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「System Shock 3」の開発にTencentが参加。危ぶまれていたプロジェクトが再び前進の兆し
この発表は,2019年3月に「System Shock 3」のトレイラーを公開し,シリーズを通してのボス「SHODAN」を登場させてファンを大いに盛り上げた(関連記事)デベロッパのOtherSide Entertainmentが,2020年5月21日に公式Twitterに書きこんだもの。公式Twitterでは,「我々のような小規模のスタジオが自分達だけでプロジェクトを続けることは困難でしたが,ゲームのリーディングカンパニーであるTencentが,ゲームを新たな高みに引き上げるものと確信しています」とコメントしている。
この発表の3日前には,OtherSide Entertainmentが保有していた「System Shock 3」のドメインをTencentが取得したことが報じられており,今のところTencentから公式発表は出ていないようだが,同社が「System Shock 3」にコミットしたのは間違いないと思われる。2/2 As a smaller Indie studio, it had been challenging for us to carry the project on our own. We believe Tencent's deep capabilities and expertise as a leading game company will bring the franchise to new heights.
— OtherSide Entertainment (@OtherSide_Games) May 20, 2020
デベロッパのOtherSide Entertainmenについては,2015年12月9日に掲載した記事に詳しいが,Looking Glass Technologiesの設立者で初代「System Shock」のゲームデザインにも携わったポール・ニューラス(Paul Neurath)氏を中心に,オリジナル版のアートディレクターだったネイト・ウェルズ(Nate Wells)氏など,シリーズに関わりのあるベテランが設立したゲームメーカーだ。
2016年には,著名なゲームデザイナーで,同じく初代の開発を担当した経験を持つウォーレン・スぺクター(Warren Spector)氏の参加が発表されて,ファンの期待はにわかに高まった。
しかし,ゲームメディアのEurogamerが掲載した記事によれば,2018年に「System Shock 3」のパブリッシングを担当するはずだったStarbreezeが財政難に陥り,代わりのパブリッシャも見つからなかったため,一時はプロジェクトの存続が危ぶまれるという事態に陥ったという。OtherSide Entertainmentでレイオフが行われているという報道もあったほどだ。潤沢な資金を持つ有能なパブリッシャであるTencentが乗り出したことで,「System Shock 3」は再び軌道に乗ったと見てよいだろう。
とはいえ,上記のEurogamerの記事によれば,「System Shock 3」のIPを保有するのは,北米のNightDive Studiosというゲームメーカーで,同社も同じく「System Shock」のリメイクに取り組んでいるという。記事には,OtherSide Entertainmenが「System Shock 3」を作ることを許可する「特定の権利」をNightDive StudiosがTencentに譲渡したとあり,このあたりの権利関係は,なかなか複雑な感じだ。簡単に「TencentがIP取得」とTwitterに書けないのは,そういう事情があるからかもしれない。ともあれ我々ゲーマーとしては,無事に「System Shock 3」がリリースされることを期待したい。
「System Shock 3」公式サイト
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