みたいと思う。
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キノスワールド〜騎士集結〜
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