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結のほえほえゲーム演説:第82回「『星のカービィ 夢の泉の物語』で甦る,デパート屋上のワクワク感」
女優・タレントとして活動しております,結です。
たくさんのファミコンソフトが遊べる「ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online」で,修行僧のように黙々と「ヨッシーのたまご」をプレイし続けているのですが,私の大好きなタイトルが追加されたので,緑の卵をふ化させるのを中断し,さっそくプレイしてみました。
それは,「星のカービィ 夢の泉の物語」。
1993年に「星のカービィ」シリーズの2作目として発売された本作最大の特徴は,カービィのアクションにコピー能力が初めて導入されたことでしょう。アクションにぐっと幅が増え,さまざまな攻略が生まれました。
発売当時,本作のビジュアルの可愛さに惹かれ,母親にねだって買ってもらったのを覚えています。私にとっては,最初から最後まで自力でクリアした初めてのアクションゲームでもあります。
あれから26年……。
“カワイイ”の感覚は日々めまぐるしく変化するものです。
去年あんなにカワイイと思って買った服なのに,今年は袖を通す気にもなれない。女性なら誰でもそんな経験があるのではないでしょうか。はやりすたりはあれど,自分自身の感覚が変わってしまうこともしばしば。
服,アクセサリー,化粧品,キャラクター。カワイイは常に飽和状態です。
しかし,私は気付いてしまったんです。
26年前の私が可愛さに惹かれた,「星のカービィ 夢の泉の物語」。
今見ても……。
これ以上にファンシーな世界があるだろうか。いやない。
思わず小学生レベルの反語を使ってしまうほど,カービィの可愛さに動揺していました。
「夢の泉の物語」という副題にふさわしい,絵本のような世界。本作はゲーム全体における配色のバランスが素晴らしく,この配色センスを越える作品にはいまだに出会えていない気がしています。
特筆すべきは,ステージの背景。
ステージ背景の空の色は,時間の経過を表しています。1面は朝で,徐々に明るくなり,6面は夕日,7面は夜……そしてゲームクリアでは夜明けを迎えます。
夢の泉に到着した夜,画面全体が紺,紫,ピンクのグラデーションになるのですが,これがたまらないんですよねぇ。泉だからといって白や水色などの明るい色を使わず,ピンクと紫で表現することにより,不思議で,ちょっと怖くて,優しくて,ぼんやりとした夢のような世界が描かれています。
まんまるでピンクのカービィがいる世界だからこそ生み出せる,すべてがカワイイ世界。
そして,この世界はカワイイだけじゃないんです。
各面には一つのマップが存在し,ドアに入ってステージを攻略します。ステージをクリアするとカービィがドアから出てきて旗を立て,新しいマップが開放される仕組みです。
マップ上にはサブゲームのドアも存在します。クレーンを操作し,カービィのぬいぐるみを入手する,クレーンフィーバー。合図をキッカケに対戦相手より早く銃を撃たなければならない,はやうちカービィ。爆弾を避けながらデデデ大王の投げるたまごを食べ続ける,たまごきゃっちゃ。
このワクワク感,遊園地というよりはゲームセンターに近いかもしれません。それも繁華街にあるゲームセンターじゃなくて,デパートの屋上にあるゲームセンター。クレーンゲーム,ぬいぐるみ,射的。あれもこれもそろえて待っていてくれる,子供が主役の世界。
まるであのゲームセンターのように,星のカービィ 夢の泉の物語は,まさしく大人になった今も憧れる,キラキラと眩しいカワイイがぎっしり詰まった夢のような作品でした。
最近プレイしているゲーム(2019/3/9)
Nintendo Switch:「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」
Nintendo Switch:「スプラトゥーン2」
Nintendo Switch:「星のカービィ 夢の泉の物語」
iOS:「アークザラッド R」
iOS:「ロマンシング サガ リ・ユニバース」
iOS:「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」
■■結(女優・タレント)■■
女優・タレントとしてフリーランスで活動中。国内映画祭にて主演女優賞を多数受賞。幼少期からのゲーム好きが高じ,数多くのゲーム番組でMCを務め,イトキチ(糸吉)の愛称で親しまれている。
公式サイト:http://yui-monogatari.com/
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- 関連タイトル:
Nintendo Switch Online
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