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【PR】超小型なのに超高速。「ALIENWARE X51」の2012年秋モデルはスリムデスクトップPCの常識を変える
2012年1月に登場した「ALIENWARE X51」は衝撃的な製品だった。それまでに存在したAlienwareのデスクトップPCは,まさに「巨大戦艦」という表現がぴったりの大型筐体を採用していたが,それがALIENWARE X51では新型Xbox 360より一回り大きい程度にまで小型化したのだから,注目を集めるのは必然だったと言っていいだろう。
ALIENWARE X51は,「小型のゲームPCでプレイできるのは負荷の低いオンラインゲーム程度」という“常識”を打破する存在だったわけだ。
そしてこの秋,ALIENWARE X51は,CPUとGPUを一新し,新世代モデルへと進化してきた。本製品が持つ最大のウリは,サイズと性能,消費電力,そしてBTO標準構成のバランスにあるわけだが,新モデルでの性能向上はどの程度で,肝心のバランスは保たれているのか。今回はそれらを明らかにしてみたい。
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スリムな筐体を継承しつつ
最上位モデルでは高スペックCPU&GPUを採用
ALIENWARE X51の2012年秋モデルは,1月に登場したALIENWARE X51から外観や基本仕様を維持しつつ,搭載するパーツのスペックを引き上げてきたモデルだ。
まずCPUは,最下位の「スタンダード」から最上位の「プラチナ」まで,すべてIvy Bridge世代のクアッドコアモデルとなる。
今回4Gamerで入手したのは「プラチナ」構成だが,本機が採用するのは,4コア8スレッド仕様の「Core i7-3770/3.4GHz」(以下,i7-3770)だ。自動クロックアップ機能「Intel Turbo Boost Technology」によって最大3.9GHzで動作するようになっているなど,世間一般の「ゲーマー向けデスクトップPC」と比べても,まったく遜色ない。
ALIENWARE X51の2012年秋モデルが搭載するGTX 660(OEM)カード |
GTX 660(OEM)。GPU上の刻印が「GK104-200-KD-A2」となっており,GK104ベースであることが分かる |
ただ,ここで注意したいのは,GT 640とGTX 660がいずれも,NVIDIAが同社のOEM(Original Equipment Manufacturer)となるPCメーカー向けに出荷しているものであるということ。もう少し分かりやすく言い換えると,ALIENWARE X51が搭載するGT 640やGTX 660は,4Gamerでレビュー記事を掲載しているGT 640やGTX 660とはスペックが異なるGPUということである。
前述のとおり,今回入手したのは「プラチナ」構成なので,採用するGPUはGTX 660ということになるのだが,PCパーツショップの店頭においてカード単体で購入できるGTX 660だと,GPUコアは「GK106」で,シェーダプロセッサとなる「CUDA Core」の数は960基(関連記事)。それに対し,ALIENWARE X51に搭載されるOEM向けGTX 660(以下,GTX 660(OEM))は,GPUコアが「GeForce GTX 680」と同じ「GK104」で,CUDA Core数も1152基と,スペックは見事に違っている。
4+2フェーズに見える電源回路もGeForce GTX 670のリファレンスカードとよく似ている |
搭載するメモリチップはSK Hynix製のGDDR5「H5GQ2H24AFR-R0C」(6Gbps品)だった |
表1は,GTX 660(OEM)とGTX 660,そしてALIENWARE X51の2012年春モデルにおける「プラチナ」が採用していた「GeForce GTX 555」(以下,GTX 555)のスペックを比べたものだが,GTX 660(OEM)では,CUDA Core(やテクスチャユニット)が多い分,動作クロックは全体的に引き下げられているのが分かる。同じ製品型番を採用するGTX 660との間で,性能差がなるべく出ないようにとNVIDIAが調整した結果だろう。
また,GTX 555との比較では,GTX 660(OEM)とGTX 660が,圧倒的に高いスペックを持っているのが分かる。「テストするまでもなく,春モデルとは次元の異なる3D性能を期待できる」と述べていいように思われる。
ちなみに,ALIENWARE X51が搭載するGTX 660(OEM)は,GPUコアクロックが仕様どおりである一方,メモリクロックは5600MHz相当(実クロック1400MHz)にまで,若干引き下げられている。
もう1つ,負荷状況に応じた自動クロックアップ機能「GPU Boost」がGTX 660(OEM)では有効化されている。「小型筐体のALIENWARE X51でどこまで上がる?」と気にしている人もいるのではないかと思われるのでお伝えしておくと,今回筆者が試した限り,ブースト時の最大クロックは940MHzだった。
ハイクラスな構成を収めきった小型筐体
OSはBTOでWin 7もWin 8も選択可能
さて,前段の冒頭でも述べたとおり,ALIENWARE X51の2012年秋モデルにおける外観は,1月のデビュー当時からまったく変わっていない。どことなくXbox 360を思わせるデザインや,縦置きと横置きが可能で,縦置き時に95(W)×318(D)×343(H)mmというコンパクトなサイズ,縦置き時でも横置き時でも問題なく吸排気できるよう用意されたスリットの構成も同じだ。
スペックの大幅な引き上げによって,外付けACアダプタの大型化が進んでしまったのではないかと危惧していたのだが,それも杞憂に終わっており,「プラチナ」モデルに付属のACアダプタは330W仕様で変化なしである。このあたりはIvy BridgeとKeplerを搭載する効果が出たといったところだろうか。
もっともこのあたりは,初代モデルのデビュー時点で十分過ぎるほどの完成度だったので,「GTX 555より長いGTX 660(OEM)カードでも問題なく搭載できるよう,春の時点で設計されていた」ことをより評価すべきであろう。
なお,新世代OSの登場もあって,OSがどうなったのか気になる人もいると思うが,結論から述べると,ALIENWARE X51をはじめとするAlienwareのゲームPCでは,従来どおりのWindows 7も,新しいWindows 8もBTOで選択可能だ。Windows 7を選んだ場合,2013年1月31日までの期間限定ながら,Windows 8 Proアップグレードのダウンロード版を1200円で購入できるため(関連記事),「まずは安全策でWindows 7を選んでおく」というのがアリではなかろうか。
PC自作市場向けGTX 660と比べて速い? 遅い?
カードを差し替えてALIENWARE X51の実力を検証
また,できれば2012年春モデルの「プラチナ」構成となるALIENWARE X51を入手したかったのだが,今回はそれがかなわなかったため,「Core i5-2320/3GHz」に「GeForce GT 545 GDDR5(OEM)」を組み合わせた,2012年春モデルの「スタンダード」も,参考までに比較対象としてテストすることにした。GeForce GT 545 GDDR5(OEM)はFermiアーキテクチャで144基のCUDA Coreを搭載するGPUなので,3D性能のイメージは「GeForce GTS 450」よりやや低め,といったことになるはずである。
そのほかテストに用いた新旧ALIENWARE X51の主なスペックは表2を参照してほしい。グラフィックスドライバは,テスト開始時点の公式最新版「GeForce 306.97 Driver」で統一している。
テスト方法は4Gamerのベンチマークレギュレーション12.2準拠。解像度は1600×900ドットと1920×1080ドットの2つを選択した。ただし,スケジュールの都合上,「S.T.A.L.K.E.R.:Call of Pripyat」と「Sid Meier's Civilization V」を省略し,代わりに「ファンタシースターオンライン2」(以下,PSO2)の「キャラクタークリエイト体験版」に用意されたベンチマークモードを実施することをあらかじめお断りしておきたい。
PSO2のテストでは,「簡易描画設定」を5としたウインドウモードで解像度を2パターンで変更したものと,1920×1080ドットのフルスクリーンモードで「描画簡易設定」を3と5にそれぞれ設定したときのスコアを取得する。
なお以下,2012年秋モデルのALIENWARE X51「プラチナ」は「ALIENWARE X51」と表記し,同製品でグラフィックスカードを一般PCユーザー向けGTX 660へ変更したものは「X51+GTX 660」,2012年春モデルのALENWARE X51「スタンダード」は「旧X51 STD」とそれぞれ表記して区別する。さらに,グラフ中ではALIENWARE X51を「X51」とのみ記すので,こちらもご了承のほどを。
GTX 660(OEM)とGTX 660はほぼ同程度の3D性能
2012年春モデルとの実力差は顕著
テスト結果を確認していこう。グラフ1は「3DMark 11」(Version 1.0.3)における「Performance」と「Extreme」の両プリセットで,総合スコアを比較したものだ。ALIENWARE X51のスコアはX51+GTX 660より若干高いが,その差は小さいので,むしろここは「ほとんど変わらない」と見るべきだろう。
ここで注目しておきたいのは旧X51 STDのとのスコア差で,ALIENWARE X51は実にトリプルスコアだ。ちなみに「GeForce 295.51 Driver Beta」を用いて,2012年春モデルのALIENWARE X51をテストしたときのスコアはPerformanceで3438,Extremeで1079だったので(関連記事),ALIENWARE X51はGTX 555搭載機の2倍近いスコアを示していると述べてよさそうである。
続いて「Battlefield 3」(以下,BF3)の結果がグラフ2,3となるが,ここでもALIENWARE X51とX51+GTX 660とのスコア差はほとんどない。そしてより重要なのは,アンチエイリアシングとテクスチャフィルタリングを適用していない「低負荷設定」では1920×1080ドット,4xアンチエイリアシングと16x異方性フィルタリングを適用した「高負荷設定」でも1600×900ドットで平均60fpsを超えてきていることだ。これはインパクトが大きい。
グラフ4,5の「Call of Duty 4: Modern Warfare」(以下,Call of Duty 4)では,ここまでと比べるとALIENWARE X51がX51+GTX 660より若干優位なスコア傾向にある。これはおそらく,Call of Duty 4ではシェーダプロセッサ数とテクスチャフィルタリング性能が“効く”ため,物理的にCUDA Core数とテクスチャユニット数の多いGTX 660(OEM)を搭載する効果が出たということなのだと思われる。
グラフ6,7は,「The Elder Scrolls V: Skyrim」(以下,Skyrim)のスコアだが,ALIENWARE X51とX51+GTX 660で比較すると,アンチエイリアシングとテクスチャフィルタリングをいずれも無効化した「標準設定」では前者が,8xアンチエイリアシングと16x異方性フィルタリングを適用した「高負荷設定」では後者が,それぞれ数%ずつ高いスコアを示した。Skyrimでは公式の高解像度テクスチャパック導入によってグラフィックスメモリ負荷が高くなっているため,メモリ周りのスペックに優れるGTX 660が,Ultra設定でGTX 660(OEM)を逆転したというわけだ。
もっとも,総合的に見れば「ほぼ互角」と述べて差し支えない。Ultra設定でも1920×1080ドットで平均60fpsに迫っていることからはむしろ,「高解像度テクスチャパックを導入した状態でSkyrimをプレイするにあたって,性能面での不満はない」と述べたほうが適切だとも思われる。
グラフ8,9にスコアをまとめた「DiRT 3」でも,ALIENWARE X51がX51+GTX 660に若干のスコア差を付けている。実フレームレートで,高負荷設定の1920×1080ドットで平均73.4fpsというのは,DiRT 3をプレイする前提に立ったとき,まったく申し分ないといえるレベルである。
比較的古めの世代に属するゲームエンジンを採用しているPSO2では,Call of Duty 4の結果をさらに先鋭化したような結果が得られた。グラフ10,11を見ると,ALIENWARE X51はX51+GTX 660より7〜13%程度高いスコアを示しており,「同じモデルナンバーでも,よりCUDA Coreおよびテクスチャユニット数の多いGPU」を利用できているメリットが強く出ているといえる。世間一般にある「GTX 660搭載のゲームPC」よりも,ALIENWARE X51のほうがPSO2には向いている印象だ。
消費電力は高負荷時でも200W未満
GTX 660(OEM)のほうがGTX 660より低い
GK104コアの下位モデル的存在となるGTX 660(OEM)を搭載するALIENWARE X51。容量330WのACアダプタで駆動する以上,消費電力はさほど大きくないはずだが,実際のところはどうなのか,ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」で,システム全体の消費電力を計測してみたい。
テストにあたっては,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点を,タイトルごとの実行時とした。そして,各時点におけるスコアをまとめたものがグラフ12となる。
まずアイドル時で比較すると,ALIENWARE X51は旧X51 STDから6W低い値を示した。これはひとえにIvy BridgeとKepler,両アーキテクチャの賜物と言っていい。
一方のアプリケーション実行時だと,ALIENWARE X51の消費電力はX51+GTX 660と同等かそれ以下の水準にまとまった。今回用いているGTX 660カードはリファレンス仕様なので,GTX 660(OEM)のほうがGTX 660より消費電力は低いということになるはずだ。低めの動作クロックが“効いて”いるのだろう。
念のため,CPUとGPUの温度もチェックしておきたい。今回は,ストレスツール「OCCT」(Version 4.3.1)のCPUモードと3DMark 11を同時に実行したときを「高負荷時」として,アイドル時ともども,CPUとGPUの温度を取得するとことにした。CPU温度はモニタリングツール「HWMonitor Pro」(Version 1.14),GPU温度はGPU情報表示ツール「GPU-Z」(Version 0.6.5)をそれぞれ用いて取得する。テスト時の温度は約24℃だ。
その結果がグラフ13,14で,CPU温度はアイドル時だと同程度だが,高負荷時はALIENWARE X51とX51+GTX 660が旧X51 STDより高めに出た。もちろん,これはワーストケースだ。ゲームプレイ時に全コアが100%になることはあり得ないので,ワーストケースで80℃台前半なら,まったく問題ないレベルだと述べていい
一方のGPU温度は,高負荷時にX51+GTX 660よりALIENWARE X51のほうが5℃低い点に注目しておきたい。GTX 660(OEM)の「筐体外へ熱を排気するデザイン」が奏功したのではなかろうか。
バランスを保ったまま,性能が大幅に向上
「プラチナ」で11万円台半ばはむしろ安い
そもそも,GTX 660の性能は,Fermi世代のシングルGPU最上位モデル「GeForce GTX 580」といい勝負を演じられるレベルにある(関連記事)。GTX 660(OEM)の性能は,それと概ね差のないレベルなので,前世代のハイエンドGPUとほぼ同じ性能が,ALIENWARE X51「プラチナ」にもたらされたというわけだ。
冷静になって周囲を見回してみると,競合となるゲームPCでは,GTX 660搭載で5桁円台から購入できるものが少なくない。そのため,単純に数字でだけ比較するなら,「プラチナ」のBTO標準構成価格11万4980円(税込,2012年10月26日現在)は割高である。その点は否定できないところだ。
だが,「ただスペックと価格だけで見る」のを止めてみると,これだけの性能と機能を,Xbox 360より一回り大きい程度の筐体で実現していることの意味が増してくる。他社が実現できていないことを実現していることを踏まえれば,むしろ安いとさえ言えるのではなかろうか。
「PCの置き場所はとにかく最小化したいが,性能や機能には一切妥協したくない。でも,だからといってノートPCで性能を追求しすぎるとトンデモない値段になるからデスクトップPCがいい」というワガママなニーズを満たすことのできる唯一無二の存在。――2012年秋モデルのALIENWARE X51「プラチナ」については,そうまとめるのが適切だろう。
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