ニュース
Western Digital,第2世代の「WD Black NVMe SSD」を国内発表。自社製コントローラと自社製NAND搭載で高性能と低消費電力を追求
ラインナップは容量1TB,500GB,250GBの3モデルで,いずれも5月18日発売予定。主なスペックとメーカー想定売価は表のとおりとなる。
第2世代WD Black NVMe SSDにおける最大の特徴は,Western Digital独自のコントローラを採用したことだ。おそらく買収したSanDiskのコントローラをベースにしていると思われる新世代コントローラは,CPUとは別に「Data Path engines」を用意しているのが大きな特徴となっている。
Samsungはこの対策として,最新世代だと膨大なSLCキャッシュ領域――具体的には容量2TBモデルで最大78GB――を確保しているのだが,Western Digitalの新コントローラは,連続した大きなデータを逐次書き込みするようなケースにおいて,SLCキャッシュ領域を通すことなく直接NAND型フラッシュメモリへ書き込むようなバイパスを「Data path」として,そしてData pathを制御用のコントローラをData Path enginesとしてそれぞれ用意した。これによりアクセス遅延の問題を回避できるだけでなく,CPUのクロックサイクルを消費しないため,消費電力および発熱を大幅に引き下げられるというのがWestern Digitalの主張だ。
実際,WD Blackで「放熱のための銅シート」などは採用していないとのこと。部品を実装していない面に一般的な放熱シールを貼ってあるだけで,これで十分に冷却できるという。
組み合わせられるNAND型フラッシュメモリは東芝・Western Digital連合の「BiCS3」。64層のTLCで,すでに「WD Blue 3D NAND SATA SSD」で採用実績のあるものだ。
IntelとMicron Technology,そして前出のSamsungはいずれも自社のコントローラとNAND型フラッシュメモリを組み合わせられる技術を持っている。そのグループにストレージ業界の巨人であるWestern Digitalが仲間入りしたことで,SSD市場はさらに活気を増すことになるのではなかろうか。
第2世代WD Black NVMe SSDのスペックはSamusngの「SSD 970 PRO」に迫り,それでいてメーカー想定売価は「SSD 970 EVO」並みなので,性能次第ではゲーマー向けSSDとして大きな注目を集めることになりそうだ。
Western DigitalのWD Black NVMe SSD製品情報ページ
- 関連タイトル:
Western Digital
- この記事のURL: