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[TGS 2012]画期的なアイデアを持ったゲーム開発者達の発表会「センス・オブ・ワンダーナイト 2012」が開催
SOWNとは,見た瞬間に誰もがあっと驚き,自分の世界が何か変わるような感覚=「センス・オブ・ワンダー」を引き起こすようなアイデアを持ったゲームを発掘し,その開発者にプレゼンテーションの機会を提供しようという試みである。ルール上はプロ・アマ問わないことになっているが,アマチュア開発者にスポットを当てるという目的もあるため,インディーズゲームから選ばれることが多い。
今回で通算5回目の開催となるSOWN 2012には,厳しい審査をくぐり抜けた10タイトルが登場。各タイトルの開発者が登壇し,自らプレゼンテーションを行っていった。まずはノミネートされたタイトルを,ざっとリストアップしていこう。
■ノミネート作
「Grandmaster」★
Artur Mine and Dmitry Verbitsky(Beast Mode)(ウクライナ)
「ちゅまむ chumam」★
石田翔(い〜といん)(日本)
「BREAKS」
なんも/柳原隆幸(FullPowerSideAttack.com)(日本)
「光弾の射手 The Light Shooter」★
安本匡佑(日本)
「TAISO」★
雑魚雑魚(日本)
「Douse」
DigiPen Team Terrabyte(アメリカ)
「Backworlds」★
Anders Ekermo & Juha Kangas(スウェーデン)
「BaraBariBall」
Noah Sasso(Strange Flavor)(アメリカ)
「Memory of a Broken Dimension」★
Ezra Hanson-White(sole creator)(アメリカ)
「Tengami」
Jennifer Schneidereit(Nyamyam)(イギリス)
プレゼンテーションは,ゲームの面白さをストレートにアピールする開発者もいれば,開発中のドタバタ日記を披露する人がいたり,ゲーム開発のスタンスをつらつら語り出す人がいたり,いきなり体操を始める人もいたりなど,なかなかフリーダムな雰囲気の中で進行していく。また来場客は全員,ピコピコと音の鳴る玩具を手渡されており,センス・オブ・ワンダーを感じた際には,それを振って音を鳴らすことになっている。会場内が盛り上がると一斉にピコピコ音が鳴り響くという,微笑ましい発表会なのである。
そんなこんなでプレゼンテーションはつつながなく進行。まず,プロのゲーム開発者によって選ばれる審査員賞を受賞したのは,以下の6タイトルだ。
- 「Grandmaster」
- 「ちゅまむ chumam」
- 「光弾の射手 The Light Shooter」
- 「TAISO」
- 「Backworlds」
- 「Memory of a Broken Dimension」
そして,会場内に最もピコピコ音を鳴り響かせた作品に贈られる最優秀賞は,ウクライナ生まれの「Grandmaster」に決定した。本作はホームレスの生活を赤裸々に描いたというタイトルなのだが,そのアイデアもさることながら,プレゼンテーションの場で開発者達がテーマ曲を高らかに歌い上げたのが,今回の勝因のように思えた(聞こえた)。
約2時間半という長丁場の催しだったが,会場内全体が一体となった,とても心地良いイベントであった。次回の開催にも期待したい。
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