プレイレポート
DMM GAMESの新作「モンスター娘TD」を先行プレイ。独特のノリの物語と個性的な美少女たちが魅力のブラウザ向けタワーディフェンスゲーム
「モンスター娘TD 〜ボクは絶海の孤島でモン娘たちに溺愛されて困っています〜」公式サイト
絶海の孤島で展開する“コメディ全開&お色気たっぷり”なモンスター娘たちとの物語
冒険の舞台となるのは,たくさんの美少女たちが暮らす「ゲシュペンス島」と呼ばれる絶海の孤島。この島には,「神が最初に少年を作り,母なる大地が少年の世話をするためにモンスターを生み出した」という神話がある。そして,生み出されたモンスターたちは,少年を怖がらせないよう少しずつ形を変え,かわいらしい少女の姿へと変わっていったという。それが,この島に“生息する”美少女――モンスター娘だ。
サブタイトルにあるとおり“モン娘たちの溺愛”を受けて振り回されるシナリオは,序盤からコメディ全開でお色気たっぷり,テンション高めの展開を見せる。そんな,ライトノベル的な導入で物語の世界観に入りやすいところも,「モンスター娘TD」の魅力の一つだ。
主人公の少年と共に冒険するモンスター娘は,サキュバスやスライム,ケンタウロス,人魚など,神話や伝説などに登場する生き物や悪魔,モンスターがモチーフとなっている。モチーフ自体の目新しさはないが,そこはアートディレクションに長けたクリエイティブチーム くまさんだけあって,センス良くデザインされたキャラクターはどれもクオリティが高い。バトルのときなどに表示される3頭身キャラの作り込みも素晴らしく,このあたりのビジュアル面のこだわりは「さすが」といったところだ。
シンプルかつ“ツボ”を押さえたタワーディフェンス
自分好みにモンスター娘を強化できる育成要素も魅力
バトルはシンプルなタワーディフェンスとなっている。最大10ユニット(+助っ人枠のフレンドから1ユニット)のチームで出撃し,自軍のユニットをマップ上に配置。進軍してくる敵を迎撃し,すべて倒すことができればクリアで,進軍を阻止できずに自軍の本陣を通過されるとライフが減り,ライフがすべてなくなると敗北となる。
マップ内にはユニットを配置するマスがあり,時間の経過で増えていく「コスト」を支払う形で出撃させていく。配置マスは基本的に近距離と遠距離の2タイプがあり,マップによっては遠近両用のマスが存在する。近距離マスにはガーディアンやウォーリアー,遠距離マスにはヒーラーやソーサラーといったように,それぞれ配置できる「クラス」が決まっているので,マップにあったユニットでチーム編成を行おう。種族ごとに異なるパッシブスキルもあり,同じクラスでも種族の違いで戦場での役割が異なるところも特徴だ。
攻撃は基本オートで,ユニットの攻撃範囲内に敵が入ると自動で迎撃してくれる。当然敵も攻撃してくるので,味方のHPを回復できるヒーラーを中心に,配置する場所を工夫して対処していこう。
攻略のカギとなるのが,敵の進軍を“ブロック”できる近接ユニット。例えば,3体までブロックできるガーディアンの場合,近くに範囲魔法が使えるソーサラーを設置すれば,ガーディアンで敵を引き付けて,集まったところをソーサラーの魔法でまとめて一掃するという戦い方が可能だ。さらに,壁役のガーディアンが突破されないよう,回復役のヒーラーを配置すれば鉄壁の防御陣形になりえる。こういった戦術が決まって大勢の敵を退けたときの達成感はなかなかのものだ。
ユニットそれぞれの固有スキルや,召喚することで強力な一撃を繰り出す「獣神」といった,プレイヤーが任意のタイミングで使用できるものもある。とくに「獣神」は,回数制限はあるが,それだけに威力は絶大。戦況を変える大きな一手となるので,ここぞという場面で使用したい。
また,“一度配置したユニットを違う場所に動かせる”という,ほかのタワーディフェンスではあまり見られない独特の要素も。これを活かした一風変わった戦術も生み出せそうで,楽しみなポイントだ。
キャラクター(ユニット)は,バトルに参加させるか,強化アイテムを消費することでレベルが上がり,装備品をセットすることで強化可能だ。装備は,武器,頭,体,アクセサリーの4種類。セットできるものはクラスによって異なり,それら4種類すべての装備をセットすると「クラスチェンジ」が可能となる。実行すると最大レベルがアップし,ユニークなパッシブスキルを習得。さらに強力なユニットへと成長する。
ほかにも,攻撃力やスキルを強化する「サブスキル」や,パラメータ向上や出撃コストを減らすといった効果がある「潜在覚醒」といった育成要素もあり,ユニットを強化する方法はさまざま。育て方やユニットの組み合わせ次第でチームに個性が出せるところは,こだわり派のプレイヤーには嬉しいポイントだ。
β版だったこともあり,全体的なバランスまでは把握できなかったが,難度は控えめといったところだ。少なくともゲーム序盤は,ある程度育成が進んでいれば,とくに戦術を練らなくても攻略できるような絶妙な難度となっていた。
DMM GAMESには「千年戦争アイギス」や「御城プロジェクト:RE」といった名作タワーディフェンスがあるが,それらに比べるとライト寄りのゲームと言えるだろう。クラスの概念や戦術性は千年戦争アイギスに近いものがあるが,編成できるキャラクター数と配置マスが少ないぶん戦術面はシンプル。一発逆転を狙えるほど強力な「獣神」があることで難度も抑えられ,カジュアルに遊べるゲームという印象だ。
しかし,カジュアルだからといって“軽いゲーム”では決してない。敵の動きに臨機応変に対処するというタワーディフェンスらしさはしっかり盛り込まれているので,こういったジャンルのゲームが好きなプレイヤーも十分に楽しめるだろう。
タワーディフェンスならではの面白さをシンプルにまとめ上げたバトル,さまざまな方法によってプレイヤーが思い思いにユニットを強化できる育成要素。これらの完成度はなかなかのもので,アーリーアクセスを経てどのように仕上がっていくのかが楽しみだ。
種族特性とクラス特性を把握して,適材適所の采配をしよう |
入手したキャラクターは「モン娘図鑑」に記録される。魅力あふれるモンスター娘たちを集めるのも本作の楽しさの一つ |
そして何より,幻想的で落ち着いた雰囲気のあった「ミストトレインガールズ」から一転,全く異なる作風とノリを持ってきたクリエイティブチーム くまさんには驚かされた。お色気たっぷりのコメディタッチで,ときに悪ノリ(?)もあるが,キャラクターが何より魅力的で,何でも許せてしまいそうな勢いがあるところも憎い。どのようなノリの物語とキャラクターなのか,実際にプレイして確認してみよう。
「モンスター娘TD 〜ボクは絶海の孤島でモン娘たちに溺愛されて困っています〜」公式サイト
- 関連タイトル:
モンスター娘TD 〜ボクは絶海の孤島でモン娘たちに溺愛されて困っています〜
- この記事のURL:
(C)2021 EXNOA LLC