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ARM,TSMCの40/28nm混合プロセスに対応した最適化パックを発表
TSMC 40nm/28nmプロセス・バリアント対応のプロセッサ・オプティマイゼーション・パック | |||
配信元 | ARM | 配信日 | 2012/04/18 |
<以下,メーカー発表文の内容をそのまま掲載しています>
プロセッサ・オプティマイゼーション・パックを発表
ARM ArtisanフィジカルIPが、ARM Cortex-A5、Cortex -A7、Cortex-A9、
Cortex-A15コアの性能とエネルギー効率を最適化
英ARM社(本社:英国ケンブリッジ、日本法人:横浜市港北区、以下ARM)は、プロセッサ・オプティマイゼーション・パック(POP)製品群を大幅に拡張し、TSMC 40nm/28nmプロセス・テクノロジー対応で各ARM Cortexプロセッサをターゲットとする多数の新製品を追加すると発表しました。Cortex-A5、Cortex-A7、Cortex-A9、Cortex-A15プロセッサ・コアをターゲットとして、少なくとも9種類のPOPが新たにリリースされます。ARMの総合的な実装戦略の必須要素であるPOPは、ARMパートナー各社によるシングル、デュアル、クワッド・コア実装のタイミング・クロージャをスピードアップします。
POPにより、Cortexプロセッサをベースとするシステムオンチップ(SoC)開発のリスク削減と製品化期間の短縮が可能となり、パートナー各社は最短6週間で競争力のある結果を出すことができます。
ARMは、最新の28nm HPM(high performance for mobile)および28nm HP(high performance)プロセス・バリアントについて、Cortex-A9コア向けの新しいPOPに加え、ARM最新のCortex-A7、Cortex-A15プロセッサに対応する最初のPOPをリリースします。Cortex-A7、Cortex-A15コアは、エネルギー効率の高いARMのbig.LITTLE処理ソリューションと組み合わせて使用されるため、両コアに対応する新しいPOPの追加は、big.LITTLE実装のための総合的なソリューションを実現します。TSMC 28nm HPM対応Cortex-A15 POPのリード・ライセンシは、数カ月以内に初のチップのテープアウトを目指しています。
TSMC 40nm LP(low power)については、新しいCortex-A7対応POPが、既存のCortex-A5、Cortex-A9対応POP製品群に加わります。またARMは、TSMC社と協力し、最新のTSMC 40nm LPの高速オプションがPOP実装の利点を最大限に生かせるよう、新しいPOPのバリアントを提供する予定です。Cortex-A5(1.0GHz)とCortex-A9(1.4 GHz)をターゲットとするARMのTSMC 40nm LP対応POPは、スマート・テレビ、セットトップ・ボックス、モバイル・コンピューティング、スマートフォンなどのアプリケーションでARMパートナー各社が出荷中のプロダクション・チップに搭載されています。
TSMC社の研究開発担当副社長であるCliff Hou氏は、次のように述べています。「ARMは、TSMCと最新のテクノロジーについて緊密に協力することにより、40nmから28nmまでのTSMCプロセス・テクノロジーをターゲットとして最適化したARMコア・ソリューションを豊富に展開しています。そこから生まれたプロセッサ・オプティマイゼーション・パックは、ARMベースのSoC設計とプロダクション・シリコンの高速化に貢献します。」
プロセッサ・オプティマイゼーション・パックは、最適なARMコア実装に必要な3つの要素で構成されます。1つ目は、特定のARMコアとプロセス・テクノロジー専用に最適化されたARM Artisan(R)フィジカルIPロジック・ライブラリとメモリ・インスタンスです。フィジカルIPは、ARMプロセッサ・エンジニアと緊密に協力しつつ、反復作業で最適な結果を見つけることによって開発されます。2つ目は、ARMがコア実装で達成した正確な条件と結果を記録する総合的なベンチマーキング・レポートです。3つ目は、結果を出すために使用したメソドロジを詳説するPOP実装ガイドです。これにより、お客様が、短時間、低リスクで同じ実装に達することができます。
ARMのプロセッサ/フィジカルIP部門執行副社長兼ジェネラル・マネージャであるSimon Segarsは、次のように述べています。「1つのPOP製品を、エネルギー効率の高いモバイル・アプリケーションやネットワーキング・アプリケーション、あるいはエンタープライズ・アプリケーションにまで応用できるため、ARMのSoCパートナーにとっては、設計のリスクを軽減しつつ、性能とエネルギー効率を柔軟に最適化することが可能です。現在および将来のARMプロセッサ開発と緊密に協調する形で、プロセッサ・オプティマイゼーション・パック実装ソリューションの総合的なロードマップを展開できるのは、ARMだけです。」
以下の表は、各TSMCプロセスに対応する既存および新規のPOP製品をまとめたものです。
ARMは、Cortexコアのハード・マクロにもPOPを組み込んでいます。
お客様による支持のコメント
●オープンシリコン
米オープンシリコン社の社長兼CEO(最高経営責任者)であるNaveed Sherwani氏は、次のように述べています。「ARMベースでフルサービスのSoC開発ソリューションをお求めになるお客様が増えつつあります。当社は、ARMとの関係強化とARMセンター・オブ・エクセレンス(CoE)の設置を発表して以来、既存の総合的なARM SoCシステム設計サービスに、ARMベースのソフトウエア開発キットとFPGAプロトタイピングを追加しました。また、当社のCoreMAX、PowerMAXプロセッサ最適化テクノロジーの拡張として、ARM POPを消費電力と性能の最適化に採用することで、最善のカスタムARMソリューションを構築しています。」
●パナソニック
パナソニック株式会社プロセッサ開発グループ グループマネージャ 博士(工学)である中島雅逸氏は、次のように述べています。「パナソニックは、ARMプロセッサ・オプティマイゼーション・パック(POP)のライセンスを取得し、ARM Cortex-A9ベースのSoCで最大1.4GHzの性能を達成しました。ARMのEDAツール・サポートと実用的なフィジカルIPが、当社の製品化期間短縮に貢献しました。」
●Rockchip
中国Rockchip社のCMO(最高マーケティング責任者)であるFeng Chen氏は、次のように述べています。「タブレット市場は急速に成長しつつあり、半導体企業は、高いコスト効果でグラフィックス、ビデオ、ゲームの性能向上に対応し、なおかつエネルギー効率の高いソリューションを提供することが求められています。当社は、ARMとのパートナーシップのおかげで、ARMの実績あるモバイル・インターネット・テクノロジーを利用し、高性能、低コストで、設計しやすいプラットフォームを提供しています。このターンキー・ソリューションは、Androidベースのタブレット機器に即座に使用したいお客様に最適です。ARM Cortex-A9プロセッサとPOPの組み合わせは、最高の性能、最小の消費電力、最速の製品化期間を実現しました。当社が40nm LPプロセスで効率の高いプロセッサ実装を提供できているのは、そのおかげです。」
●Spreadtrum
中国Spreadtrum社の社長兼CEO(最高経営責任者)であるLeo Li博士は、次のように述べています。「1GHzという高い目標を最短の製品化期間で達成するため、当社はARMのArtisan Cortex-A5 POPを採用し、その結果に非常に満足しています。ARMのマルチ・チャネル・スタンダード・セルと高集積度のメモリ・コンパイラは、他社のIPソリューションに比べ、低消費電力で、なおかつ実装面積を縮小します。」
●ベリシリコン
米ベリシリコン社の社長兼CEO(最高経営責任者)であるWayne Dai博士は、次のように述べています。「設計サービスにおける長年のARMパートナーであるベリシリコンは、昨年、Cortexプロセッサ・ファミリ、POP、その他のARM IPを含む包括的なライセンス契約を締結しました。40nmや28nmのような高度な製造プロセスをご利用のお客様は、ベリシリコンと緊密に協力し、具体的なアプリケーションに合わせてプロセッサ実装の消費電力、性能、実装面積のバランスを取りたいとお考えです。当社のSoCプラットフォームと世界クラスの設計技術は、ARMプロセッサの性能とエネルギー効率を最大限に引き出し、多様なコンシューマ市場向けの差別化されたカスタム・シリコン・ソリューションを実現します。」
→ARM
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