プレイレポート
超高難度ダンジョン“残魂の迷宮”が追加されたPS3用ソフト「ウィザードリィ パーフェクトパック」のゲーム内容を紹介
本作は,過去にダウンロード専売タイトルとして発売された「Wizardry 囚われし魂の迷宮」および「Wizardry 囚われし亡霊の街」のゲーム本編に,PlayStation Storeで配信されている全追加シナリオを加え,さらに完全新規のダンジョン「残魂の迷宮」を収録したスペシャルパッケージ。アクワイアがこれまで2年間にわたって展開してきた,PS3版“Wizardry”シリーズの集大成といえるゲーム内容となっている。
本稿では,「ウィザードリィ パーフェクトパック」に収録される2タイトルの内容をざっと振り返ると共に,新コンテンツ“残魂の迷宮”のプレイフィールもあわせてお届けしたい。
「ウィザードリィ パーフェクトパック」公式サイト
あらためて紹介すると,「Wizardry 囚われし魂の迷宮」および「Wizardry 囚われし亡霊の街」は,Wizardryの“Wizardry Renaissance”プロジェクトの一環として作られたオリジナルのシリーズ作である。3Dダンジョン探索型RPGの始祖といえる“Wizardry”の継承すべき部分は継承しつつ,現世代のゲーマーでも遊びやすいようなアレンジが施された作品となっている。
最近のWiz型3DダンジョンRPGは携帯ゲーム機で発売されることが多いが,本シリーズはプラットフォームがPlayStation 3であるため,据え置きゲーム機ならではの美麗なグラフィックスを大画面で楽しめる。本作のプレイヤーキャラクターやNPCなどのイラストは,オンラインゲームのイラストを多く手がける隼 優紀さんによって描き下ろされたもので,4Gamerの読者なら見覚えがあるという人もきっと多いはず。
冒険中はこれらのキャラクターが“瞬き”をしたり,攻撃/被攻撃時などにちょっとしたアニメーションを見せたりする。ちなみにNPCに関しては,会話時にボイスで喋り,従来のWizardryとは違った形で感情移入できるだろう。
Wizardryの名を冠するタイトルだけあって,“3Dダンジョン探索型RPG”としてのゲームシステムに過不足はなく,全体的に遊びやすく作られている。例えば最初から“オートマッピング”が使用可能なほか,戦闘時に表示されるモンスターのレベルは強さの目安になっていて便利だ。また,レベルアップに必要な経験値を獲得すると,(宿屋に泊まらずとも)その場でただちにレベルアップしてくれるのはありがたい。
呪文の名前に関しては,旧シリーズで用いられていた「HALITO」や「DIOS」などといった元祖Wizの名称ではなく,「Flame Arrow」や「Healing Touch」などオリジナル名称が採用されている。未経験者が初めて目にする場合でも,英単語の意味から効果がなんとなく分かるだろう(呪文の説明も同時に表示されるのだが)。
また,「Wizardry 囚われし魂の迷宮」と「Wizardry 囚われし亡霊の街」でそれぞれ展開された複数のダウンロードコンテンツが,「パーフェクトパック」では一通り収録されている。全体としてかなりのボリュームとなっているが,収録内容をあらためて整理すると以下のとおりだ。
●「Wizardry 囚われし魂の迷宮」
・ゲーム本編
・追加シナリオ「修道女の赤き影」
・試練の迷宮全開放
●「Wizardry 囚われし亡霊の街」
・「シナリオ1」(ゲーム本編に収録)
・「シナリオ2」(追加シナリオ)
・「シナリオ3」(追加シナリオ)
・マイキャラとして選べる新種族が追加(フェルパー,フェアリー)
・従来種族用の新たなグラフィックスが追加
●エクストラダンジョン「残魂の迷宮」
なお,「Wizardry 囚われし魂の迷宮」と「Wizardry 囚われし亡霊の街」の間に,セーブデータの互換性がないことには注意してほしい。同じキャラクターで両方のゲームを遊ぶことはできず,Lv1からそれぞれ別に育てる必要がある。ちなみにレベルキャップは,「Wizardry 囚われし魂の迷宮」が99,「Wizardry 囚われし亡霊の街」は299となっている。
“初代Wizardry並みの高難度”という触れ込み
エクストラダンジョン「残魂の迷宮」をプレイしてみた
本稿の執筆にあたり,「ウィザードリィ パーフェクトパック」だけの特典である完全新規のエクストラダンジョン,「残魂の迷宮」をプレイしてみた。これはWiz上級者のために用意された,超高難度ダンジョンである。
残魂の迷宮は,ディメント王国のとある場所で新たに発見されたという設定のダンジョンだ。異形の者達が棲み着いているということ以外,いったいなんのために存在しているのかすら判明していない。これといったシナリオも用意されておらず,純粋に強敵とのバトルやレアアイテムの探索に専念するための場となっている。
入場するための条件はとくになく,(その気になれば)作りたてのキャラクターでも残魂の迷宮に入れる。しかし満足に探索できるかどうかは別の話で,ちょっとやそっとの冒険者では太刀打ちできないどころか,即座に全滅→キャラロストということになりかねない。既存のダンジョンに足繁く通い,パーティをきっちり育成しておくことが最低条件となる。
残魂の迷宮の1フロアの広さは20×20マスで,出現するモンスターは非常に強い。またエンカウント率も高く,普通にフロアを探索してミニマップを埋めていくだけでも,骨が折れる作業となるだろう。
当然ながら地形も入り組んでおり,隠し扉の奥に隠された“制御スイッチ”で魔法が掛かったドアを開けるなどして,少しずつ少しずつ先へ進んでいくことになる。唯一の救いは,(少なくとも地下1階の段階では)ダメージゾーンなどの即死級トラップがないことである。
そんなこんなで苦戦しながらも,地下1階を一通り踏破し,地下2階へ。全部で3フロアとのことなので,そろそろ中盤あたりかな……と思っていたところ,“レベル97”のモンスターの群れに遭遇し,サクッと全滅してしまった。ちなみに最深部の地下3階では“レベル99”のモンスターも登場するらしい。
アクワイアからの資料によると“初代Wizardry並の高難度”とのことなので,「まぁこれくらいじゃないと困るな」と負け惜しみを言いつつ,コントローラを置いた次第。
ちなみにこの残魂の迷宮,「Wizardry 囚われし魂の迷宮」と「Wizardry 囚われし亡霊の街」のそれぞれに用意されている。先述のとおり,この2本はセーブデータが別々になっているので,どちらの育成キャラクターでも挑戦できるというわけだ。両バージョンはマップの構造こそ同じとなっているものの,出現モンスターなどのバランスは微妙に異なっているとのこと。ここでの冒険はPS3版Wizの最終目標となるが,いっそのこと両方で挑戦してみるのもいいかもしれない。
本作「ウィザードリィ パーフェクトパック」は,2011年12月8日にアクワイアから発売される。3Dダンジョン探索型RPGが好きな人はもちろんのこと,このゲームジャンルに新たに興味を持った人も,一度手に取ってみてはどうだろうか。
「ウィザードリィ パーフェクトパック」公式サイト
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