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「ランス」シリーズ全作品が初めて入手可能な状態に。「ランス10」の最高の体験のために,イチから遊ぶなら今!
ぱんぱかぱーん
— TADA (多田) (@hanny_king) April 13, 2023
本日、ランスシリーズ全作品が購入可能(無料配布含む)状態になりました
※歴史上初の出来事です(大げさ)
制作者としては、旧作の取得手段が無くなり失われていくのが一番辛いのだ
なんらかの形でプレイしてもらえる状態になったのは嬉しい
https://t.co/CnKFyO8t1E pic.twitter.com/2k96mLs6A8
ランスシリーズのほとんどの作品は,これまでもダウンロード販売などで入手できるようになっていた。ただ,「ランス02」だけは例外で,現状ではプレイが難しかった。ランス02は,2009年に発売されたアリスソフトの周年作品「アリス2010」内のいちコンテンツという扱いだったので,単体販売をしていなかったためだ。今回,TADA氏がアリスソフトの許可を取り,ランス02を自身のブログで無料配布したことで,初めてシリーズの全作品を購入・取得可能になったという。
……と,ここまで書いておいて今さらだが,ランスシリーズは4Gamerでは積極的に扱わないアダルトゲームである。しかし「でもエロゲーでしょ」と言うには別格なシリーズだと思うので,ちょっと紹介しておこう。
ランスは,1989年にPC-9801などに向けて発売された「Rance -光をもとめて-」から始まり,2018年の「ランス10 決戦」で完結したシリーズだ。タイトルによってジャンルがまったく違っているのが特徴で,アドベンチャーや3DダンジョンRPGなこともあれば,地域制圧シミュレーションやシミュレーションRPGだったりすることもある。ジャンルを変えながらも,どれもきちんとゲームとして面白いというのが,シリーズの大きな魅力だ。
ランスシリーズで特筆すべき点は,30年近く同じ主人公の物語を作り続けてきたことにある。主人公のランスは,アダルトゲームということで,まぁロクでもないやつなのだが,悪を倒して主人公らしい動きをしてくれる男でもある(結果的にそうなるだけなことも多々あるが)。そんな彼が,世界のいろいろな場所で冒険して仲間や知り合いを増やし,その結果,人類が危機的状況に陥ったランス10において,世界中からシリーズの登場キャラクター達が集まって,タイトル通り“決戦”に挑むというのが,シリーズの大雑把な流れと言える。
要は,プレイヤーとしては30年分の分厚い冒険の記憶や思い入れを持って,最終作でシリーズ完結をきっちり見届けられるという,稀有なゲームなのだ。
しかも,ランス10はゲームとしてのデキがめちゃくちゃ良い。シナリオ,システム,音楽すべて文句ナシで,歯ごたえのある難度とリプレイ性のある仕組みを備えているため,何度でも遊びたくなる。これに,シリーズで積み重なった思い入れが加わると,「100点満点じゃ収まらんわ,1万点だ!」とか言いたくなるぐらいの体験ができる。物語の畳み方も納得できるもので,クリア後はむしろ「シリーズ,終わっちゃったよ……」とちょっと落ち込んだぐらいだ。
これだけの濃密な体験は,30年近くもの長期間,ランスの物語を描いてきたからこそできたことだろう。筆者は,エンディングを迎えて本作ほど満足したゲームはほかにないし,これほどの体験はこの先,一生できないだろうと思っている。アダルトゲームであるとかは関係なく,いちゲーマーとして「良いゲームを遊んだ!」と思えたのだ。
そんなランス10は,ぜひ多くの人に遊んでもらいたいが,この作品はどうしても「それまでの積み上げ」がなくては語れない。今回,せっかくシリーズすべてが入手可能になったので,この機会にぜひ手に取ってはいかがだろうか。
いや,「1から10まで遊ぶのはさすがに大変」というのも分かるのだが。ピックアップするとしたら,とりあえず第一作のリメイクである「ランス01 光をもとめて」から入ってもらって,システム的に面白く,シナリオもランス10につながる重要な話が多い「ランス6 ゼス崩壊」から「ランス9 ヘルマン革命」までを遊んでもらうのが,個人的にはいいと思う。1作ごとに1つの冒険として話はまとまっているので,気になったやつだけ触ってみるのもアリだろう。とくにランス7にあたる「戦国ランス」は,舞台が特殊であまり過去のキャラが出てこない,シリーズを追っていない人でも遊びやすいタイトルなのでオススメだ。
TADA氏ブログ内の「ランスシリーズ案内所」
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