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[TGS2023]メタルスラッグ初期スタッフによる「Black Finger JET」は,メタスラとは異なるレイヤで発展するゲームになりそうだ
それが,9月21〜24日にかけて開催中の東京ゲームショウ2023で,インディーゲームコーナーに出展されている(09-E46)。「調子と運が極めて良ければメタルスラッグ3をワンコインクリアできる」程度にシリーズをやりこんできた筆者としては,足を運ばないわけにはいかないというものだ。
「Black Finger JET」発表。「メタルスラッグ」原案&グラフィッカーのakio氏,プランナーのみいはあ氏,サウンドのHIYA!氏による完全新作
KOHACHI STUDIOは本日,PC用アクションゲーム「Black Finger JET」を発表し,Steamストアページとティザー動画を公開した。本作は,ナスカおよびSNKで「メタルスラッグ」シリーズを手掛けたメンバーが再集結して贈る,新作アクションシューティングゲームだ。
出展ブースでは,ハンズオンこそできないものの,実際のプレイ画面を用いたPVが上映されていた。ゲーム画面は,サイドビューのラン&ガン,デフォルメされたキャラ,コミカルなアニメーション,捕虜が提供してくれる特殊武器など,いかにも「メタスラの開発陣が手掛けました」という雰囲気が漂っている。
しかし驚かされたのが,2Dのドット絵で表現された人間キャラクターと,3Dのポリゴンモデルで作られたロボット系エネミーが同じ画面に共存していることだ。とくにボスは,巨大なポリゴンモデルでグリグリと動きまくる。メタルスラッグシリーズで例えるならば,NEOGEO版のグラフィックスと「Metal Slug: Awakening」のグラフィックスが同居しているようなものだが,これが見事なバランスで調和している。蔑むわけではないが,キャラクターと背景で色調やドットサイズを変えていた「メタルスラッグ6」以降のナンバリングシリーズよりも自然に見える。
また,PVのBGMはメタルスラッグらしい金属的なオケヒが鳴りつつ,オンボーカルとなっている。これはサウンドのHIYA!氏が「勝手に作った」曲であり,ゲームに実装される楽曲がどうなるのかは未定とのことだが,こちらも先述の2D+3Dと同様に「今までにないものが混ざり込みつつ調和している」雰囲気となっている。
余談だが,HIYA!氏に「例えばプラチナゲームズのゲームはボス戦でボーカルが入って気分をアゲてくれたりしますね」と言ってみたところ,同氏はプラチナゲームズのタイトルに関わったこともあるので肌感覚で知っているうえ,そういった要素は共通認識的な“関西ノリ”なのだという(※初期メタルスラッグのスタッフは関西出身者が多い)。なるほど,言われてみれば野球の応援歌は関西の球団が有名だったりするし,関西では最高潮のタイミングでボーカルを入れるのが好まれている気がする。
PVは"決意表明”的なものとして作ったそうだが,そこから垣間見えるコンセプトは「メタルスラッグをもう一度作ろう」ではなく,「メタルスラッグのスタッフで,今度は現代的なレイヤでゲームを作ろう」という感触だ。
現時点で非常に雰囲気の良いゲームなので,SNK視点だと考えようによっては「強大なライバルが出現した」とも言えるが,Black Finger JET側としては「新しいブランドとして作っていきたい」というイメージであり,現行のメタルスラッグとは共に発展していきたい考えだという。確かにファンとしても,「元祖と本家の両方おいしい」という状況になれば,どちらか片方だけよりも遥かに嬉しい。筆者的にもフィオに活躍してほしいし。
また,「メタルスラッグのファンを満足させたいのはもちろんだが,かつてのメタルスラッグを知らない人にも届くようなゲームにしたい」とのことで,外見・中身ともに旧作をなぞるようなデザインにはしないという。かつ,再集結したメンバーは他に本業がある中で本作に開発に携わっており,そもそもゲーム業界から離れていたりもするため“インディーズゲームならでは”のスタイルで制作を進めているそうだ。必然的にプロダクトとしてリリースされるSNKおよびライセンスアウト先のゲームとは,趣が大きく異なるものになるだろう。
なお筆者としては,アーケードスタイルの被弾&即死か,それとも家庭用らしく体力制なのかが(レベルデザインにも大きな影響を与えるので)気になっていたポイントだったりもした。そういった部分の具体的な仕様は未定なものの,現状の方向性としては即死型の残機制になりそうだ。
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